レトロゲーマーがアクトレイザーのリメイクをクリアしてレビュー

たまゆら

神ゲー(意味浅)

SFC初期の名作「アクトレイザー」、実は2021年にこっそり(こっそり?)リメイクされているのご存知でしたか?

その名も「アクトレイザー・ルネサンス」

事前情報も無く、いきなり発表されていきなり発売されたらしいですね。

前々からやってみたいやってみたいとは思っていたのですがなかなかタイミングが合わず。

この度PS storeのセールで半額だったので購入してみました。

\3,520 → \1,760です。

で、買って1日で追加要素までクリアしたのでレビュー記事を投稿したいと思います。

途中放置もありつつ21時間でクリア出来てしまったのでボリュームは多くはないですね。

トロフィーは…うん、アレですけど。(ゲロ虚無トロフィー)

SFC版は既プレイで確かに好きなゲームでしたが大人になってまで追いかけ続けるほど超ドハマりしたという感じでもなく細かいところは覚えていない状態、という人間のレビューですがそれでもよろしければお付き合いください。

未プレイの方でも分かるように書くつもりではあります。予定は未定。

目次

アクトレイザー・ルネサンスとは

2021年9月24日に発売されたゲームで、PS4/Switch/iOS/Android/Steam(PC)で遊べます。スマホでも遊べますよ

原作は1990年にエニックスから発売されました。33年前って…

SFC本体が発売されてから5本目のゲームという、初期も初期の作品です。(F-ZERO/スーパーマリオワールド → ボンバザル → ポピュラス → アクトレイザー → パイロットウイングス)

アクトレイザー自体は、プレイヤー(神)がNPCの人間を導きながらチマチマと街が出来上がっていく様子を上から眺めるというもの。箱庭ゲームってやつですかね。

かと思えば、魔物と戦うために魔界村も真っ青な硬派すぎる横スクロールアクションが挟まるという意欲作でした。

本作アクトレイザー・ルネサンスは公式にはSFC版のリマスターとされていますが、実際にはフルリメイクと呼んで差し支えないかと。

大まかなストーリーや骨格は同じものの、グラフィックもプレイング感覚も大幅に変化しています。

これが、

こう。

うわあ、ちょっと感動しますね~。これは確かに一大事ですよ。

アクトレイザー・ルネサンスのシステム

下記3パートが繰り返し発生します。

  • 街づくりのシミュレーションパート
  • ダンジョンで魔物と戦う横スクロールアクションパート
  • 街で魔物と戦うリアルタイムストラテジーパート (リメイクで追加)

シミュレーションパート

シミュレーションパートはシミュレーションと言いつつややこしい要素はありません。

神の奇跡で土地をならして道を示すと人間が勝手に街を作っていくのでプレイヤーが介入したり工夫したり出来る余地はほとんど無く簡易的なものです。

やる事やったら見てるだけ。

あとレベルの低い建物に雷を落として破壊して作り直させるだけ。神だからね。

横スクロールアクションパート

横スクロールアクションパートは原作では鬼畜難易度として名を馳せましたが、リメイク版ではかなりマイルドになっています。

アクションゲームが得意ではない私が初見で一度もゲームオーバーせず全クリ出来るくらいにはマイルディー。

歯応えを求めるアクションゲーマー向けに、難易度HARD & リメイクで追加されたバックステップ/連続斬り/斬り上げ/叩き斬りが使えなくなるオプションもあります。

それでもジャンプ中に空中制御出来るだけ原作よりだいぶ楽になっていますが。

空中で方向転換出来るマリオとかロックマンって偉大だったんやなって。

タワーディフェンスパート

そしてリメイク版ではリアルタイムストラテジーパート?タワーディフェンスパート?が追加されました。これが一番大きい変更点でしょうか。

「なんじゃそらドラゴンボールで例えてーや」という方もいるかもしれませんが、あれですよ、FF7のコンドルフォートみたいなやつというのが一番分かりやすいかも。

ポリゴン感すごい

魔物が街を攻めてくるので、事前に建てておいた砦や新たに追加された英雄キャラにリアルタイムで指示を出して防衛するというものです。

歩いてくる敵には戦士を向かわせるとか飛んでくる敵にはアーチャーを当てるとか、そういう感じ。

登場人物紹介

天使ちゃん

このゲームの主人公にしてヒロイン。

かわいすぎんだろ。

しかもオプションで切り替え可能な別衣装まで用意されています。

これもうミッドナイトシャッフルだろ。

神様

横スクロールアクションパートになると突然現れる人。

剣を縦に構える事に定評があります。

英雄の皆さん

各エリアには一人ずつ英雄と呼ばれる人物がいて、ストーリー及びタワーディフェンスパートに密接に関わってきます。

ラインナップは、ガチムチ、気弱な女魔術師、キザなガンマン、のじゃお姉さん、弁の立つ優男、モンスター娘と定番どころ(?)を押さえています。

カサンドラのお姉さん

これもうCERO:Zだろ。

ここが凄いぞ アクトレイザー・ルネサンス

  • リメイクBGMとオリジナルBGMがいつでも変更可能
  • 分かりやすく清々しささえ感じるストーリーやキャラ
  • アクションが苦手な人でもアクトレイザーをクリア出来る
  • 天使ちゃんがかわいい

