こいつぁ久し振りにやべぇぞ
スパロボ参戦していた事をキッカケに「クロスアンジュ」というアニメにドハマりしています。
で、原作アニメを3周視聴しましたので、ゲームの方も買ってみました。
お値段、2,600円也。
中古のvitaソフトにしてはなかなか高額ですねぇ。
面白いのかな?それとも人気無さすぎて数が出ていないだけかな??
期待半分不安半分の中、全キャラ攻略しましたのでレビューを投稿したいと思います。
所要時間は1周目が10時間弱、2周目以降は各2~3時間といったところでした。
普段のゲームレビュー記事ではネタバレを避けていますが、多分これを読んで今更プレイする人はほぼいないと思うので、今回はネタバレ全開でいきます。(エンディングのネタバレはさすがに折り畳みにしますが)
どんなゲームなの?
2014年にテレビ放映されていたクロスアンジュという美少女ロボットアニメ(??)のゲーム化作品です。
アニメのレビュー記事は下記をどうぞ。こちらはネタバレ無しです。
クロスアンジュのゲームはこの「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr.」の一作しか発売されておらず、また本作はPS Vita専用ソフトで他機種への移植も無しという貴重な一本。
ジャンルは「ドラマチックシューティングアクション」と定義されています。
テキストを読み進めながら好きなキャラの好感度を上げていくギャルゲーパートと、パラメイルに搭乗してミッションをこなしてお金を稼いで機体を強化していくシューティングパートを交互に遊ぶ感じ。
それぞれ良かったところと残念だったところを挙げていきたいと思います。
ギャルゲーパートとストーリーについて
ゲームオリジナルキャラのナオミが主人公。
メインストーリーは原作アニメ準拠で、そこにオリジナルエピソードがちょいちょい加わっています。
アンジュ、サリア、ヒルダ、ヴィヴィアン、エルシャ、ロザリー、クリスの7ヒロインが攻略対象になっており、好感度が高いキャラの専用イベントや専用エンディングがあるという、いわゆる普通のギャルゲーです。
ストーリーを進める以外にも、画面を正確にタップしてヒロインにマッサージをする「タッチコミュニケーション」や、ヒロイン同士の口喧嘩を仲裁する「トークバトル」と言ったミニゲームも挟まります。
タッチコミュニケーションでは各ヒロインの喘ぎ声が聞けます。
また、本作最大の特徴として、「原作アニメ準拠ルート」とは別にゲームオリジナルの「綺麗なエンブリヲルート」がある事が挙げられます。
本作の価値はこの綺麗なエンブリヲルートの存在が大半を占めるかと。
ギャルゲーパートの良いところ
- フルボイス
- アニメーションする立ち絵
- 原作アニメには無い各キャラ間の絡み
- 癖が無く受け入れやすい主人公のキャラクター
フルボイス&ヌルヌルとアニメーションする立ち絵がなかなかゴージャスです。ただしアンジュの立ち絵はなんか眠そう。
原作アニメには無い各キャラの絡みが見られるのはファンにとって嬉しいところ。ヒルダのご機嫌を取るために皆でアップルパイを作ってあげたりとか。
その他、原作アニメではサラっと流してしまった部分を掘り下げているのが良いですね。アニメでフェスタの時にサリアが映画を観ているシーンが一瞬だけ映りますがゲーム内でしっかりエピソードになっていたりします。
また、新主人公のキャラクターは嫌悪感を抱きにくくすんなり受け入れやすいタイプ。アルゼナルにこんな良い子がいるのか…とちょっと感動するくらいです。
ギャルゲーパートの残念なところ
- 既読スキップが無い
- ストーリーが飛ばし飛ばしで違和感バリバリ
- 原作アニメ準拠ルートのエンディングも尻切れトンボ
- トークバトルが難しいというか理不尽
- 誤字脱字がそこそこある
既に通ったルートのテキストだけをスキップするというギャルゲーの基本機能が無いのが致命的です。
何周もプレイするのにこれが無いとかちょっとダメダメすぎます。
また原作アニメ未履修で本作をプレイする人がいるとは思えませんが、仮にプレイしたとしたら飛ばし飛ばしで話が進むのでワケワカランと思います。
未履修の人はターゲットにしていないのか、ならいいのか。
原作アニメ準拠ルートでは暁ノ御柱でエンブリヲのヒステリカを撃墜してめでたしめでたしという雑なエンディング。
原作通り時空の狭間で決着をつけようとしたらセックス描写が必要になって途端にレーティングが跳ね上がるので苦肉の策と言ったところでしょうか。
それにしたって普通に撃墜されて普通に死ぬ調律者さんはどうなの。
エンディング以外にもところどころ原作から改変されていて、アンジュがミスルギ皇国に拉致られた際、普通にエンブリヲにハマってデートしていて主人公にブン殴られて目を覚ますとか。えぇ…何それは…そんなアンジュ見とうない。
シューティングパートについて
