
孤高のブロガー
アクションRPGというジャンルを一般人にまで広めた歴史的作品と言っても過言ではない聖剣伝説2。その続編の聖剣伝説3が2020年に3Dでフルリメイクされています。
その名も「聖剣伝説3 TRIALS of MANA(トライアルズオブマナ)」
「マナの試練」的な?確かに色々大変そうでしたもんね、マナの女神さんもフェアリーさんも。
対応機種はPS4/Switch/Steam(PC)です。
先月聖剣伝説2リメイクをクリアしましたが、最近まで聖剣伝説2原作をプレイしていた私としては「いやまぁうん悪くはないよ、うんうん全然悪くない、けど見た目以外スーファミ版と全然変わらんのね、いやいいんだけどさ」という感想でした。
対して聖剣伝説3については原作は未クリアという状況です。
当時ソフトが買えず友達の拓哉くんに借りたのですけどクリアする前に返してしまって、ゲーム内容をほとんど覚えていないのですよね。
今でこそ欲しいソフトは気にせず買っていますが昔はそういう訳にはいかんでしたからねぇ。ソフト1本1万円とかでしたし、小学生でしたし、扶養でしたし。
これは原作そのまんまでも原作からガッツリ変わっていてもどっちに転んでも楽しめるってもんだぁ。
そんなこんなでワクワクドキドキプレイしながら3日間 40時間ほどでトロフィーコンプリートしたのでレビュー記事を投稿したいと思います。
SFC版の聖剣伝説3とは
時は1995年、プレステやサターンが台頭してきた頃にスーパーファミコンでスクウェアから発売されたアクションRPGです。
売り上げは80万本。
聖剣伝説2が150万本ですのでかなり落ちてしまっていますね。
やはりプレステやサターンの影響が大きかったのではないでしょうか。スーファミ、ソフト高いし。
聖剣伝説2のドット絵や戦闘アクションを踏襲しつつ、主要6キャラから主人公1人と仲間2人を選んでゲームスタートする、主人公によってダンジョンやボスが変化する、中盤で複数のクラスから一つを選んでクラスチェンジする(元に戻せない)という要素が加わった事で、やり込みや周回プレイに耐えうる作品でした。
クラスチェンジ先は1キャラに対して4つあって使い勝手も大きく変わるので、パーティメンバーの組み合わせと各キャラのクラスの組み合わせを考えたらもう計算する気も起こらないほどのパターンで遊べます。
SFC版との違い
- 3D化 & ボイス付き
- あらすじ
- ミニマップ
- オートセーブ
- 強くてNEW GAME
- リメイク/オリジナルBGM変更可能
- いつでも難易度変更可能
- クラスリセット可能
- クラス毎に習得出来るアビリティ追加
- サボテン君イベント追加
- 本編クリア後にクラス4追加
- 本編クリア後に裏ダンジョン追加
- 戦闘アクションを一新
聖剣伝説2リメイクと違ってフィールド含めて完全に3D化しているので、町の探索から戦闘まで終始プレイング感がまるで違います。
よくある、左スティックでキャラを走らせて右スティックでカメラを360度動かせるやつです。
3D化に伴い戦闘アクションも一新。
弱攻撃と強攻撃の組み合わせでコンボを繋ぎ、回避ボタンで敵の攻撃を華麗に躱し、ショートカットに好きなアイテムや魔法をセットして即座に使用し、ゲージが溜まったらド派手な必殺技をぶっ放せます。
また仲間が状況に応じて自動で回復魔法や補助魔法や回復アイテムを使ってくれたりもします。

ただしアクションゲームとして飛び抜けてクオリティが高いというわけでもありません。
モーションはややモッサリですし、複雑な動きが出来るわけではありませんし、凝ったギミックの敵がいるわけではないですし。
レベルを上げれば裏ボスの難易度ハードでもアクション不要のゴリ押しで倒せるくらいのまったりアクション。
とは言え、原作ファンのオジサマゲーマーがメインで遊ぶ事を考えたらこれくらいの調整がベストだと思います。
上記以外に大きな変更点はなく、メインストーリーやテキストはほぼそのままです。
3D化した事により演出的な変化はありますが。
道中にイベントが追加されていたりキャラの見た目が激変していたりという事はありません。
登場人物紹介
リース
主人公の一人で、ローラント王女にしてアマゾネス軍のリーダー。
アマゾネスなのにマジメでウブでお淑やかで誰にでも人当たりが良いのにとんでもねぇ露出狂という属性合わせ技で、現在でも根強い人気を誇るリースさん。




