マルチタップ持ってきて
アクションRPGというジャンルを一般人にまで広めた歴史的作品と言っても過言ではないスーパーファミコンの聖剣伝説2ですが、2018年に3Dでフルリメイクされています。
その名も「聖剣伝説2 SECRET of MANA(シークレットオブマナ)」
対応機種はPS4/vita/Steam(PC)です。
え?アクションRPGならゼルダの方が100倍強いだろって?
いやいや当時のスクウェアは任天堂と並ぶ、いや任天堂以上に強かったのですよ。今の人には想像出来ないでしょうけれど。
1991年のゼルダの伝説神々のトライフォースが115万本、1993年の聖剣伝説2が150万本という売り上げです。
いやぁすごいっすねスクウェアさん。それがどうしてこうなった…
聖剣伝説2のリメイク、存在は知っていたのですがミニスーファミ(ニンテンドークラシックミニ)に聖剣伝説2は収録されていて最近何度かプレイしていたため、どうにも後回しになっておりまして。
ゲーム屋さんでたまたま見かけたのでこれも何かのご縁という事で購入。
トロフィーコンプリート+2周目クリアまで遊びましたのでレビューを投稿したいと思います。
駆け足プレイで2周目やったら6時間でクリア出来ました。結構短いのですね。
と思ったらRTAの記録で2時間10分とか出てきてワロスコーピオン団。
聖剣伝説2とは
前述の通りスーパーファミコンで人気を博したアクションRPGの金字塔です。
美麗なグラフィック、エモーショナルなサウンド、直感的な操作感覚、王道を征く剣と魔法と少年少女が織りなすストーリー、どれを取っても当時は一級品でした。
特に迫真のスネアとベースラインが奏であげるBGMは今でもマジで色褪せません。
そして何よりもアクションが難しすぎないというのが他のアクションゲームには無い特徴でした。
アクションで難易度を調整するのではなくレベルで調整しています。
つまりレベルを上げて装備を整えて敵の弱点を突けばアクションが苦手な人でもどうにでもなるという、まさしくアクション+RPG。
戦士/僧侶/魔法使いの3キャラでパーティを組んで戦うところも実にアクション+RPG。
当時としてはパーティを組むアクションゲームというのは非常に珍しかったのです。
他にも操作キャラをワンボタンで切り替えられる、残りの2キャラの操作を有人協力プレイに変更可能、リングコマンドと呼ばれるシステムでいちいちメニュー画面を開かせず没入感を高めている点なども画期的でした。
余談ですがFF零式やFF15にもこういった「システムはアクションだけどレベルを上げればクリア出来る」というバランスは見られて、この姿勢は個人的には好きです。
そんな伝説の聖剣伝説2の3Dフルリメイクという事で、原作に思い入れのある人ほど「うわー3Dとか要らねー、改悪されてそー」と思われるかもしれませんが、プレイしてみるとほとんど違和感はありませんでした。
というかむしろリメイクなのにそのまんますぎない…?って感じさえします。
3Dと言ってもキャラが3Dになっているだけでカメラも原作と同じ見下ろし定点ですし。
SFC版との違い
追加機能
- あらすじ
- 図鑑
- ミニマップ
- オートセーブ
- L1とR1に好きなショートカット設定
- リメイクBGMとオリジナルBGMがいつでも変更可能
特に便利なのがL1とR1に設定出来るショートカットで、リングコマンドすら開かず魔法が使えます。魔法レベル上げが捗る捗る。
図鑑機能はキャラクター/モンスター/武器の3種類がありますが、絵が表示されるだけでコメントすら無く残念な出来栄えです。
コメント考えるのがめんどくさかったなら、せめてモンスターのステータスとか経験値とかだけでも見られたら良かったのになぁ。
演出的な追加点
- 村人Aまで含めて全キャラフルボイス
- 要所要所でムービー追加
- ストーリーの進行に応じて大量の会話イベント追加
ムービーのクオリティは決してPS4レベルとは言い難いですが、うん、まぁ、この作品をムービーに期待して買う人はそんなにいないと思うのでいいのかな…。
口がほとんど動かないのが気になる、というか怖かったです。
リメイク版として本作で一番大きな変更点と言えるのが、ストーリーが進むと順次解放される会話イベントです。