見た目は普通の3Dシューティングというか3Dアクションというか、アーマードコア的なやつです。
アセンブリがあって格闘と射撃とブーストがあってバンバンする、よくあるやつ。
シューティングパートの良いところ
- アセンブリ可能なパーツが多い
- パラメイルを操縦出来る唯一のゲーム
ゲーム内キャッシュで様々なパーツを購入し、組み合わせて自分だけの機体を作り上げる事が出来ます。
ベースとなるボディはグレイブ&ハウザーから始まり、レイザー、アーキバス、ヴィルキス、ヒステリカ、その他ラグナメイル、焔龍號、その他龍神器と、原作アニメに登場する全ての機体を入手可能。
そこに好きな近接武器や銃火器を装備させ、更にペイントやマーカーも変更出来ます。
シューティングパートの残念なところ
- パーツは多いが性能の変化を感じにくい
- スピード感・爽快感が絶無
- 回避アクションが機能していない
- 僚機が役に立たない
- 似たようなミッションばかり
- そもそもゲーム性がとても乏しい
挙げたらキリが無いのですが、一言で言うならお粗末。
最初どうやって前に進むのかと悩みましたが、実は進んでいたという恐怖。止まっているんじゃないかと錯覚するくらいスピード感がありません。冗談抜きで。
アクション面では離れている時は射撃、近づいたら肉斬骨断の格闘を連打するだけで回避アクションはほぼ機能していません。
攻撃が当たっているんだか当たっていないんだか分からないくらいエフェクトもSEもヒットストップもへなちょこ。
ゲームバランス的には1周目はしょぼい武器しかないので任意のサブミッションの攻略は困難を極めます。逆に2周目以降で手に入るビームライフルは強すぎるため、これが手に入れば連射しているだけで全ステージクリア可能。
とにかくアクションゲーム・シューティングゲーム・メカアセンブリゲームとしてプレイヤーのテクニックが介入する余地があまりにも少ない。
遊び尽くそうとしたら各ヒロイン7人+ifエンドで最低でも8周する必要があるのですが、このシューティングパートが苦痛でしかありません。
これ本当に8周通しのテストプレイしたの…?
テストプレイしてこれでGO出しているのだとしたらそれはそれでヤバいです。
各ヒロインのエンディングネタバレ
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原作アニメ準拠ルートでは、エンブリヲ撃破後に荒廃した世界を各ヒロインと共に生きるというエンディングになります。
綺麗なエンブリヲルートのネタバレ
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反リベルタス的な選択肢を取っていくとサリア、クリス、エルシャと一緒に主人公もエンブリヲ側に付くというオリジナル展開に分岐します。
このルートに入るとエンブリヲが真面目でまともで綺麗なキャラクターに豹変。
エルシャはエンブリヲから離反しませんしアンジュに感度50倍も使いません。
最終的に地球のリセットは実行されるのですが、各キャラクターが学生に転生してエアリア部でキャッキャウフフするというifエンドを迎えます。
このifエンドを迎えるキッカケとなるのが、主人公であるナオミの存在。
原作アニメではアンジュがアルゼナルに来た時点で既に死んでいたNAOMI(アンジュの仮ライダースーツにネームタグが付いている)ですが、ゲームでは彼女が生きている世界線のため結末も並行世界的に分岐したと。
文字通りアニメ版のifエンドと言える展開で、設定をうまく拾って活かしておるわい。
ヴィヴィアンがいっぱい考えたクイズもエルシャのカレーのレシピも無かった事になってしまったので完全にハッピーエンドとは言い難いですが、まぁこれはこれでいいのではないでしょうか。
FF零式のifエンドっぽい。
所感
うーんこれは…控えめに言って人を選ぶ作品ですね…。
正直 “ゲーム” としての完成度は低いと言わざるを得ません。
シューティングパートは擁護不可能。
ギャルゲーパートも既読スキップが無い点が痛いですし、各ヒロインのエンディング以外はストーリーも演出もほぼ変わり映えしないため数行のエンディングテキストと1枚のエンディング専用スチルのために同じストーリーを周回しているような状況。
クロスアンジュの大ファン以外にはちょっとおすすめは出来ません。小ファンくらいだと火傷しかねない。
クロスアンジュが登場するゲームは本作とスパロボくらいしかないという意味では価値がありますが、クロスアンジュ成分を摂取したいならスパロボの方が良いような気さえしてきます。
原作の大ファンであれば各キャラに追加された掛け合いやエンブリヲルートで元が取れると思いますので、我こそはという方は是非どうぞ。
あ、私は買って良かったと思っていますよ。相変わらずヒルダがかわいかったですし。
でもクソゲーだと思う。