これも いきもののサガか…
2021年9月22日に遂にiOS/Androidでサガコレクションがプレイ出来るようになりました。
というわけで早速購入してプレイしています。
まずは初代サガである「魔界塔士Sa・Ga」をクリアしましたのでレビューです。
ちなみに魔界塔士Sa・Gaはゲームボーイ初のRPGであり、スクウェア社初のミリオンセラーを記録した歴史的なゲームです。
サガコレクションの製品概要、追加要素、その他諸々については下記記事にまとめています。
しかし既プレイのはずですがほんっと覚えていないものです。
当時小学生でしたがクリアしていないですね、これ。
ほとんど初見プレイかという勢いで楽しませていただきました。
ここが凄いぞ 魔界塔士Sa・Ga
- テンポの良さ
- 自由度の高いパーティ
- 程よい難易度
- 独創的すぎる世界観
- 魂を揺さぶるセリフ回し
サガは初代からサガでした。
当たり前と言えば当たり前ですが。
「暴言を吐きながらクセの強すぎるリージョンを股に掛けて冒険し、最終的に神を殺す」というサガシリーズのパターンは初代で完成していたのですね。
携帯機を意識したテンポの良さ
携帯機初のRPGというのを意識して作られているのでしょう、とにかくテンポがいいですね。
サクサク戦闘が終わるしサクサク成長するしサクサクお話が進みます。
どこでもセーブが可能なので隙間時間に5分だけプレイとかも可能。
タイムアタックでは1時間程でクリア出来るようで、普通にプレイしても10時間もあればステータスMAXまで育成した上でラスボスを撃破出来るくらいのボリュームです。
何度も楽しめる、自由度の高いパーティ
自分で好きなパーティを組めるのもサガシリーズの大きな特徴。
初代サガではキャラクター成長システムは3パターンあり、
- お金で強化アイテムを買って成長させる「にんげん」
- 一般的なRPGと同様戦闘をこなすと成長する「エスパー」
- 敵の肉を食べて変身する「モンスター」
の中から好みの4人を選びます。
全員エスパーとか全員モンスターとか色々なプレイが楽しめるのもとても良いです。
パーティの組み方によって戦略がガラっと変わるので、一周が短いのも相まって何度も楽しめます。
程よい難易度
ゲームバランスは思ったよりも悪くなかったです。
初代サガという事で覚悟してプレイしていましたが、むしろヌルいくらいかも。
全滅したのは序盤のレッドブルで1回、終盤のアシュラで1回、ラスボスで10回くらい。
レトロゲームにありがちな理不尽な謎解きも無く、当時の「ゲームは難しければ難しいほど良い」という風潮に流されず携帯ゲーム機らしいカジュアルな難易度になっています。
サガ2やロマサガ1の方がよっぽど難しいです。
独創的すぎる世界観
楽園を目指して塔を登るというストーリー。
オープニングはこれだけです。
オープニングがあるだけ凄い事だと思いますが。
当時は何の説明も無くいきなりフィールドに投げ出される作品も多かったですからね。
塔を登っていくと各階には海洋世界に竜宮城、天空世界、地獄や天国、タコの住む世界、図書館やシェルター、シンジュクにアキバにアメヨコに地下鉄に原発と、色とりどりな世界がプレイヤーを待ち受けています。
うーん、これはサガ。
魂を揺さぶるセリフ回し
サガと言えばプレイヤーの魂を揺さぶるセリフの数々です。
お店に入ると、
「なんの ようだ!」
いや、買い物…
「しんでるぜ」
後世に残すべき名セリフ。
ちなみにこの有名なシーンですが下記のような流れで生まれました。
- 塔を登るためにいったん白虎(敵)の傭兵になる
- 白虎の指令でジャンヌという人間を捕らえに行く
- ジャンヌは既に白虎の親衛隊がガルルーと追い詰めていた
- 仲間1「ガルガルやろうといいおんなと どっちがすきだ?」
- 仲間2「きくまでも なかろうよ!」
- 親衛隊を倒してジャンヌ救出
カッケェ…
で、白虎と対決。
「このとらやろう!!」
ダメだ、今見ても笑える。
盗賊の隠れ家に侵入して、
完全にコントのノリ。
王様からの依頼をこなして、
これぞサガを体現する珠玉の一言。
そしてラスボスを討伐。
かみは しんだ
深い。
うーん、これはニーチェ。
ここが残念 魔界塔士Sa・Ga
- セーブが一つしかない
- 詰む危険性が結構ある
とにかくセーブが1つしか無いのが辛いです。
2周目プレイでデータを潰さなきゃいけないというのももちろんですが、サガは全滅=タイトル画面なのでダンジョンの奥で危険な状況でセーブしてしまったら詰み兼ねません。
また、ボスを倒さないと出られない部屋というのもあり、こういうところでもセーブしてしまうと詰む可能性が。
もちろんUIは褒められたものではなくアイテムや技の説明は一切無しの手探りプレイを強いられますが、それはまぁ当時のRPGってみんなそうでしたからね。
この辺の不便さは逆に楽しむ余裕が欲しいものです。
初めてプレイする方向けTips
- にんげんが成長しない
-
アイテムを使わない限り成長しない。
- HP200, HP400, HP600って何?