アクトレイザーと言えばBGM

アクトレイザーと言えば、FF4作曲の植松氏がアクトレイザーのBGMを聴いた結果「こりゃやべえ」となってFF4の曲を作り直した事で有名。

本作のために作られたリメイクBGMはオーケストラ調のものが多くこれらもステキなのですが、SFC版オリジナルBGMにも変更可能です。

オリジナルBGM、今聴いても古臭さを全く感じさせません、いや真面目に。

新規曲もいくつかありますが、わざわざ新規曲のSFC風アレンジ(?)まで収録している拘りっぷり。

ストーリーやキャラも悪くはない

各地域のストーリーは、原作のイベントを膨らませつつ更に英雄というメインキャラを生かしながら進んでいきます。

神と人間の距離感が原作と異なってはいますが、ストーリーやキャラクター性自体は分かりやすく清々しいものに仕上がっています。

基本的には「魔物怖いよう神様なんとかしてー」「人間ってダメダメだなぁ」→「やっぱり僕らも頑張る」「人間も結構やるじゃん」という流れ。

人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!! 人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!ってツェペリさんも言っていましたがそれ系。

そこに各英雄が様々な方向から絡んでいきます。

各英雄のキャラクターも英雄らしく真っ直ぐなものが多いです。

分かりやすいのは良い事です。

ここが残念 アクトレイザー・ルネサンス

  • 自由度の少ないシミュレーションパート
  • オーソドックスすぎるアクションパート
  • 戦略性に乏しいタワーディフェンスパート
  • ロードがなかなか長い

良くも悪くもアクトレイザー

前述の通りシミュレーションパートは自分の裁量で何かを決める要素はほぼありません。

森林を焼く、湿原を干上がらせる、全マスに道を伸ばす、あとは眺めているだけ。

それがいいとも言えますし、実際街が出来ていく様をのんびりと見ているのは何故か面白いのですが、繰り返し遊びたくなる要素は皆無です。

またアクションパートは今の令和の時代となっては特徴も何も無い凡百のゲーム性と言わざるを得ません。

絶望的な難易度というアイデンティティも失われ、剣を振った時の「ハッ!」「フッ!」という掛け声がリメイクにあたって再録されたという事くらいしか語る事がありません。

と、これらは元々のゲーム性の話でもあるのでそれはそれで良いのですが。問題は…

新要素のタワーディフェンスパートが…

とにかく回数が多いです。

正確に数えてはいませんが、少なく見積もっても各地域*4回だとして必須分だけで28回。

ランダムで追加発生する場合もありますし、そもそも必須分も各地域4回では済まない気もします。

これがめちゃくちゃ楽しいならまだしも、タワーディフェンスゲームとしてのクオリティが低いのがまた辛い。

敵をブロックするための砦を好きなところに置けない、どんな敵が出てくるのか分からない、敵がどのルートを進むのかも分からない、飛んでいるのに魔法も効きづらいとかいう戦略もクソも無い敵が多い等々、散々です。

敵のユニット編成や進行ルートに対して作戦を立てて思い通りにハメて悦に入るというのがタワーディフェンスの醍醐味だと思うのですが、もうほんと行き当たりばったりの対処しか出来ない。

いや、負けてもペナルティは無いので敗因に対して対策を打ってリトライを繰り返せばいいのですけども、そういうもん…?

タワーディフェンスパート、アクセントとしてはアリだと思いますし死ぬほどつまらないわけではないですが、回数が多すぎる & 一戦が長すぎる & そこそこつまらない。

全体を通してこのタワーディフェンスをやっている時間が一番長いような気がします。アクトレイザーとは。

動画

オープニングから適当なところまでの垂れ流しです。

こちらは原作ラスボス戦~エンディングです。スーパープレイとかではないです。へたっぴプレイです。

ラスボス弱すぎませんかね…初見プレイですよこれ。

あ、ちなみにリメイク版追加地域で真のラスボス?裏ボス?が出てきましたけど、このサタンより更に弱かったです。マジで。

1面のボスのミノタウロスの方が10倍強い。

所感

クリアまでの20時間ちょい、あーこんなイベントあったなぁ…うんうんこの曲懐かしいなぁ…そういえばあの頃は…なんて思い出に浸る時間を堪能しました。

ただしゲームとしての評価は率直に言って「リマスターとリメイクの悪い所取り」です。

現代リメイクにしてはシミュレーション部分もアクション部分もタワーディフェンス部分もお粗末というかチープというか薄っぺらいというか、変にレトロ。

イマドキのゲームを知っていてかつ原作未プレイの方が「スーファミのアクトレイザーって面白いらしいじゃん?どれどれ」と期待しながら手に取ったら怪我をする可能性が非常に高いです。

で、熱心な原作ファンからしたら設定・演出の改変や追加要素(主にタワーディフェンス)が目に付いて仕方ないと。魔物の巣を人間が閉じるのではなく神様が閉じるのはどうなのだろうか。

単純なリマスターであれば、未プレイヤーには手を取ってもらえないかもしれないですが、少なくとも原作ファンの期待は裏切らなかったでしょうに。

まぁ値段を考えたら仕方ないかとも思います。

定価3,500円でフルリメイクなんて無謀ですわな。

もう少し安くしてリマスターにするか、もしくはフルプライスで気合の入ったリメイクだったなら、と悔やまずにはいられません。

ああでもフルプライスのリメイクだとスマホでは出せないか…マーケティングって難しいですね。

やっぱりリマスターが正解だったと思う。

私のような、今でもレトロゲームを楽しめる感性が残っていて、アクトレイザーが好きで、かつ原作思い入れが強すぎない、という方なら楽しめる可能性があると思います。

当てはまらない人はある程度覚悟して手を出した方が良いかと。

しっかし相変わらずBGMはいいですねぇ…ほんとに。

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