
アクマを殺して平気なの?
吾輩はメガテンが好きである。名前はたまゆら。
FF1と初代女神転生はリアルタイムでプレイしていた事をよく覚えています。
当時はどちらもクリアは出来なかったですけど。
FF1は船取るところまで、女神転生はミノタウロス倒すところまでプレイしてまた最初から〜を繰り返していましたね。
船取った後もミノタウロス倒した後も難しくなるからね、仕方ないですね。
そんなたまゆら少年もすっかり年老いて、今では古いゲームのDL版やリマスター版ばかりで遊ぶ立派な懐古厨となりました。
と、そんな話はさておきソウルハッカーズ2ですよ。
女神転生シリーズは真・女神転生3 & ペルソナ2罪罰 & ソウルハッカーズ、あとはちょいちょいデビチルとか魔神転生とかまでしかプレイしていないのですが、今回シリーズ最新作のソウルハッカーズ2が2,000円とお安く購入出来ましたのでレッツプレイ。
定価10,000円ですが発売から半年で2,000円まで下がるって凄いですね。
アンサガを彷彿とさせる値下がりっぷり。
丸一週間、80時間かけてトロフィーコンプリートまで遊びましたのでレビューを投稿させていただきます。
ネタバレ無しなので未プレイの方もどうぞ。
ソウルハッカーズ2とは
女神転生シリーズは大きく分けて3つの路線で展開されています。
真・女神転生シリーズ(王道メガテン/世界が一回滅びがち)、ペルソナシリーズ(学園モノ/仲魔を自身に憑依させて戦う)、そしてデビルサマナーシリーズ(社会人モノ/仲魔を召喚して一緒に戦う)ですね。
基本的にはどの作品も前後でお話の繋がりはありません。
共通する要素として、敵(悪魔)が仲間(仲魔)になって一緒に戦ってくれる、というものがあります。
ポケモンの先駆け。
本作は2022年8月25日に発売されたデビルサマナーシリーズの最新作です。
デビルサマナーシリーズとしては実に25年振りの続編。
なのですが、正式名称が「ソウルハッカーズ2」です。
「真・女神転生 デビルサマナー ソウルハッカーズ2」でも「デビルサマナー ソウルハッカーズ2」でもなく「ソウルハッカーズ2」。
随分シンプルなタイトルになっていますが、色々開発側の葛藤とかそういうのもありそうです。(後述)
前述の通り、ソウルハッカーズ2というタイトルですが前作ソウルハッカーズと物語的な繋がりは無く、新規でも違和感ゼロで楽しめます。
PS4/PS5/Xbox XS/Xbox one/Steamでプレイ可能。
売上はWikipediaによるとPS4版が3万本でPS5版が2万本だとか。
はぇー、すっごい少ない。
これダウンロード版は含まれておらず、かつ初週の売上という事なのですかね?
それにしたって、ねぇ。
まぁ時代でしょうか。
当時のコアなメガテンファンなんて今は家庭があったり仕事があったりでゲームやる時間無さそうですし、イマドキのゲームをやる若い人は「メガテン?は?何それ?」って感じでしょうし。
発売から半年しか経っていないのに10,000円→2,000円に値下がりした一因として、「移動も戦闘も冗長でかったるい」という点が挙げられます。
が、2023年2月現在ではアップデートが入り、戦闘倍速やフィールドでのダッシュ等の快適機能が実装されています。


確かになぁ、私はこれらがあったから楽しめましたけど、無かったら正直しんどいかも…
ソウルハッカーズ2のシステム
プレイヤーキャラは4人で、それぞれに仲魔を憑依させて戦うペルソナシステム。
強い仲魔を憑依させればパラメータが高くなって強い技も使える、的な。
何故デビルサマナーシリーズなのにペルソナっぽくしたのか理解に苦しみます。
仲魔が直接戦わないのにデビルサマナーを名乗ったらファンからボコボコにされる事が予想されるためタイトルからデビルサマナーを取っ払ったのでしょうか。
あとビックリしたのが戦闘中の悪魔との会話がありません。
悪魔会話も無ければ悪魔召喚も無い、シリーズ未プレイの方には取っ付きやすいかもしれませんがシリーズファンには物足りないような極々普通のコマンド式JRPGに仕上がっております。
悪魔たちとの面白カッコイイやり取りは健在。