-
にんげんに使うと最大HPが増える。HP200なら200まで、HP400なら400まで。一応限界を超えても1ずつ増えるので、600以降はHP200を使い続ければ999まで育成も可能。
- ちからのもと、すばやさのもとって何?
-
にんげんに使うとステータスが上がる。
- エスパーの特殊能力の習得について
-
戦闘終了後にランダムで習得し、枠がいっぱいになるとランダムで入れ替わる。お気に入りの能力を残しておくとかは出来ない。
- 武器ダメージについて
-
「こうげき」依存の武器と、「すばやさ」依存と、「まりょく」依存の武器がある。レイピア、サーベル、ライトセイバー、ネコのつめ、パンチ等の格闘技がすばやさ依存。サイコダガー、サイコソード、ブラッドソードがまりょく依存。
- アイテムが持ちきれない
-
にんげんは8枠、エスパーは4枠持ち物を持てる。空きがあるなら装備アイテム以外も持たせる事が可能。
- くうきのみってどこ?
-
MAP右下の島。
- パワードスーツが装備出来ない
-
鎧、小手、兜を一旦全て外す必要がある。
- メンバー変えたいけど最初から育成するの面倒じゃね
-
中盤、終盤のギルドの仲間はそれなりに強い状態で加入するので、入れ替えもアリ。
- 盾、要る?
-
要らない。かろうじてイージスの盾が使おうと思えば使えるが…
- なんか裏技無いの?
-
タイトル画面で←+B+STARTを2秒ほど押してから離すとサウンドセレクトモード。
- ボスに勝てない
-
武器の「チェーンソー」、モンスター能力の「のこぎり」でバラバラでっせ。
- ストーリー詰まった
-
キーアイテムやクリスタルはメニューの「アイテム」から使用可能。
動画
ラスボスのかみをチェーンソーを使わず討伐 → エンディングの動画です。
かみが死ぬ時のエフェクトかっこよすぎん?
所感
今この時代に(ほぼ)初見プレイしても普通に楽しめる、想像以上の良ゲーでした。
テンポ良し、戦闘バランス良し、音楽良し、世界観良し。
レトロゲームの辛いところってテンポが悪いところだと思うのですよね。
メッセージ送りが遅いとか、何をするにもいちいちレスポンスが悪いとか、歩くのが遅いのにフィールドやダンジョンがだだっ広いとか、レベル上げしないと先に進めないとか、敵が理不尽に強いとか。
当時は一本のゲームを長く遊んでもらうために敢えてこういう作りにしていた面もあると考えられます。
しかし魔界塔士Sa・Gaではこの辺りの不満はほとんど感じませんでした。
これって当時のRPGとしては凄い事だと思います。
まさに常に挑戦し続ける河津氏の魂が込められた一作です。
スマホ版サガコレクションが今ならセール中で2,200円です。
未プレイの方も当時プレイされた方も、秋の夜長に伝説の始まりを体感してみるのはいかがでしょうか。