古き良きを勘違いしてしまった系アクションRPG「鬼ノ哭ク邦」をトロコンしてレビュー

たまゆら

伊達にあの世は見てねぇぜ

2024春の激安RPGレビュー祭 第7弾は、「鬼ノ哭ク邦(オニノナククニ)」です。

643円でした。

正確に言うとRPGではなくてアクションなのですが、まぁARPGという事で。

クリアまで20時間ちょい、トロコンまで40時間くらいといったところです。

目次

鬼ノ哭ク邦とは

スクエニ子会社のTokyo RPG Factoryより2019年に発売。

PS4/Switch/Steam(PC)でプレイ可能です。

Tokyo RPG Factoryでは「古き良きJRPGを復活させよう」というコンセプトの元、「いけにえと雪のセツナ」「ロストスフィア」と2連発でクロノトリガーライクなRPGが製作されました。

3作品目となる本作「鬼ノ哭ク邦」は、過去2作品とは異なりアクションゲームになっています。

また、中途半端にムービーのようなものやボイスも入っていたり。

セツナやロストスフィアがSFC~PS1回帰なら、鬼ノ哭ク邦はPS2回帰といった様相です。

ゲームシステム

街は一つだけで、ストーリーが進むごとにダンジョンが次々解放されていく感じ。

ダンジョンへの移動はロマサガ方式です。

ダンジョンに突入すると戦闘開始。

斜め見下ろし型&カメラ固定のアクションです。聖剣伝説2みたいな感じ、というのが一番分かりやすいでしょうか。

通常攻撃、回避行動、事前にセットしたスキル4種類を駆使して戦います。

MPという概念はなく、スキルは一度使うと数秒使用不可となるクールタイム制。

で、最奥のボスを倒したらストーリーが進んで拠点に戻ってまたストーリーが進んで次のダンジョンへ。

戦闘は常に主人公一人のみ。

ジョブシステムを採用しており10種類のジョブから好きなジョブを4つまでセット、状況に応じて戦闘中にスムーズに切り替える事が可能です。

個性的なジョブたち

選択しているジョブによって通常攻撃から回避行動からスキルまでまるっきり変わります。

特に回避行動の使い勝手は恐ろしく変化します。ジョブによってダッシュだったりジャンプだったりガードだったりワープだったり。

この敵にはこのジョブが有効だな!今だチェンジ!というプレイが可能。そういうゲームだったら良かったのですけどねぇ…

またジョブを使い込むとそのジョブのレベルが上がりスキルが解放されていきます。

親の顔より見たFF10のスフィア盤方式

ストーリー

輪廻転生が当たり前に信じられている世界観。

で、ゲームなのでもちろん魔物も存在しています。

魔物がいなかったらゲームにならないからね、仕方ないね。

主人公カガチ君はこの世とあの世を行き来する事が出来る特異体質で、この世に未練を抱えて彷徨ってしまった死者を成仏させる仕事をしています。

親に会いたいと彷徨ってしまっている少年の霊を見つける → 親の元に連れて行く → 親もやっぱり子供に会いたい → ならばお前も死ね(グサー)、というなかなかにハードコアな展開がオープニングから繰り広げられます。

職業 : 逝ク人守リ(いくともり)

ゲームシステムとしても何時でもこの世とあの世を行き来する事が出来て、それによってダンジョンギミックを突破したり。

「神々のトライフォース」のマジカルミラーがいつでも使える感じ。

この世
あの世

で、業務をこなしていくうちになんやかんやトラブルに巻き込まれて、最終的には世界を救う的なお話です。

世界が危機に瀕していないとゲームにならないからね、仕方ないね。

登場人物紹介

カガチ (主人公)

V系バンドでギターやってそう。

マユラ

主人公の幼馴染の女の子。

地下アイドルバンドでボーカルやってそう。

クジョウ

主人公の同僚の女の子。

主人公の事が好きで主人公と仲の良いマユラに強烈に嫉妬していますが、クジョウさんの方がかわいいしおっぱいが大きい。

リンネ

名前からして重要人物感バリバリのょぅι゛ょ。

主人公にひっついてきて萌えボイスを発しながらポーションを投げてくれます。

ここが凄いぞ 鬼ノ哭ク邦

  • デモ倍速機能
  • 武器性能&スキル性能をカスタマイズ可能
  • 刺さる人には刺さる尖った世界観

デモの早送りが可能

前作ロストスフィアでもありましたが、ボタンを押し続ける事でデモ演出を倍速にする事が可能です。

バックログ機能も有り。

ただしムービーには非対応。

武器性能&スキル性能をカスタマイズ可能

敵がドロップする追加効果付与アイテムを武器に装着する事でカスタマイズが可能です。

効果は多岐にわたり、攻撃力アップや防御力アップはもちろん、状態異常付与やら取得経験値アップやらを乗せる事も。

またスキルを使い込む事で確率で追加効果を閃く事もあります。

スキルの追加効果は全19種類存在しており、4つまでセット可能。

こういうところでキャラクターにカスタマイズ性を持たせています。

刺さる人には刺さる尖った世界観

国家が輪廻転生という思想を推し進めており、それゆえに安楽死制度も認められているというシリアスな世界観。

とにかく簡単に人が死んでいき、シアワセニナルンダーと集団自殺を起こすやつらまで出てきます。ニーアオートマタかな?

