書籍「堀井雄二のドラゴンクエストのつくりかた」を読んでレビュー

たまゆら

人生はロールプレイング

息子が最近FC版ドラクエ1と2をクリアして、ついでにScratchというプログラミング言語でRPGを作ったりしているので表題の本を購入してみました。

これで息子には将来国民的RPGを作ってもらって私は左団扇で暮らします。

目次

ブックデータ

  • タイトル … 堀井雄二のドラゴンクエストのつくりかた
  • 著者 … 堀井雄二、塩崎剛三
  • メーカー … スクウェア・エニックス
  • 価格 … 2,200円
  • ページ数 … 379ページ
  • 発売日 … 2026年7月17日

著者について

堀井雄二

言わずと知れたドラゴンクエストの生みの親。ドラクエ以外では「ポートピア連続殺人事件」や「オホーツクに消ゆ」といったアドベンチャーゲームも手掛けた。

塩崎剛三

週刊「ファミコン通信」元編集長。「オホーツクに消ゆ」の制作にも携わっており、堀井氏とは40年以上の付き合い。

概要

制作秘話や当時の思いを語る座談みたいなコーナーもありますが、それらはボリュームとしては控えめ。

本書のメインコンテンツは主に2つで、システムの技術的な話、それからドラクエを作る時にどのような事に気を付けているのかというマインド的な話です。

前者のシステムの話に関しては、

  • モンスターにどんなパラメータを持たせているか
  • モンスターの行動パターンはどうやって制御しているか
  • エンカウント率の調整方法
  • 味方AIの行動決定フロー

この辺の実装について、具体的な数値を交えながら開発者目線で100ページくらい書かれています。仕様書かよ。

ドラクエVミミックの行動パターンがマホトラ33%/ザラキ27%/メラミ23%/通常攻撃17%だとか、複数体で出現したまどうしが1ターンに2発以上ギラを撃たないようにグループ単位で行動パターンを制限する方法だとか、正規分布サイコロによるエンカウント率制御だとか、クリフトが死のタコツボになる理由だとか。

誰向けに書いてんだとツッコミそうになりましたが、そりゃ「ドラゴンクエストのつくりかた」ですからドラゴンクエストを作りたいと思っている人向けですね。

もう一方のメインコンテンツ、ドラクエを作る上でのマインドの話については一般ドラクエファンも楽しくスラスラ読めるかと。

分かりやすく、導入で惹きつけて、面倒くさい要素は排除して、魅力的なキャラクターを立てて、魔王の目的もしっかり描いて、意表を突くイベントを用意して、流行りのものも取り入れて、プレイヤーの立場にたって楽しませるように……等々。

え、そんなこと?普通じゃね?

その普通を最初に作り出した事、そしてその普通を今でも大切にしている事こそ、ドラクエが王の道を征く要因なのでしょうね。

所感

冒頭「この書籍は、ボク特製のRPG創作指南書です」という言葉から始まりますが、まさしくその通りの「ドラゴンクエストのつくりかた」でした。

ドラクエファン向け半分、これからゲームを作ってみたい人向け半分といった感じの内容。ゲーム制作会社の新卒にまず読んでもらう本みたいな。

個人的には興味深かったです。ただ、マジのドラゴンクエストの作り方を知りたい人がそんなに多いとは思えないのですよね。ちょっと人を選ぶ本だと思います。まぁタイトルが「ドラゴンクエストのつくりかた」なので(以下省略)

と、若干批判めいた格好にはなりましたが、一貫して語られる「エンターテイナーとして人々を楽しませたい」という堀井氏のマインドは、この一億総発信時代において学ぶべきことも多いです。そういう意味では「ゲームを作る気なんざないわ」という人も読む価値があると言えます。

こんな人にオススメ
  • ドラクエが好き
  • 堀井雄二が好き
  • マニアックな話が好き
  • 人を楽しませるのが好き
  • ゲームを作ってみたい
  • 何か創作をしてみたい
  • 人生はRPGだと思っている

リメイクでAIが賢くなってクリフトがザキを選びにくくなったから強制的に1/4でザキを唱えるようにした、という話が面白かった。エンターテイナーの鑑ですなぁ。

あと巻末に堀井雄二年表が約40ページにも渡って記載されていて笑ってしまいました。人に歴史ありすぎでしょう。

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