木村花さんの訃報によせて

 

5月23日、女子プロレスラーの木村花さんが遺書を残して亡くなったそうです。

22歳でした。

 

テラスハウスというテレビ番組で、木村花さんが大事にしていたコスチュームを同居人に洗濯・乾燥され縮んでしまい、同居人を罵倒。

この件についてSNS上で誹謗中傷を浴びたためとみられています。

 

以下が最後のツイートのようです。

死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。

お母さん産んでくれてありがとう。

愛されたかった人生でした。

側で支えてくれたみんなありがとう。

大好きです。

こんな悲しい話はありません。

たくさんの応援の言葉より、一つの誹謗中傷の方が効くのですよね。

 

SNS運営側の対応が不可欠

誹謗中傷する人に「誹謗中傷はよくない」と言っても理解出来ないでしょうから、現実的にはプラットフォーム側が「誹謗中傷をさせない仕組み」を構築する必要があるかと思います。

何が「誹謗中傷」なのか、何が「批判」なのか、何が「意見」なのか、この辺りの判断が難しいため、現在はほぼ野放しになっている状態です。

 

こんな時こそAIやビッグデータの出番ではないのでしょうか。

何がやりすぎなのか、いきすぎなのか、ディープラーニングが発達すればより高度で高速なフィルタリングが可能かもしれません。

冷蔵庫にAIを搭載している場合ではないと思います。

 

言論の自由を履き違えてはいけない

言論の自由、という考え方もあります。

特に日本では個々人の権利・自主性を主張し、それが崇高なものであるという風潮があります。

新型コロナウイルス対策にして「自粛要請」という対応をしていたところからも見て取れます。

立派な事だと思いますが、それは「細かくルールを決めなくても皆ちゃんとやれるよね」という前提の上で成り立っています。

人にされて嫌な事はしない、こんな事は幼稚園で学びます。

 

仮に相手に嫌な事を言われた、嫌な事をされた、では反撃していいのかと言ったらそれでは小学生と同レベルです。

そっと胸の内に留める、他で発散する、大きな穴にでも向かって叫ぶ、それが大人の対応ではないでしょうか。

今回の件で言えば、「木村花さんに嫌な思いをさせられたから攻撃する」という思考なのだと考えられますが、6歳くらいで精神年齢が止まっているようです。

 

テラスハウスの責任も

そもそも「木村花さんに嫌な思いをさせられた」についても、テレビの演出の可能性だって考えられます。

わざわざ炎上するような台本を用意して視聴率を狙いにいっているかもしれません。

推測でしかありませんが、もし演出だった場合はテラスハウスの責任は重大です。

 

またテレビ演出が入っていないにしても、プロレスラーという自己プロデュース、キャラクター作りの可能性もあるでしょう。

こんなのに本気で噛みついている時点でやっぱり6歳児くらいの思考レベルです。

 


 

22歳という若さで不特定多数の人間に死ねだの消えろだの言われ続け、絶望の中で命を絶つという選択をせざるを得なかった事、想像を絶する苦悩だったでしょう。

実際に木村花さんが亡くなった事で、このような誹謗中傷を行った人たちは満足しているのでしょうか。

一人の人間を自らの手で死に追いやった事が誇らしいのでしょうか。

過ちは誰にでもあります。

どうか、どうか、反省し更生される事を願います。

 

今回の件を受けて、政府もネット上での誹謗中傷に対する罰則を定める方向で動いています。

有名人が命を絶ったという事で話題になりましたが、今も多くの人たちが悩み、苦しみ、そしてもしかしたら自ら命を絶っているかもしれません。

これ以上、姑息なネットリンチの犠牲者が増えませんよう。

 

最後に。

この件を受けて個人として出来る事は、意識的にはもちろん無意識にも相手の嫌がる事をしていないか見直す事だと思います。

世界中の人たちが相手を思いやる気持ちを持てば、きっと素敵な世界になります。

 

木村花さんのご冥福をお祈りいたします。

 

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