クラスによって前線を張ったり味方バフや敵デバフといったサポーターをこなしたり召喚魔法を放ったり出来る万能タイプ。リースさんで何度も楽しめちまうんだ。
アンジェラ
主人公の一人で、魔法王国アルテナの王女。
安心安全・国産・無添加・無農薬の高飛車おてんばお色気衣装魔法使い。
魔法使いはかくあるべしと古事記にも書いてあります。



最終的には一歩も動かずラスボスすら瞬殺する大魔法使いに。
リメイク版の最強キャラと言って差し支えないかと。
シャルロット
主人公の一人で、偉い司祭様の孫娘。半人半エルフ。
天真爛漫かつ破天荒な言動で冒険が和む事間違いなし。



パーティーキャラの中では唯一とも言えるガチヒーラーなので、最初はメンバーに入れておくと安心かも。
デュラン
主人公の一人で、フォルセナの実力派傭兵。
ナイト的な見た目、粗暴で直情的ながらも冒険を通じて成長を見せる性格、まさに王道を征くザ・昔のRPGの主人公。



性能的にも前衛として隙がなく、選択したクラスによっては全体回復まで覚える勇者タイプ。
ホークアイ
主人公の一人で、義賊の盗賊団で腕を振るう誇り高きキザ男。
かと思えば情に厚く仲間思いで、男の憧れる男といった感じ。



素早い連続攻撃に全体攻撃やデバフや状態異常も使いこなし、操作していて楽しいキャラ。
敵のアイテムドロップ率アップのアビリティも嬉しい。
ケヴィン
主人公の一人で、獣人と人間のハーフ。(獣人がそもそも獣と人間のハーフなのでは…?)
動物と意思疎通可能な心優しき青年。ほしにくが好きそう。原っぱに飛び込んだまま帰ってこなさそう。



最火力物理アタッカーへの道を突き進むも良し、ヒーラーやサポーター方向に成長させるも良しという意外と器用なキャラ。
その他の皆様
ニキータ、フラミー、各属性の精霊、ボンボヤジ、大砲、ワッツ、踊る店員、ちびっこハンマー、フルメタルハガーといったシリーズ恒例のキャラクターたちがガッツリ登場。
更に追加要素として聖剣LOMからサボテン君がゲスト出演しています。









ここが凄いぞ 聖剣伝説3リメイク
前述の通りSFC版はやり込んでいないので、「聖剣伝説3」としての評価も含まれています。
- クラスやアビリティで思い思いのキャラメイクが可能
- どこに行けばストーリーが進むのか常に表示されるマップ
- 分かりやすく単純でテンポの良いバトル
- リメイクBGMは変なアレンジもなく正統派ゴージャス版といった感じ
- 選んだパーティメンバーによって変化する掛け合い
やはりキャラメイク出来るゲームは良いですね。パーティメンバーで役割を脳内イメージしながらクラスを決めて~ステ振りをして~アビリティを覚えさせて~。好き。
ミニマップの目的地表示機能はやや親切すぎる感もありますが、不要だと思えばコンフィグでOFFにする事も可能。
バトルアクションはモーション自体は確かにモッサリ気味なのですが、戦闘開始/戦闘終了はシームレスに移行して大変テンポが良いです。敵のHPが低めでサクサク倒せるのも◎
BGMもアレンジ版は評価が分かれやすいところを原作に近い形でバージョンアップしています。原作BGMといつでも切替可能なのだからアレンジ版はもっと冒険してもいいのでは?と思う人もいるかもしれませんけど無難に良い。
ここが残念 聖剣伝説3リメイク
基本的には不満は無く、どれも敢えて挙げるなら、というレベルです。
- キャラメイクにこだわっても特徴を活かして戦うほどの敵が少ない
- NPCへの指示に「この特技を使うな」が無い
- 全体的にロードが多め&長め
- クラスチェンジの演出とロードのテンポが悪すぎる
- 宝箱の中身が消耗品ばかりで探す楽しみも開ける喜びも薄い
- 敵登場人物がどの軍勢なのか全然頭に入ってこない(1周目)
- ストーリーは良くも悪くも1995年
- イベントシーンのセリフ送りは可能だが結構飛ぶ
せっかくクラスやアビリティやメンバーの組み合わせで好きなキャラメイクが出来るのに、敵が弱すぎて&特徴が無さすぎて難易度ノーマルであればどんなパーティでも苦戦はしません。
初見プレイで適当に進めていても一度もゲームオーバーしませんでしたし。
まぁこれは難易度ハードやそれ以上があるのでやり込みたい人はそっちでどうぞという事でしょうが。
ロードについては戦闘時や町探索中や同ダンジョンのフロア移動には挟まりませんが、ロケーションが変わるたびにそこそこ長めのものが入ります。
町から外に出たりとか、フラミーに乗った時とかフラミーから降りた時とかフラミーに乗った時とかフラミーから降りた時とか。
各主人公に対する敵対組織には様々なキャラが登場しますが、主人公以外の敵対組織のキャラも絡んでくるため1周目のプレイではもう訳が分かりません。
しかも名前も似てるし。
仮面の道士?紅蓮の魔術師?混沌の騎士?邪眼の伯爵?黒の貴公子?
私も孤高のブロガーって名乗っていいですか。
こんな感じの「〇〇の〇〇」がポンポン現れては消え現れては消えするので、誰がどの軍勢に所属していてどのくらいのポジションなのか誰が上司で誰が部下なのか全然頭に入ってきません。
しかしこれは周回プレイを前提としているからこそなのかもしれませんね。
各主人公でプレイしてみると「あぁそういう事ね」と理解出来るようになってきますので、あながち残念ポイントとは言えないかも。ある意味リアル。
ストーリーも同様に残念ポイントというよりは賛否分かれそうポイントです。
ご都合主義で古臭くコテコテの少年漫画のようなノリ。個人的には楽しめましたが。