これぞメガテンの醍醐味ですね。
すさまジイさん、好き。
HASSO-BEATはありません、残念。
ストーリーとしては、すんごいAIがひっそり人類を見守っていたけど世界が破滅する事が計算により分かったので人類に介入して世界破滅を阻止する、というもの。
主人公がこのすんごいAIです。
大筋はシンプルなお話ですが、二転三転とひっくり返るドラマチックな展開も見られます。
登場人物紹介
リンゴ
人類社会介入のため、人間のボディに魂を宿したすんごいAIその1で主人公。




演算能力・論理的思考力こそ高いが人間の心の機微のようなものには疎く、仲間と接しながらこれらを学び成長していきます。
表情がコロコロ変わって何とも愛らしいキャラクターです。
個人的にはとても好き。
それにしても仲間を悪の女幹部呼ばわりは笑う。
フィグ
人類社会介入のため、人間のボディに魂を宿したすんごいAIその2。


コマンダーとしてリンゴたちを陰でバックアップする重要人物。
同タイミングで制作されたリンゴのボディよりおっぱいが大きいのはどういう意図があるのでしょうか。
アロウ
デビルサマナー組織「ヤタガラス」に所属する人間。


リンゴに命を助けられパーティに加入。
髪の毛のセットが毎朝大変そう。
趣味は筋トレと節制で好きな食べ物はラーメンとビール。
見た目通りの典型的な真面目クン。
熱血系かと思いきや得意技はブフ(氷結)系。意外とクール?
ミレディ
「ヤタガラス」と対立するデビルサマナー組織「ファントムソサエティ」に所属する人間。


リンゴに命を助けれられパーティに加入。
幼い頃から組織に所属し暗殺任務をこなしており、登場時こそ冷酷な人間として描かれますが次第に仲間に心を開いていきます。
ベタですけどそれがいい。
こちらはアロウとは逆にアギ(火炎)系が得意。確かにベッドの上では情熱的でした。
サイゾー
「ヤタガラス」にも「ファントムソサエティ」にも所属しない、フリーランスのデビルサマナー。


リンゴに命を助けられパーティに加入。
チャラい見た目とチャラい言動、そして武器がマシンガンって上杉ブラウン秀彦君と被ってなぁい?
飄々とした性格そのままに風っぽいザン(衝撃)系が得意技。
ソウルハッカーズ2の良いところ
- 合体が超ラクチン
- メインキャラクターは魅力的
- ボス戦の直前にオートセーブ
- 武器改造の素材入手方法が簡単に調べられる
- 敵の弱点に合わせて効果的な攻撃を自動で選択するアシストアタック
- 移動中の回復魔法が誰でも使える
- レベルがかなり上がりやすい
- トロコンが理不尽ではない
合体が楽チン
とにかく合体が超ラクチンです。楽チンチンです。
これはシリーズ経験者にしか伝わらないと思いますが、手持ち悪魔からの検索合体はもちろん、悪魔全書を含めての検索合体も出来ます。
検索合体時には今まで一度も仲魔にした事の無い悪魔を結果表示させる事が出来るので、悪魔合体の法則を全く知らない人でも簡単に悪魔全書コンプリート可能です。
また、スキルの引き継ぎもランダム要素が廃止されプレイヤーが選べますので、お目当てのスキルを引き継ぐまで何時間もリセット…なんて苦行も不要となりました。
その他の機能も優秀
遊びやすさという面も優秀で、武器改造に使用する素材の入手方法が詳細に分かるのが良き。
どのダンジョンに出現する何という悪魔がこの素材を落とす、というところまでゲーム内で確認出来て、更にその悪魔だけを狙って戦闘する機能まで搭載。
オートセーブも気が利いており、全滅すると即タイトル画面ですが強敵との戦闘前にオートセーブされるため、全滅して何時間も前まで巻き戻しなんて事態にも陥りにくいです。
戦闘では一度戦って弱点が分かっている相手なら、手持ちから弱点を突ける技を自動で使ってくれるアシストアタックも素敵。倍速機能と合わせればレベル上げもサクサクです。
移動中の回復はワンボタンで全回復機能があり、更に勝手に回復魔法の使える悪魔に付け替えて回復してくれます。便利ですのぅ。
UI面ではここがこうだったらなぁと感じる事はほぼ無く、痒いところに手が届いた親切さだと感じました。
トロコンが理不尽ではない
これは賛否あるかと思いますが、トロコンは簡単ですね。
2周プレイする必要はありますが強くてNEW GAMEありますし、厄介なトロフィーもありませんし。
私は80時間かかりましたが、効率よくプレイすれば60時間くらいでトロコン可能かと思います。
虚無を感じるような無茶苦茶な作業を強要するトロフィーが無いのは好印象です。
ここが残念ソウルハッカーズ2
- 戦闘キャラが人間だけ
- 戦闘中の悪魔との会話が無い
- ストーリーが短く掘り下げも甘い
- グラフィック自体は感動するようなものではない
- 一部ダンジョンが冗長すぎる
- エネミーシンボルが一種類しかない
- 悪魔の種類少なくない?
- MPの回復手段が乏しい
- ゲームに慣れてくるとバトルに緊張感が無くなる
戦闘キャラが人間だけ
と に か く、とにかくとにかく仲魔が召喚出来ないのが残念すぎます。
お気に入りの悪魔と一緒に戦うのがイイのですよ。
お気に入りの悪魔がカッコよく戦うところを見たいのですよ。
え、違うの?おじさんメガテニストがデビルサマナーに求めるところってほとんどそこじゃないの?
オーディンとロキとトールとスルト並べて戦いたいの。
もーほんとここはガッカリでした。
スキル継承も簡単なので、今使っている仲魔を御魂化して次のレベル高い仲魔にそっくりそのまま全スキル継承させる。そんな事していたら今何の悪魔を使っているのかすら分からなくなります。
仲魔がただのパラメータでしか無い。
一応サバトというシステム(弱点を突くとターン終了時に仲魔が現れて追撃)で勇姿は一瞬拝めますがそれだけ。

