シリーズ初プレイおじさん
メタルギアソリッドってゲームをご存知ですか?
プレイした事が無くても、恐らくほとんどの方が名前くらいは聞いた事があると思います。
私もそんな一人でした。
タイトルは知ってる、主人公がスネークという名前なのも知ってる、段ボールに隠れるゲームだという事も知ってる、銃でバンバンするゲームだという事も知ってる、その程度。
龍が如くシリーズを全て終わらせたので次何やろうかなーとPS storeを漁っていたら、シリーズ最新作の「メタルギアソリッドV グラウンドゼロズ+ファントムペイン」が3,000円だったためポチッとな。
これがまーーーーーー面白かったので作品紹介とレビューをさせていただきたいと思います。
メタルギアシリーズとは
1987年に初代メタルギアが発売。
当時敵を殲滅するアクションゲームが主流だった中で、敵から隠れながら戦闘を避けつつ進むというテーマを持った意欲作でした。
当時のゲーム機は性能が低く銃弾がバリバリ飛び交う戦場を表現する事が困難だったため、発想を逆転させて戦闘を回避するゲームとして着地したそう。
はぇー賢い。
後年、このメタルギアが「ステルス要素を完全に取り入れた最初のビデオゲーム」としてギネス世界記録に認定されました。
ギネスって何でもあるのですね。
以降、メタルギア2、メタルギアソリッド、メタルギアソリッド2、メタルギアソリッド3、メタルギアソリッド4、メタルギアソリッドピースウォーカーと続き、今回私がプレイしたのが最新作のメタルギアソリッドVです。
各作品で時系列が異なりますが全て話が繋がっており、2015年に発売されたメタルギアソリッドVでこの30年続いたメタルギアサーガは完結。
他にもスピンオフやパラレル作品は大量にありますが、正史という意味では上記のみっぽいです。
シリーズ毎の時系列
- 1964年 メタルギアソリッド3
- 1974年 メタルギアソリッド ピースウォーカー
- 1975年 メタルギアソリッドV グラウンドゼロズ
- 1984年 メタルギアソリッドV ファントムペイン
- 1995年 メタルギア
- 1999年 メタルギア2
- 2005年 メタルギアソリッド
- 2007年 メタルギアソリッド2
- 2014年 メタルギアソリッド4
作品内で50年もやっているとは壮大。
初代メタルギアに繋がる物語を最終作のメタルギアソリッドVで描くというのは、シリーズファンにとっては震える展開だったのでしょうね。
ちなみにメタルギアソリッド4がPS3、メタルギアソリッドVがPS3/PS4/Xbox/Windows、それ以外はPS vitaでリマスター版が遊べるようですよ。
グラウンドゼロズ?ファントムペイン?
メタルギアソリッドVにはグラウンドゼロズとファントムペインの2作品があります。
ゲームシステムは同じでグラウンドゼロズは前日譚、ファントムペインは本編。
今はセット売りされているのでセットで購入すればよいでしょう。
今回私が購入したのもセットのやつです。
何故2作品に分かれているのかについては当時の事情が色々あるのでしょうが、今現在では気にする必要はありません。
グラウンドゼロズが2014年発売、ファントムペインが2015年発売と間隔が空いているので、とりあえず本編のファントムペインを開発している間にグラウンドゼロズで練習しといてねという感じだったのでしょうか。
他シリーズやった事ないけど楽しめる?
