いぐろさんがかわいかった
「鬼滅の刃」というマンガをご存知でしょうか。
ご存知ですよね。きっと。
いい加減落ち着いてきた感はありますが、一時期は猫も杓子もキメツキメツ、鬼滅の刃をゴリ推しする風潮について「キメハラ」なんて言葉まで現れました。
特にこれと言った理由は無いのですが、鬼滅の刃は今までノータッチでして。
別に避けていたわけではなく単純に機会が無かったのです。
んで、特にこれと言った理由は無いのですが今回初めて全巻一気読みしましたので、感じた事を垂れ流してみます。
鬼滅の刃ってなんだっけ?
週刊少年ジャンプにて2016年~2020年まで掲載されたマンガです。
全23巻ながらシリーズ累計発行部数は1億5千万。
と言われてもあまりピンと来ませんが、幽遊白書、ハンターハンター、キン肉マン、はじめの一歩、バガボンド、ろくでなしブルース、テニスの王子様、キャプテン翼などのレジェンド級でも1億に届きません。
以下は歴代の単行本シリーズ累計発行部数ランキングです。(~2021年)
- 1位 … ワンピース (4億9千万)
- 2位 … ゴルゴ13 (3億)
- 3位 … ドラゴンボール (2億6千万)
- 4位 … ナルト (2億5千万)
- 5位 … コナン (2億3千万)
- 6位 … こち亀 (1億5千万)
- 7位 … 鬼滅の刃 (1億5千万)
- 8位 … 美味しんぼ (1億3千万)
- 9位 … スラムダンク (1億2千万)
- 10位 … BLEACH (1億2千万)
「シリーズで合計何冊発行されたか」のランキングなので、当然巻数が多いほど有利です。
100巻を超えるような長寿シリーズが多い中、23巻という少なさでこのランキングに食い込むのはとんでもない事だと思います。
マンガの売り上げのみならず、アニメや映画、グッズ売り上げなどで日本経済に多大な影響を与えました。
特にアニメは評価が高く、アニメがブームの火付け役になったそうです。
読み終えて率直な感想
正直もうこの記事、7時間くらいウダウダと書いては消して書いては消してしているのですよ。
どういう視点で書こうかなって方向性が全然定まらなくて。
鬼滅の刃の魅力の紹介?
鬼滅の刃が売れている理由の考察?
想定読者は鬼滅の刃を読んだ事のある人?読んだ事の無い人?
鬼滅の刃が好きな人向け?好きじゃない人向け?
「好きな事書けばいいじゃん。なんでそんな事で悩んでんの?」というのはごもっともなのですが、読んだ後に「ウオオオオオオオ!書きたい事がいっぱい!!!!」とならなかったから悩んでいたのです。
ぶっちゃけていいですか。
鬼滅の刃好きな人、ゴメンナサイね。
感想としては「面白つまらなかった」です。
読み始めてから気付いたら朝4時だったくらいには止まりませんでしたよ。普通に面白かったです。
が、読んだ後に心に残るものは無かったです。
「そうかそうか良かったね」とだけ。
社会現象になるほど面白いマンガかと言われたら個人的にはNOでした。
全体的に緩急が少なかったように感じます。
“強い鬼が出てくる → 劣勢を強いられる → 頑張ってなんとか追い詰める → 実は鬼にも悲しい過去があったのだ” の繰り返し。
バトルシーンは敵も味方も必殺技を乱れ撃ちしますが技の違いが分からないです。岩を斬る時は大地斬、ドラゴンのブレスを斬る時は海波斬、アンデッドを斬る時は空裂斬、そしてハドラーを斬る時はアバンストラッシュと明確に使い分けるものでしょうが。
主人公の鼻が利く設定や善逸の耳が良い設定はどちらも後半には「鬼の気配が感じ取れる」で一括り。
柱の皆さんもそれぞれ得意分野があるという設定だと思うのですが、蟲の人以外は活かされているようには感じませんでした。風も炎も霞も蛇も岩も恋も音も、基本的には凄いスピードで動いて凄い力でドカーーーン!です。
凄く勿体ない。
と、なんだかボロクソに書いているような気がしますが、じゃあ「ドラゴンボールの展開はワンパターンじゃないんか?」「ギャリック砲とビッグバンアタック使い分けてんのか?」「悟空と悟飯とベジータでそんなに明確に戦闘が差別化されてるんか?」と問われたら何も言い返せないわけです。でも「ドラゴンボール最高!」とか言っちゃうわけです。
結局こんなのはただの懐古厨の老害の戯言。
音楽もそうですが、やはり青春時代に触れたものが絶対的存在になってしまうのですね。
新しいものを素直に受け入れられないというのは本当に悲しい事だと思います。
ま、まぁこれは少年マンガですから、私もうすぐ40歳ですしターゲット外だから仕方ない……と、こういう逃げの思考になってしまう事がもう絶望的です。あーやだやだ。
何歳になっても攻めの姿勢は忘れたくないものです。が、脳がついていきません。
鬼滅の刃のヒットを自分なりに考えてみる
たかだか1回通しで読んだだけですが、こんな印象を受けました。
- 王道を征くストーリー
- 語られない設定
これらを肯定的に捉える人と否定的に捉える人で評価が分かれるのかなと思いました。
どこかで見たような設定・展開・演出・キャラクターが乱立して、「友情 努力 勝利」に基づく王道ストーリーが展開されていきます。
予定調和でどんでん返しも無く先が読めるストーリー展開、技を片っ端から繰り出して最後は気合と根性でなんとかするバトル。
大人にとっては実家のような安心感が得られますし、子供にとってはこの上なくワクワクするものでしょう。
反面、いわゆる「深い」マンガが好きな人や、過去の王道マンガをしゃぶりつくした人には物足りなく感じる可能性が。
呼吸、日輪刀、鬼殺隊、柱、鬼、血気術、様々な設定が登場しますが、いずれも深くは語られません。
肯定的に考えれば「展開がスピーディー」「難しく考えずに楽しめる」「ダラダラ引き延ばしがなくて良い」「創作(妄想)が捗る」ですし、否定的に考えれば「薄っぺらい」となります。
単行本を見る限り、設定はあるのだけど本編では語っていないようなので、これは作者があえてそうしているのだと考えられます。
上記を踏まえて何故ヒットしたのかを考えると、「マンガに小難しい話要らんし時間もかけられない」という需要とマッチしたのかなと思います。
私もそう思います。難しい話は仕事だけで充分です。現代人は忙しいし疲れているのです。
あとは王道マンガに触れる層の世代交代という側面もありそうですね。
加えて個人的に感じるのは「キャラクター人気、しかも二次創作的なキャラ人気を獲得出来た事」が勝因だったのかなと。昨今のSNS社会において、創作が捗るというのは大変な強味になります。
ゴチャゴチャと書きましたが、ずっと気になってはいたので触れられて良かったです。
最近読んで面白かったマンガはウシジマくんと静かなるドン、ジャンプ系はBLEACHで止まっている感性の衰えたオッサンの戯言だと思って聞き流していただけますと幸いです。
しかしこの記事を読んだ後にも心に残るものは無いですね。
まぁブログって本来そういうものですよ。(開き直り)