漫画【推しの子】感想

たまゆら

かな好き

久し振りに「かぐや様は告らせたい」を読み返しまして。やっぱり早坂さんはかわいいなぁ。

んで、何やら同じ方の作品で「推しの子」という漫画があると聞き及んでいたので、どういう漫画かも知らないまま読んでいました。

さっき読み終わりました。

ゲームでも漫画でも隅々まで自分なりに咀嚼した上で3日くらいかけてレビュー記事を書くのですが、今回は一度通しで読み終わった直後に書きます。

全然読み込めていないのでただの薄っぺらい感想垂れ流しです。

レビュー記事ではありませんのでネタバレ全開、あらすじも紹介しない考察もしない推敲もしません。

とは言ってももしかしたら未読でこの記事を読む方もいるかもしれませんので、どういうお話かだけでもザックリと。

  • 主人公はアイドルのアイを推しているおっちゃん
  • 主人公が謎の人物に刺されて死ぬ
  • 主人公がアイの子供に転生
  • アイがストーカーに刺されて死ぬ
  • 主人公は復讐に人生を捧げる

かなり雑ですが。ここまで1巻。

で、最終章で刺し違えて復讐を果たし主人公と黒幕は死亡。

もちろんそこに至るまでに色々な人物が絡むので、大変読ませる&先が気になる作品なのですが、とにかく暗い。

お話も暗いですが主人公がまぁ暗い。復讐のために終始自己犠牲に生き、一人で考えて一人で実行し、誰にも心を開かず仲間を頼る事もせず。

完全にシリアスなサスペンス物ならまだしも、結構ラブコメ要素もあるのです。かわいい女の子がいっぱい出てきて主人公を取り合ったりしてね。

しかし主人公は結局最後まで自分一人で何とかしようとする。そして死ぬ。成長率E。

人間はそう簡単に成長しないし変わらないし、頑張ってもどうにもならない事もある。それは確かにリアルかもしれません。が、創作くらいは救いがあってもいいんじゃないかなと思う訳です。辛いのは現実だけで充分。

道中を暗く描くなら、エンディングでハッピーエンドになってこそカタルシスが得られるのではないでしょうか。

いやね、主人公が死んだからバッドエンドだと言いたいわけではありません。

主人公が死んだ後、「主人公を愛していた人たちが絶望する → でも強い子なので悲しいけど立ち直って前に進み始めました、めでたしめでたし」、これを最終話のダイジェストで済ませて ~終~ としたのがもうね、いやいや今までの百数十話の積み重ねは何だったの…と。

物語的にはビターエンドっていうのですかね、最終的には主人公が愛した人たちがそれぞれの未来に向かって進んだので主人公の望み通りになったわけで完全バッドエンドではないのですが、読者はバッドエンドですよ。

読者って主人公に感情移入するのではないでしょうか。10年以上はひきずってて欲しいってエレンも言っていたじゃあないですか。何で数ページで立ち直ってるのよ。立ち直るなら立ち直る描写が欲しかった。

ゴローが死んでアイが死んでアクアが死んで、推しが3人も死んでるんやぞ。それでも嘘でも明るく前を向いてアイドル道を突き進むって本当に人間か?せめてその原動力に説得力が欲しかった。

結局ラストの、「どうしようもないほどアイドルは楽しいお仕事!キラキラ」が言いたい作品だったの…?そんな馬鹿な。

それならもうよく解らない神様が出てくるような世界観なのですから神様の力でなんとかなりましたとか、いっそ夢オチでしたとか、そんな無理矢理な展開の方が私は好きです。

というかさぁ、嘘を突き通しながら死んでいったアイがいて、そのアイを苦しみながらもなぞっていたルビーに対して、「ルビーはアイじゃないからありのままのルビーでいいんだよ」とアクアに救われるわけじゃないですか。良いシーンじゃないですか。

作品全体に「嘘が愛」「愛しているからこそ嘘をつく」的なテーマがあってそれは現実的には否定しませんが、でもだからこそ最後の最後にはルビーの「嘘をつきたくない」という本心で成功するからファンタジーなのでは。

なのに「ルビーは悲しみを嘘で隠して立ち上がった」というエンディングはスッキリしません。リアルですけども、現実で知ってるもん、そんな事。夢が無い。

100話作って100話面白い漫画は無い的な事を劇中で書いていたかと思いますが、だとしてもやっぱりエンディングって大事ですよねぇ。

長く連載続けられなかった事情があるのですかね。

エンディングの描写不足以外にも、このストーリーだったらもっと道中のエピソードを増やした方が良かったと思いました。

かなの「アンタの推しの子になってやる」というファーストライブの決意は大変ワクワクしましたが全然活かされませんでしたし。かな好きなのにストーリーの都合でキャラがブレブレにされていて悲しい。キャラがブレているのはかなに限らないですが。

創作を摂取した後は、「あぁ…良かったねぇ…」とか「そらそうなるよ」とか「何故だぁぁ橘瑠衣ぃぃぃ」とか、作品の内容に対して何かしら思いを馳せるものです。

商業連載漫画の事情は全く分かりませんが、1話から最終話まで全部描き上げて推敲を重ねてから読者に提供するわけではないので、様々な理由でバランスが崩れたり描きたい事が描けなかったりするのかなぁ、なんて感想が真っ先にきた初めての作品でした。

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