私はドップリ楽しめました。
もちろん他シリーズをプレイしていた方がより楽しめるのだとは思いますが。
時系列的には本作の前にメタルギアソリッドピースウォーカーとメタルギアソリッド3がありますが、これらのあらすじはゲーム中で説明がされますのでご安心を。
メタルギアソリッドVの登場人物紹介
ネタバレ無しです。
スネーク (ビッグボス)
国家に所属しない傭兵集団「ダイアモンド・ドッグズ」のボスで伝説の傭兵で主人公。
様々な組織から様々な依頼を請け負い、その報酬で部隊を拡大していく。
一番偉い人なのに一番現場で働かされる人。
情に厚く仲間想い、そして必要とあらば自分の手を汚す非情な決断も出来る強さを併せ持つ、まさに主人公の鑑。
カズヒラ・ミラー
スネークに陶酔する本作のヒロインで、ダイアモンド・ドッグズのNo2。
過去にスネークの敵として戦ったが敗北。その後スネークにその才能を見出され手を組むようになり、友人として相棒として片腕としてスネークを支える。
女性好きという設定があるが本作ではそのような描写は無く、ある事件をきっかけにひたすら冷酷な人物として描かれる。
しかし子犬となると態度豹変。かわいい。
あとハンバーガーが好き。
オセロット
スネークに心酔する本作のヒロインその2で、ダイアモンド・ドッグズのNo3。
いいセンスの持ち主。
頭が固めなカズヒラに対してかなり柔軟である意味ぶっ飛んだ発想をし、ダイアモンド・ドッグズの隊員からは「何を考えているのか分からない」と評される。かわいい。
ヒューイ
精神に異常をきたした科学者。
描写不足なのかはたまた敢えての演出なのか、最後まで敵か味方かはっきりしないポジションで物語を引っ掻き回す。
スカルフェイス
敵対組織のボス。
その凄惨な生い立ちから世界への報復心を抱き、歪んだ正義を掲げ行動を起こす。
見た目は怖いが結構紳士的。
クワイエット
敵対組織の凄腕スナイパー。
ただのお色気枠のサブキャラかと思いきや、物語にグイグイ食い込んでくる。
ラストの展開はちょっと感動。
DD
スネークがミッション中に拾った子犬。というか子狼。
成長すると一緒にミッションに出撃出来るようになる。
一緒に伏せてるのかわいすぎる。
コードトーカー
物語の根幹に関わる、100歳を超える老科学者。
光合成で生きていけるため食事を摂る必要が無いがハンバーガーが好き。かわいい。
イーライ
スネークがミッション中に拾った子供。
思春期真っ盛り。
「液体人間」とプリントされたオサレなノースリーブジャケットを着こなす。かわいい。
メタルギアソリッドVの良いところ
- 引き込まれるストーリーと魅力的な登場人物たち
- 圧倒的なボリューム
- 刻一刻と状況が変化するリアルタイムオープンワールド
- 2014年発売の作品とは思えないほどの美麗グラフィック
ストーリーとキャラクターの魅力
本作だけを見た場合、大枠のストーリーは分かりやすい方だと感じました。
シリーズを通してプレイしていないと細かい背景が分かりづらいというのはありますが(ゼロって誰?)、それを差っ引いても惹きつけられます。
傭兵として軍人として、命を張って己の正義をぶつけ合う人間たちの生き様。
自分の知らない世界に触れられるだけでワクワクします。
そして出てくるキャラクターがみんなカッコイイのなんの。
カズヒラの気持ちも分かるしオセロットの気持ちも分かるし、スカルフェイスの気持ちもまぁ分かります。
戦争とは正義VS悪では無いのだと改めて感じました。
まぁガンダムで散々学びましたが。
圧倒的なボリューム
私がこのゲームに慣れていないという事もありますが、メインストーリーを追うだけで50時間近くかかりました。
それでも全体の達成度としては半分にも満たず、サブストーリーややり込み要素が鬼のようにあります。
更にはオンラインで他プレイヤーと対戦?まであるので楽しめる人は果てしなく楽しめる事でしょう。
リアルタイムオープンワールド
マップ切り替えのほぼ無いシームレスな世界を駆け回ります。
やがて陽が沈み、敵兵士は夜勤当番と交代し、休憩に入る兵士は雑談をしながらタバコを吸って睡眠を取り、陽が昇れば昼勤と交代する。そんな兵士たちの生活を双眼鏡で眺めているだけでも楽しいです。
端末でマップを確認している時にも時間がしっかり流れているのもリアリティがあって素敵。
また、夜を待ってから攻めるのかお構いなしに昼に攻め込むのか、敵を殺害するのか捕まえるのか、見つからないように潜入するのか真っ向から撃ち合うのか、プレイングの幅が相当広いのも大変良きです。
ゲームは自由であるべきだというのが持論です。
メタルギアソリッドVの残念なところ
この項だけネタバレを含みます。
シリーズ未プレイの私が個人的に感じた話です。
- ホラー要素がしんどい
- 展開がシリアス過ぎて笑えるポイントがカズのハンバーガーくらいしか無くしんどい
- HIDEOアピールがしんどい
- スネークのキャラクターが分かりづらい
- 何でもかんでも△ボタンに割り当てすぎ
- ゲームシステムが難解かつ説明不足
- 落下即死が多い
- オープンワールドの宿命、登れるんだか登れないんだか分からない岩問題
- カセットテープ多すぎ、テキストで読みたい
- スカルズが硬すぎ強すぎで初見殺し、ステルスゲーとは
- 最終ミッションの出現条件が分かりづらい
- イーライとヒューズどうなった
- バトルギアとは何だったのか
- スカルフェイスから奪った英語株をその辺に投げ捨てるスネークどうなの
ホラー要素
クリーチャーみたいなのとかゾンビみたいなのとかと戦うのはストーリー上仕方ないのかもしれませんけど個人的にはしんどかったです。
私、ホラー系苦手なのですよ。
特に2章の隔離施設は精神的にもビジュアル的にも辛かった…。
ほぼバイオじゃないですか。
話としてはスネークの気高き精神を表現出来ていて良いと思うのですけどね。
スネークのキャラクター
スネークがほとんど自分の意見を言わないのが気になりました。
部下の灰でダイアモンドを作るという場面以外、ほぼほぼカズヒラとオセロットの言いなり。
キャラクター性が全く伝わって来ない。
部下をぶん殴って「ボス!ありがとうございました!!」と感謝されるほどカルト的な信頼を得られている理由が全く分かりませんでした。
軍人の上下関係はそういうもんだと言われてしまえばそれまでですが。
ただしこれは「無名のメディックがスネークになった」=「本作のスネークはプレイヤーの分身」とも取れ、いわゆるドラクエの主人公的な立ち位置という演出とも考えられます。
でもせっかくだからはっちゃけるスネークが見たかったなぁ。
他シリーズのスネークは結構笑える要素もあるそうですね。見てみたい。
イーライどうなった?
