妄想と偏見に塗れた個人の感想です
Twitterでフォローさせていただいている方々が「ネカマがほにゃらら〜」「SNS上の性別があれしてこうして〜」と語っているのをたくさん見かけた。
何があったのかは分からないが何かあったのだろう。きっと。
で、楽しそうなので便乗してみようかなぁと。
決してネタが無いわけではない。決して。
本記事では、ネカマの時代毎の形態遷移を振り返り、そして「私とネカマ」というお気持ち表明をする予定だ。予定は未定。
ネカマとは
しかしネカマという単語がそもそも懐かしい。
イマドキの人はネカマの意味が分かるのか心配になるレベルである。
念の為、ネカマとはネットオカマ、つまり現実世界では男性だがネット上でのみ女性として活動する人の事だ。(現実世界ネット世界問わず男性だけど女性として活動している人の事をあえてネカマとは呼ばないような気もしますが今のご時世そこら辺センシティブなのでごめんなさい助けてー)
ネカマの起源はインターネット以前の時代、1980年代の「パソコン通信」まで遡る。
オープンで誰とでも簡単に繋がる今のインターネットとは違う、特定のサーバに特定の個人がアクセスしてデータ通信(メッセージのやり取り)をするというパソコン通信の世界ですらネカマの存在が確認されている。
これは憶測でしかないが、もっと言えば昭和の雑誌の文通相手募集コーナーでも性別詐称はあったのではないだろうか。
人類はネカマになる業(カルマ)から逃れられないのだ。
MMOとネカマ
大規模多人数同時参加型オンラインRPG、いわゆるMMO。
スマホの普及によってソシャゲやSNSが台頭するまでは、MMOはネット人付き合い界の一翼を担う大勢力だった。今でもFF14が頑張ってはいるが比較にならないほど流行っていた。
私は20年ほど前のMMO黎明期を生きた、レベル上げをしたかったから成人式を欠席した程度のどこにでもいるMMOプレイヤーだったが、当時ネカマが話題になる事は日常茶飯事であった。
何故なら誰もがMMOに人生をかけていたからだ。
中の人が女性だと思われれば美味しい狩場に連れて行ってもらえる確率が上がるし、高価なアイテムを貢いでもらえる可能性だってある。
それくらい当時ネットに触れる女性は希少で貴重でそれだけで価値があった。
そして「高価なアイテムを入手する=ゲーム内資産が増える」という事は現実世界で成功する事よりも大切だった。
ログイン時間を増やすために学校を辞める人や会社を辞める人までいたくらいに。
ゲーム内で儲けるためならば真剣に大真面目にネカマとして生きる人が出現するのも仕方ないと言わざるを得ない。
当時のMMOでは男女がゲーム内で仲良くなりゲーム内の教会で結婚式を挙げ、ついでに現実世界で会ってセックスするなどという事が至って普通に行われていた。
愛情表現の一環として、高価なアイテムをゲーム内で渡す事も普遍的行為であった。
何故なら誰もがMMOに人生をかけていたからだ。
しかし貢ぐ方としては文字通り命を削って得たアイテムを譲渡する事で相手を愛しているというアピールをするわけで、実は相手がネカマだったなんて知った日には計り知れないダメージを受ける事は想像に難くない。
仕事を辞めてまで稼いで入手したアイテムをネカマに貢いでいたなんて事実を思うと涙を禁じ得ない。
かと言って当時ボイスチャットのようなものはそこまで普及していなかったし、いきなり電話番号を聞き出すのもいささかハードルが高い。
「え?何?まさか私の事ネカマだって疑ってるの?」「いやいや俺がお前の事を疑ってるわけないだろう?」
恋なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲーム。
そんな愛の神秘に魅せられた男たちの恋愛生存戦略は発展を遂げ、「俺、貴女が女でも男でも気にしないからアピール派」が誕生する。
ネット上での人付き合いが極々身近になった昨今ではなんら違和感が無いしそもそも本心で思っている人も多いであろうこのスタンスだが、当時としては革新的であった。
「下心丸出し男がたくさん寄って来て面倒臭いでしょ?俺は他の男とは違って性別関係無く人として貴女が好きだから!ほらいい男でしょ!どしたん話聞こか?」と下心丸出しでアピールする高等テクニックである。
もちろん上っ面でそんなアピールをしていても心の陰茎は勃起している。