ただし輪廻転生を盲目的に信じている人ばかりかと言うとそうでもなく、「今世がうまくいかなかいからまた来世で(^_^)/~」という生き方に疑問を持つ人たちもいたり。

しかし国家としてはサクサク死んでもらわないと困る事情があったりするわけですね。

この辺のストーリーのオチというか伏線回収はよく出来ていると思いました。

ここが残念 鬼ノ哭ク邦

  • ロード長すぎ
  • ジョブ格差が酷い
  • BGMが無い場面が多い
  • 割れる壺や箱が山ほどあるけど何も入っていない
  • 何の面白みもないサブクエスト
  • 重めの世界観なのにデフォルメキャラというミスマッチ
  • 何もかもが圧倒的描写不足
  • 後半のストーリー展開が集中しにくい

ジョブ格差が酷い

10種類のジョブがありますが、最初の一つだけ使っていれば最後まで問題なくクリア出来ます。

攻略としてジョブを使い分ける事が有利に働くという場面がほぼありません。

最初のジョブが軽快な攻撃モーションで回避行動も無敵時間付きのダッシュという高性能な事に加え、使い込むほどジョブレベルも上がるためです。

対して後から使えるようになるガード系の重量キャラとか本気で使いにくい。しかも加入時レベル1ですし。残念すぎる。

BGMが無い場面が多い

基本的に無音で、たまに思い出したように10秒くらいBGMが流れますがまた無音に。

メニュー画面を開いてシコシコスキルをカスタマイズしたりライブラリ機能で用語を調べたりしている時もずっと無音。

雰囲気作りなのかもしれませんが…いやぁダメでしょう…

途中からスピーカーで音楽流しながらプレイしていましたよ。

ゲームのBGMって重要な要素だと思うのですけどね。

サウンドトラック発売されているとか何の冗談ですか、一曲も記憶に残ってないぞ。

何の面白みもないサブクエスト

彷徨える霊を見つけて成仏させるというサブクエストがあるのですが、これの中身がスッカスカです。

「○○に連れて行って欲しい」 → 連れて行くと「ありがとう」でサブクエスト終了&しょぼい報酬。基本的にこれだけ。

こんなのが30個くらいあります。

サブクエスト自体やらなくてもいいのですけどね、でも除霊要素って主人公のメイン業務なわけで、もっとこのサブクエストを通じて主人公のキャラクターや世界観を掘り下げられなかったのかなぁと。

せめてロードが短ければちゃっちゃと色んなところに連れていってあげるのですが、マップを切り替えるごとに激長ロードが挟まるのがまた辛い。

何もかもが描写不足

上記サブクエストもそうですが、とにかく何もかもが描写不足で感情移入しにくいです。

他キャラとの日常的な絡みの描写がほとんど無いため、仲間キャラがバンバン死んでいってもホーンとしか思わない。主人公から見たら親しい人物だったとしても、プレイヤーから見たら名前しか知らない人でしかない。

主人公も何故そんな割り切って人を簡単に殺せる冷徹漢になったのか描写が全く無い。同僚から「また人殺してきたんだってなぁ怖い怖い」とケンカを売られて幼馴染が「何も知らないくせに止めて」と庇うようなシーンがありますが、私も何も知らないんだよなぁ。

ジョブ(地縛霊)が加入する際もイベントも何も無く、話しかけるといきなり使えるようになるのも酷い。一応スキル解放していくと生前の記憶が読めますが、スキル解放するためには使い込む必要があるわけです。しかし使い込むモチベーションが上がりません。だって何で加入したのか一切描写が無いんだもの。しかも弱いし。

詳しく描写しない事で「想像の余地を残す」というのが古き良きRPG感なのだと言いたいのかもしれませんが、これでは単に「説明不足」です。

後半のストーリー展開が集中しにくい

ややネタバレのため折り畳みで

後半になると唐突に過去編(前世編)が始まります。

と思ったら過去編の更に過去編も始まり、過去編と同時進行していきます。

ただでさえ過去編の状況を一から理解していかなければならない段階で更に過去編の過去編も始まるとか、ストーリーに集中しにくいったらありゃしません。

動画

オープニングから適当なところまで。

こちらはラストバトル~エンディングです。

総評

グラフィックがしょぼかったり、見下ろし型のカメラ固定アクションなのは仕方ないです。古き良き()RPGだから。

しかしロードが長くてBGMが無くてストーリーテリングも雑というのは擁護のしようがありません。

せっかく霊界探偵というかおくりびとというか題材は面白そうなのに充分に演出出来ておらず、残念ポイントをひっくり返すには至らないです。

「そういうのいいからアクションゲームとしてはどうなのよ?」というと、特筆すべき点は無し。

ジョブシステムやスキルのカスタマイズシステムは評価点ですが、それらを活かして興奮できるような場面はありませんしアクションはモッサリ気味で爽快感に欠けます。±0といったところ。

だからこそ、ロードが短くてBGMがカッコよくてもう少しキャラクターや世界観の掘り下げ描写があれば悪くない作品だったのに。

そしてビックリしたのがトロフィーの取得状況。

大して難しくもないトロコンが3.9%というのも低めですがそれはさておき、2番目の「リンネと会う」というトロフィーは序盤も序盤、ドラクエで言ったら「ギラを覚えた」くらいのトロフィーです。

このトロフィーの取得率が43.2%。

半数以上のプレイヤーがお金を出して買ったのに速攻で投げ出しているという事です。

さすがに序盤のトロフィーがこんなに低いゲームは初めて見たかも。

あまり使いたくない言葉ですが、相当人を選ぶゲームかと。

総評は「素材は良いのに調理に失敗したガッカリゲー。ヴァルキリープロファイル(死者との絡み)とニーアオートマタ(鬱展開)は凄かった」です。

同メーカーの前作、「いけにえと雪のセツナ」のレビュー記事はこちらです。

同メーカーの前作、「ロストスフィア」のレビュー記事はこちらです。

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