1章終わった後の2章予告ムービーでサヘラントロプスに乗ったイーライと戦う映像が流れた気がするのですけど結局何も無く。
スネークが投げ捨てた英語株を空飛ぶ少年が拾ってイーライに渡したけど結局何も無く。
クリア後にネットで調べたら幻のミッション51?開発打ち切り?そんなのありですか。
空飛ぶ少年の事も語られないままですし、イーライのその後も空飛ぶ少年の事も他シリーズをプレイしている人なら察せられるのかもしれませんがちょっとシリーズ新参者に冷たいのではないかと感じました。
カセットテープ多すぎ
ストーリーを補完するためにカセットテープという要素がありますが、ボイスが飛ばせないので少々かったるいです。
そのテープの数が尋常ではなく、かつストーリーの根幹に関わる内容だったりします。
テープを聴かないとストーリーが分からないし、聴くならコントローラを手離して長時間虚空を見つめながら聴いていないといけないし。
声優さんの迫真の演技は分かりますが、テキストで読めれば私はそれで良かったです。
テープを聴いている間も時が流れるため、仮にボイススキップしてテキストだけ読んだら「カセットテープとは」となってしまうからだと考えられますが、リアリティを求める事が必ずしもゲームの楽しさに繋がるとは限らないわけで。
ゲームシステムが難解かつ説明不足
全体的に複雑なゲームシステムに対してチュートリアル要素が足りていない感じがあります。
私はゲーマーなのでプレイしながら過去ゲームの仕様と照らし合わせつつ予想を立てて理解していく事が可能ですが、ゲームはたまにしかしない程度の人だとワケワカランとなりそう。
オンライン用資源とかほぼ説明無いですし、セーブも分かりづらいですし。
ホールドアップさせて尋問とかかなり後半までやり方が分かりませんでしたよ。
あとは色々なアクションが出来る故に操作方法が複雑なため、よく誤爆する事もありました。
特に△(アクション)ボタンに様々な役割が割り当てられているため、フルトン回収しようとして段差から飛び降りて死亡したりするとムキーとなります。
HIDEOアピールどうなの
メタルギアの生みの親、小島秀夫氏をモデルとしたキャラクターが登場します。
ゲーム業界において多大なる貢献を果たした人物だという事は承知していますが、ゲーム内に登場するのはどうなのでしょうか。
そして何度も流れるスタッフロールでもhideo kojima hideo kojima hideo kojima hideo kojima…
分かりました、分かりましたよ。凄いですよ。
音楽でもゲームでも何でもそうですけど、個人的に作品は愛せど中の人にはあまり興味が無いので寒く感じてしまいました。
所感
色々ごちゃごちゃと批判点も書きましたけど、結局のところ敵に見つからないように匍匐前進して後ろから近づいて投げ飛ばすだけでも単純に楽しいのですよね。
寝食惜しんでぶっ通しでプレイしてしまいました。
マジ寝不足。
これが3,000円は凄いですよ奥さん。
すげー楽しんだ。
パッケージ版の中古だと2,000円くらいで買える模様です。
メインストーリーを追っかけただけなのでまだまだやれる事はいっぱい残っていますが、それでももうお腹いっぱい満足度200%。
やはり世界に誇る有名シリーズは面白いものなのですね。
他の作品もやってみたいけどなぁ…vitaかぁ。
いやvita持っていますけど、携帯ゲーム機ってどうも苦手で。
PS4でリマスター出してくれたら買うのですけど、あまり期待出来ませんかね。