2020年のゲームのストーリーとしては稚拙と言わざるを得ません。
もちろん1995年当時の小学生や中学生をターゲットにしたストーリー展開であり、イマドキの若者や初見おっさんプレイヤーをターゲットにしてはいないので否定するのは完全に間違っています。
もしイマドキの若者や初見おっさんプレイヤーが当時の事を鑑みずにプレイしたら、ストーリーはちょっと退屈というか臭いと感じる人もいるかもね、という感じ。
で、個人的に一番気になったのはセリフ送り周りです。
イベントシーンでフルボイスとなりますが、決定ボタンでセリフ毎にボイスを飛ばせます。
それは大変良いのですが、なんかボイスだけでなくアニメーションも思わぬところまでスッ飛んでしまって「あれ、今どうなったの?」となりがち。
いやそもそも飛ばさないでコントローラーから手を放して声優の迫真の演技を聴けよという話ですが、文章読んだら飛ばしたいのですよ、個人的には。
変な風にスキップされてしまうのだったらそもそもボイス飛ばせないようにした方が良かったんじゃないかなぁなんて。贅沢ですが。
動画
こちらはラスボス戦~エンディング、デュラン/ホークアイ/ケヴィンです。
もちろんネタバレどころの話ではないので自己責任でどうぞ。
こちらはシャルロット/リース/アンジェラのエンディング。
総評
フルリメイクと聞くとどうしても「良いところもあるけど原作から劣化したところもあるよなぁ」という評価になりがちです。
一般的に評価の高いミンサガ(ロマサガ1リメイク)だって人によっては「あんなのロマサガ1じゃない」「なんでアルベルトに羽生えとんねん」「スキルだのクラスだのよー分からん」という声が聞かれます。
聖剣伝説3リメイクは残すところはそのまま残し(ストーリー)、変えるところはガッツリ変えて(アクション)、それらが上手くハマっており高いレベルでリメイクに成功していると言えます。
原作ファンもこれにはニッコリじゃないですかね。
原作ファンではない私もかなり楽しめました。
原作未プレイで、聖剣伝説2リメイクと聖剣伝説3リメイクをどちらも初見でプレイしたとしたら、聖剣伝説3の方が2馬身差くらいで面白いと思います。
「ガチのアクションゲームがやりたいねん」という人には微妙ですが、そうでなければ原作ファンのおっさんにも原作未プレイのおっさんにも胸を張ってオススメ出来る良作です。
聖剣伝説2リメイクのレビュー記事はこちらです。

聖剣伝説LOMリマスターのレビュー記事はこちらです。