宿屋に泊まると発生し、こちらは全て新規書き下ろしとなっております。
3人での日常会話に加えて精霊やワッツが登場したりと、笑いあり涙ありでキャラクターや旅感をかなり掘り下げています。
ストーリーを進め過ぎても過去会話フラグが消えてしまう事がないというのも非常に親切。
2周目は動画を撮るために一度も宿屋に泊まらずラスダンまで進めて一気に消化してみたのですが、全部観終わるまでに1時間半かかりました。すごいボリューム。
既存システムからの変更点
- 仲間を画面外に置き去り可能
- 仲間への指示内容変更
- ダッシュ中に方向転換可能
- 同種アイテムの所持数限界を任意で変更可能
- フラミーで着陸出来る場所が明確になった
- セーブスロットが2個+オートセーブ
- 全体的に物理攻撃が当たりにくくなった
仲間が壁に引っかかって先に進めないという事がなくなったので超快適です。操作キャラが状態異常を食らったら即キャラチェンジして走り抜けられたりもします。
気になったのがこちらの攻撃が全然当たらない事。
たしかにバカスカ当たると被ダメモーションでハメられてしまうのでバランス調整の一環なのかもしれませんが、それにしたってまぁ外す外す。結構ストレスです。
カウンタマジックを使うボスとかレベルが低いとかなり長期戦になります。お前の事だよマシンライダー3号。
あとセーブスロットが2個しかないのですけど、セーブスロットは4個にすべきです。うちは私、妻、長女(7歳)、次女(4歳)の4人家族ですが、聖剣伝説2を買うといつも上の子が我慢させられる。不憫で仕方ない。
上記以外の変更点はほぼ無いと思って間違いありません。
恐らく敵の配置からステータスからダメージ計算からほとんど一緒です。命中率以外。
変なミニゲームが追加されたりもしていませんし、パメラが仲間になるような改変もありませんし、ボス戦でいきなりボーカル曲が流れたりもしません。お前の事だよ女神異聞録ペルソナ。
逆に追加ダンジョンや裏ボスや強くてNEW GAME等もありません。
皇帝が立ったまま死んでいるのもそのまんま。
たまゆランディが釜茹でされるのもそのまんま。
ここが凄いぞここが残念 聖剣伝説2SoM
どちらも特にはありません。
前述の通り、良くも悪くも聖剣伝説2のキャラを3Dにして、宿屋の会話イベントを追加しただけなので。
あ、デフォルトだとキー配置が変(話しかけたり宝箱を開けたりセリフ送ったりは×なのにメニューとか選択肢の決定は○)なので頭がどうにかなってしまいそうでしたが、コンフィグでアタックとダッシュを入れ替えれば落ち着きます。
動画
ラスダン~エンディングまで。
主人公の名前を変更しているのでセリフがププププに置き換わっているのですが、プリムとかポポイまでププププになったりならなかったりするのは不具合ですね。
総評
発売当初はエグい不具合の数々があったようですが(そんなところまで原作再現しなくていいから)、2023年現在では修正アップデートが入っておりゲームにならないような不具合には遭遇しませんでした。アプリケーションエラーも一度も無し。
しかし令和の現在でもSwitchやミニスーファミでSFC版が手軽にプレイ可能という環境ですので、リメイクをうたうのであればもっと挑戦してみても良かったのではないかなぁという印象。
これがもう原作プレイ環境を用意する事が現実的ではないというのなら、こういうリメイクは100点満点ですけどねぇ。
もちろん、SFC版が好きでやり込んでからこの20年超丸っきり触っていないという人には胸を張ってオススメ出来ます。こういうのでいいんだよってやつです。
ただし改めてプレイしてみると、当時画期的だったというだけで決して「ゲーム」としてのクオリティが高いとは言えません。
思い出補正があれば十分楽しめますけどね。雰囲気とBGMは今でも色褪せていません。
もし原作未プレイのゲーマーが初めて触れて「聖剣伝説2おもしれ―!」となったら、素質あるよ。
トロフィーコンプリートガイドはこちらです。
宿屋会話イベントまとめと動画はこちらです。
聖剣伝説3リメイクのレビュー記事はこちらです。
聖剣伝説LOMリマスターのレビュー記事はこちらです。