サバトなんて慣れてきたら演出スキップしてしまいますし…
まぁね、きっと頭の良い人がね、マーケティングにマーケティングを重ねてね、悪魔召喚も悪魔会話も要らないと判断して開発しているのでしょうからね、仕方ないですけどね、本当に本当にこれで良かったの?と思ってしまいます。謎。
メインストーリー短すぎ
お話自体はよく出来ていて、かつ分かりやすくのめり込めるものだと感じましたが、いかんせん短いです。
メインストーリーだけ追いかけたら初プレイでも20時間くらいで終わりそう。
短いので世界観やキャラクターの掘り下げも甘く、ラスダンでいきなり重要そうなキャラが初登場してそのまま戦ってそのまま退場とかおったまげるような展開もあります。
短いので行動範囲も狭く、街もダンジョンも片手で数えきれそうなくらいしか出てきません。
一応サブクエスト的なものは結構量がありますからあれやこれやと寄り道をしていれば流石に20時間では終わりませんが、このサブクエストも既に行った事のあるダンジョンにもう一回潜って誰々と会ってこいとか、この悪魔を何体倒してこいとか、そんな水増しクオリティのものばかり。
ちなみに私は1周目で全サブクエストを消化して40時間ちょいでエンディングでした。
定価10,000円でこれでは発売日に買った人がかわいそうかと。
グラフィック自体は感動するようなものではない
ゲームにグラフィックなんて求めとらんのじゃという意見はマルっと同意ですし、そもそもアニメ調の作風なので美麗なグラフィックはあえて使っていないのかもしれませんが、それにしても2022年のゲームとは思えないレベルです。
PS3でも十分実現出来そう。



カッコいいですし雰囲気はあるので良いのですけどね。
一部ダンジョンが冗長すぎる
キャラクターをより深く理解するためにソウルマトリクスというダンジョンに任意で挑戦出来ますが、これは正直言ってウンチです。
人間の精神世界という設定上仕方ないとは言え、無機質な背景が延々と続くダンジョンに無数のワープ。

