正ヒロインの破壊神シド―
先日マイクラとドラクエを合体させたようなゲーム、ドラクエビルダーズ1をクリアしてレビュー記事を投稿しましたが、今回はその勢いのまま続編の「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シド―とからっぽ島」をトロコンしたのでレビューです。
前作は30~40時間前後でクリアからトロコンまで出来ましたが、本作は80~100時間くらいは遊んだかと。
ボリュームはもちろん、遊びやすさやビルドの規模、そこに息づく人々の描写等、あらゆる面で順当にスケールアップした良作でした。
前作ドラクエビルダーズ1のレビュー記事はこちらです。
ドラクエビルダーズ2とは
2018年にPS4/Switch/Xbox One/Steam(PC)で発売。
前作発売が2016年ですって。2年で続編を出しているのはイマドキ素晴らしい。
売上は全世界で110万本オーバーと前作とほぼ同じ。
それだけ前作のクオリティが高くリピーターが多かったという事でしょうか。
ゲームの概要も前作と同じです。
ドラクエ世界観でドラクエストーリーをメインに据えつつ、コマンドRPGではなくブロックメイクというかサンドボックスでゲームを進行させるというもの。
ブロックメイク?サンドボックス?なんじゃそりゃ?となる人でもそこはさすがドラクエ、チュートリアルがしっかりしており、また難易度も低いので老若男女問わず楽しめるほんわかゲームです。
前作との繋がりはほぼありませんので、更に遊びやすくなった本作からプレイするのもアリです。
1も2も両方プレイするつもりであれば1からやった方が良いですが。システム面の問題で。
ストーリー
原作ドラクエ2のその後の世界、3人の勇者の子孫によってハーゴンとシドーが倒された後のお話です。
ハーゴン軍勢にボロボロにされた世界を復興させるため、ビルダーと呼ばれるモノづくりの達人たちが世界各地で奮闘。
主人公もそんなビルダーの一人です。
世界復興なんぞ阻止したいハーゴン軍の残党に主人公が攫われたところから物語が始まります。
拉致られた船が嵐に遭って難破し、目が覚めるとそこは無人島。
同じ船に乗っていた女の子ルル、記憶を失っていてどこから来たのかも分からない男の子シド―と共に、成り行きに任せながらなんだかんだと世界を救う事に。何故ならこれはゲームだから。
ゲームシステム
無人島である「からっぽ島」を開拓するため、有人島に赴き現地の問題を解決して仲間を集めていきます。
言われた場所に行き、言われた素材を集め、言われた建物を作る、これの繰り返し。だってこれはゲームだもの。
ここが凄いぞ ドラクエビルダーズ2
- 前作よりも遊びやすく
- 住民の生活している感がパワーアップ
- たっぷり遊べる体験版
- マルチプレイも可能らしい
前作よりも遊びやすく
- ダッシュ機能
- 所持品数制限の緩和
- 随所にチェックポイントがありファストトラベル可能
- 設計図の完成に必要なアイテムが作業台で確認可能
- 魔物に拠点を壊されても自動で復旧
- 全体的に画面が明るくなった
- 一人称視点切り替えで閉所カメラワークもマシになった
- NPCがはぐれずワープしてでも着いてくる
- ハンマーと剣を同時装備してボタンで使い分け
- 装備の耐久度廃止
- 敵に触れてもダメージを食らわなくなった
- 基本的にパーティ戦闘でAIも強いためバトルが楽ちん
- システムデータ含むセーブデータが3つに増えた
ザッと思いつくだけでもこれくらい遊びやすくなっています。
特に嬉しいのは設計図完成に必要なアイテムの表示です。前作だとわざわざ設計図の上と作業台を行ったり来たりしなくてはならなかったので。
その他、前作で私が不満に感じた、画面が暗い、閉所カメラワークが悪い、敵に触れるだけでダメージ、NPCがすぐはぐれる、システムデータが1つしかないという点も改善されていて良かったです。
装備の耐久度は私はゲーム性としては嫌いではありませんが、まぁ一般的に言ったらウケは良くないでしょうね。削って正解かと。
住民の生活している感がパワーアップ
畑を仕事をするキャラ、収穫物を調理するキャラ、料理を食器に盛るキャラ、食事をするキャラ、うんちをビルドするキャラ、お酒を提供するキャラにお酒を飲むキャラ、ダーツやプールやポーカーで遊ぶキャラ、ピアノを弾くキャラなどなどなどなど。
キャラごとにそれぞれ得意不得意な作業が設定されており、作った施設をイイカンジに利用してくれます。