女性の好感度上昇に一役買ったか、はたまたメンドクセーと思われたかはさておき、男側の心理の裏には「べ、別に貴女がネカマだったとしても俺ダメージ受けてないから!いやショックじゃねーし!」という、事故った際に自身の心を守るための予防線を張る意味があったと考えるべきだ。
そしてこのマインドが紆余曲折を経て現代人に引き継がれ、昨今の草食男子化及び少子化問題にまで繋がっている事はもはや言うまでもない。
ネカマ、なんと罪深い存在なのであろうか。
当時を経験していない方は徹頭徹尾何を言っているのか理解に苦しむかと思うが、そういうものだったのだ。
みんな若かったのだ。ネット上で生きた経験年数が若かったのだ。
SNSとネカマ
時は移り変わり、世はまさに大SNS時代。
ここでもネカマは暗躍を続ける。
Twitter等のSNSでネカマを演じる直接的なメリットは薄いと感じるが、折角なので動機について考えてみる。
- (男性からでもいいから)チヤホヤされたい
- 女性と仲良くなりたい
- インフルエンサーになって一稼ぎしたい
- フォロワー数を稼いでアカウントを売る業務中
あくまで「そのケは全くないがSNSでのみ女性を演じるそこら辺の普通のオッサン」が何故そんな事をしているのか、という考察だ。
無理矢理絞り出してみたがいずれもピンと来ない。
男性からでもいいから女性のフリしてチヤホヤされたいなんてそれは寂しすぎるしなんなら男性のままでも私が友達になっていっぱいお話しするし、インフルエンサーになりたいなんてそれは宝くじ当てたいって言っているのとニアリーイコールだし、手っ取り早くフォロワー数稼いでアカウントを売りたいなんてそれは札束の写真載せてリツイートキャンペーン()やった方が早いだろう。
唯一、「女性と仲良くなりたい」というのは有り得るかと思う。
昔より少しはマシになったとは言え、相変わらずネット上に存在する女性アカウント()は男性アカウントと比較するとモテやすい。
女性アカウント()には男性アカウントから多かれ少なかれ頭の良くないDMが来ているだろう。
対してそれほど仲の良いわけでもない女性が女性に対していきなりDMを送るケースは考えにくい。
ここでネカマが女性アカウントにアプローチすると「お?女性から?珍しいな」とガードが下がってパンチが入るわけだ。
ネカマ側は女性だと思われたまま親睦を深める事で欲を満たせるのか、仲良くなったところで実は男性だったとカミングアウトするつもりなのか、はたまた仲良くなってそのまま食事にでも誘って現実世界で騙し討ちするつもりなのかは分からないが。
真相は闇の中。
ソシャゲとネカマ
SNSでもピンと来なかったのに、いよいよもって訳が分からない。もはや恐怖である。
昨今のソシャゲはMMOとは異なり、基本的にプレイヤー間でのトレードが出来ないようになっている。
これはRMT(ゲーム内通貨やアイテムを現金で取引する行為)を防ぐためだ。
MMOやSNSと違ってどれだけソシャゲ内で人気が出ようと一銭にもならないわけだから、これはもうチヤホヤされたいか女性と仲良くなりたいかのどちらかであろう。
それにしたって不毛だ。いずれにせよコミュニティが狭すぎる。
ここまで来ると、ソシャゲのネカマが存在するのだとしたら「変身願望」や「女性への憧れ」といった若干センシティブな色合いを帯びてくるのかもしれない。なので明言は避ける。君子危うきに近寄らず。
というか私はソシャゲのネカマなんて見た事も無いし、そもそも意識した事も無いので言及のしようも無いが。
ネカマの明日はどっちだ。
私とネットとネカマと
私のネット上での基本的なスタンスは実は今も昔もそれほど変わらず、「下心丸出し男がたくさん寄って来て面倒臭いでしょ?俺は他の男とは違って性別関係無く人として貴女が好きだから!ほらいい男でしょ!どしたん話聞こか?」という古の隙あらばスタイルである。
付け加えるならば、「女性女性したアカウント」とは積極的に絡みに行かない事でそのスタンスをより昇華させるように見せかけるテクニックを用いて、かつ攻める時には攻めるハイブリッド型。心の陰茎を勃起させながら。
従ってネカマなどというノイズは私の覇道においては言語道断である。
ネカマ死すべし慈悲は無い。
と、冗談で書きましたが、今の私にそんな元気はありませんし、そもそも男性と飲みに行く方が楽しいですしね。
真相は闇の中。
了