デビルサマナーの中華街ほどのイヤラシさはありませんが、それにしてもワープ地獄。
こんなダンジョンがアロウ、ミレディ、サイゾーの3人分 * 各5層まであります。
彼らの精神状態が心配になるレベルのワープ乱舞。どしたん、話聞こか。
これはいただけませんよ。
ストーリーが短いのは忙しい人にも優しいとか、悪魔召喚出来ないのは人間キャラ操作したい人には嬉しいとかアクロバティック擁護のしようもありますが、これはいただけません。
せめて数を減らすか背景を変えるかギミックを変えるかして欲しかった。
任意とは言えこのダンジョンをやらないとただでさえ浅いキャラの掘り下げが更に浅くなってしまいますし、クリアする事でキャラを大幅に強化出来るので実質強制に近いものがあります。
MP回復がダルい
雑魚戦でのMP消費が激しく、MP回復手段も乏しいです。
幸いダンジョンの至る所にチェックポイントのようなものがあり、いつでもホームに戻って全回復する事は可能なのですが、ダンジョンから出てホームに戻る際にもホームからまたダンジョンに戻る際にもロードを挟みます。
もうさ、だったらチェックポイントで全回復出来るようにしとけば良くない?とは思います。
バトルが大味で緊張感が薄い
こちらは賛否あるでしょうが。
雑魚戦は慣れてくると前述の弱点攻撃を自動で選んでくれるアシストアタックを連打していればサクサク進むため緊張感に欠けます。
真・女神転生3以降のプレスターンバトルと違い、攻撃を反射されても特にデメリットが無いのですよね。
逆に1体でも弱点を突けばサバトが発動するため有利に戦えます。
なので例えばアギ弱点とアギ反射の敵が同時に出て来てもアシストアタックでマハラギダインをぶっ放してしまうのが正解という大味な戦闘バランスになってしまっています。(アギ系を使う仲魔は大抵アギ系無効だったりするので反射されても問題無い事が多い)
雑魚戦くらい脳死でサクサク進めたいというプレイヤーも多くいるとは思いますが、さてメガテンファンはどうでしょうか。
クリアしてまだ日が浅いですが、あいつ強かったなぁとかあいつ厄介だったなぁと思い出せる敵の雑魚悪魔は一体もいません。
所感
値下げっぷりを見ても分かる通り、一般的な評価は芳しくありません。
メガテンファンのほとんどの方が肯定寄りの評価をするであろう不朽の名作「デビルサマナー ソウルハッカーズ」。そのソウルハッカーズの25年振りの続編。
そして定価10,000円。
これらの要素がハードルを上げまくってしまった感はあります。
蓋を開けてみればデビルサマナー要素は薄くストーリーは短い。
「だからタイトルにはデビルサマナーって付けなかったじゃん!」ってそれは厳しい言い分ですよ。
待ち望んだファンはどうしたって期待してしまうってものです。
あと発売当初は倍速とダッシュが無かったのが痛かったですね。
クソゲーと斬って落とすつもりはありませんし、というか普通のRPGとして大変楽しめましたが、やはり仲魔と一緒に戦いたかったというのが率直な感想です。
せっかく一般ウケ狙い路線のペルソナとシリーズを分けているのですから、デビルサマナーはコアなファン向けに振り切って欲しかったなぁ。
結局それでメガテニストからも一般ゲーマーからもそっぽ向かれてこの有様になっているのでは。
これでまた何年もデビルサマナーとしての続編が出なくなるというのも残念。(というかもう2度と出ないかも…?)
メガテンってよく分からないし難しそう…と思っているビギナーにはうってつけかもしれません。
コアなメガテニストも何やかんや言って合体でシヴァを作った時の感動はありますし、何より今の価格を考えれば十分オススメ出来ますのでもしよろしければ。

総評としては「10,000円だと微妙だけど2,000円だったらシリーズファンにもシリーズ未プレイ者にも胸張ってオススメ出来る、メガテンっぽい普通のRPG」です。
個人的には5,000円までだったら大満足、といったところ。
久しぶりにソウルハッカーズやりたいなぁと思ったのですが3DSにしか移植されていないのですね。
3DS買っちゃおうかなぁ。
DLCの追加シナリオレビュー記事はこちらです。

トロコンガイド & レベル上げの簡単な方法についてまとめた記事はこちらです。

ペルソナ5のレビュー記事はこちらです。