これがもう見ているだけで楽しい。
動線を考えながら施設を建築し、意図通りに住民が動いてくれると「そうそう!そういう風に使ってほしかったのよ!」と感動すること請け合い。
“A列車で行こう” や “テーマパーク” なんかと似た快感ですね。
たっぷり遊べる体験版
メインストーリー全体のおよそ1/4ほど遊べてしまう無料体験版が配布されています。
FFTで言えばアルガスが死ぬところまでであり、真女神転生で言えばトールマンが東京にICBMを落とす辺りまでです。
いよっ、太っ腹。
当然、体験版で進めたセーブデータを製品版に引き継ぐ事も可能。
マルチプレイ対応
私はやっていませんが、お友達と同じMAPで同時に建築が出来るらしいです。凄いねー。
素材の管理とかどうするんですかね?ホストのものを使うのかそれとも各自のものを使うのか。技術的な事を考えたら前者でしょうか。
ここが残念 ドラクエビルダーズ2
- 所持品数制限は緩和されたがそれでもアイテム多すぎで溢れる
- そざい島が無駄に広すぎ
- 色々施設を作っても優先順位の高いものしか使われなくなる
- 主人公のキャラが薄い
アイテム多すぎ問題
ドラクエシリーズ恒例の “ふくろ” が存在しており、持ちきれないアイテムは自動的に袋に入ります。
袋の容量はかなり大きいので余裕があると思いきや、後半になるともうカツッカツのパツッパツ。
いちいち使わないであろうアイテムを別の収納箱に入れたりその辺に投棄したりしないとにっちもさっちもいかなくなります。
メニュー画面からアイテムを選択して削除する事も可能なのですがテンポが悪くなかなか面倒。
壁やら屋根やらの種類が鬼のように増えており、もちろん建築ガチ勢にとってはそれは良い事なのでしょうけど。難しいところですね。
そざい島広すぎ問題
メインストーリー攻略上は必ずしも訪れる必要はない、素材を集める事に特化した “そざい島” というマップが9種類ほどあります。
コンセプトは分かります。が、しかしこのそざい島がまーーーーー広い。
ぐるっと島を一周しようとすると1時間近くかかることも。
なんだってこんなに広くしたの。半分の広さでも充分だと思うのですけど。
山彦の笛で未発見素材の場所が分かるという仕様に気付くまでは本当に苦痛でした。
しかもBGM無し。無音。意味不明。
せめて歴代のフィールド曲をランダムに流しておけば良かったのでは…?
色々施設を作っても優先順位の高いものしか使われなくなる
シャワー室とお風呂と温泉と別々に作ってみたのですが、みんな温泉に入りたがって行列を作り「順番はまだか!」とかほざきやがります。お風呂もシャワーも空いてるよ!
で、並んだ挙句に時間切れで入浴せずバーで飲みだしたり。これが話題の風呂キャンセル界隈ってやつですか。
バーセットをいくつか置いても特定の場所のバーセットでしか仕事をしなかったり等、優先順位によってカッチリ行動が決まっている感があります。
優先順位はあって然るべきですが、もう少しランダム性を持たせてあげても良かったかもしれません。
主人公のキャラが薄い
「ドラクエ主人公のキャラは立っているべきか」については議論の余地がありますが、それはさておき前作主人公と比べて本作主人公は何も考えていないように感じました。自分が無いというか。
前作主人公が意外とアツくて我が強いとも言えますけど。
動画
オープニングから適当なところまで。
ラスボス戦からエンディングまで。
総評
面白かったは面白かったですが、前作の方が性に合っているかなぁ。
ストーリーや世界観を楽しむドラクエ成分と建築を楽しむマイクラ成分とがあるとして、前作はドラクエ8:マイクラ2といったところですが、本作はドラクエ4:マイクラ6ってな感じ。
私、センスが無いので建築部分にそこまでハマりきれないのですよね。
凄い人だとこんなものまで作ってしまうそうです。
ストーリーも前作はドラクエ1をベースに「おぉ…っ」と唸る展開が見られますが、本作はオリジナル味が強いです。(それがまた本作の伏線になっていたりもしますが)
とは言え客観的に見た場合、ゲームとして優れているのは本作だと思います。よくぞここまでシステム面をブラッシュアップしたなと。
総評は「ドラクエを知っていても知らなくても楽しめる、ゆるふわ愛され箱庭建築アクションゲー」です。
前作ドラクエビルダーズ1のレビュー記事はこちらです。
本作のトロフィーコンプリートガイドはこちらです。