レトロゲーマーがPS4版ライブアライブリマスターをトロコンしてレビュー

たまゆら

レベル10台で全クリ出来るRPG

FF1-6ピクセルリマスターの一週間後という発売日スケジュールで慌しかったですが、ライブアライブリマスターもようやくトロコンしたので紹介記事を投稿したいと思います。

FFが2023年4月20日でライブアライブが4月27日とかどんな嫌がらせですか。ユーザ層だって被っているでしょうにまったくもう。

もちろんPS4版も出してくれた事自体はとても嬉しかったですけども。

本記事は基本的にネタバレ無しですが、文末にネタバレ含む戯言も書いています。

目次

ライブアライブとは

1994年9月2日にスクウェアより発売されたRPGです。

このたび満を持してHD-2D & フルボイスリマスターがPS4/PS5/Switch/Steamで発売されました。

リマスターというよりリメイク寄りでしょうか。

なんか凄い綺麗になってるしなんか凄い喋るの。なんか凄い。

なんか凄い綺麗になっているオインコ様

原作発売当時はFF6(1994年2月発売)とクロノトリガー(1995年3月発売)というモンスタータイトルに挟まれ、天下のスクウェア作品にも関わらず売り上げは30万本弱にとどまってしまいましたが、根強いファンを持つ意欲作です。

ちなみにFF6は250万本↑、クロノトリガーは200万本↑売れているそうです。バケモノかよ。全盛期の浜崎あゆみかよ。

ゲームシステムはオムニバス形式で7人の主人公から一人ずつ選び、毛色(というかゲームシステムそのもの)が全く異なるシナリオを順不同でクリアしていきます。

戦闘が全く無いシナリオ、戦闘しかないシナリオ、普通のRPGっぽいシナリオ、とにかく色々あります。

各シナリオのキャラクターは当時の有名漫画家がデザインを手掛けたという事でも有名。

そしてラストには各主人公が一堂に会するというアツい展開に。

また未プレイの方でももしかしたら見た事があるかもしれない名台詞がこれでもかと繰り出されます。あの世で俺に詫び続けろ、通りすがりのたい焼き屋サンよ、心じゃよ、それは気の毒に、etcetc…え?知らない?義務教育ですよ?

名台詞(?)のオンパレード

やり込み要素や隠し要素がてんこ盛りなのも特徴的で、正直今の時代にはそぐわないですが(同じキャラに100回話しかけろとか)、当時はそんな無茶苦茶な隠し要素も仲間内のコミュニケーションの一つとして立派に役目を果たしていました。

キングマンモーとか岩間さまとか皆知ってたもんなぁ。

ファミ通も電撃もマル勝も頑張っていました。マル勝は当時もう死んでたかも。

そして何よりもBGMがあの下村陽子氏というのが素晴らしいですね。

え?下村女史を知らないですって?

スト2の曲作っている人ですよ。ほら神でしょう。

フロントミッションの曲を作った事でも有名ですし、個人的にはFF15と聖剣LOMでも大変お世話になりました。

特に聖剣LOMはヤベェ。ドミナの町からもうヤベェですしPain the Universeは言うまでもなく、ロアもジオもポルポタもガトもヤベェ。スト2の曲もほんともう「それしかない」ってくらいハマってますもんねぇ…

閑話休題。

ライブアライブのボス戦BGM「MEGALOMANIA」はライブアライブをやった事ない人でもこの記事を読んでいる人であれば一度は耳にしているのではないでしょうか。

凄い漫画家と凄い作曲家が協力して凄いゲームメーカー(当時)から発売されたゲーム、それがライブアライブです。面白いに決まっとるがな。(当時)

ライブアライブリマスターの変更点

  • オートセーブ
  • HD-2Dでクッソ綺麗なグラフィック
  • 主要キャラほぼフルボイス
  • 目的地レーダー付きのマップ
  • 敵の耐性が丸見えで技の属性や効果も説明有り
  • 敵味方の行動ゲージ表示
  • ステータス細分化
  • 各技性能の調整
  • その他諸々細かい点を親切な方向に修正
  • トゥルーエンド追加

(良くも悪くも)基本的に追加シナリオや追加要素といったものは無く、単純に綺麗になって親切になって今風になって遊びやすくなっています。

しかしHD-2Dという技術は凄まじいですね。初体験でしたがその美しさにはちょっと感動してしまいました。

皆のトラウマ ベヒーモスくんも迫力アップ

豪華声優をこれでもかと使っているのもビビる。高原がドモンの人だったり、マッドドッグがカイさんとかピッコロさんの人だったり、サンダウンがスネークの人だったり、他作品をパロっているような人選もクスッとしてしまいます。

プレイング的には敵の耐性/技の属性表示と行動ゲージの表示により、原作と比較して戦略的に戦う事が出来るようになりました。それでもかなり大雑把な戦闘システムではありますけど。

知力25も名前は変わっているものの健在

唯一とも言えるシナリオ上の大きな追加点が、最終編で全てのキャラを仲間にしてラスボス戦でトドメを刺さないと辿り着くトゥルーエンド(?)です。

とは言っても話の大筋が劇的に変わるようなエンディングではありませんが、やはりこういうのは嬉しいですね。

ここが残念ライブアライブ

あくまで、当時原作に激ハマりして今回懐かしみながら楽しんだ私の個人的な感想です。

  • ボリューム不足
  • ゲームシステムが単調
  • バトルシステムも単調

攻略サイト等は見ていませんが当時の記憶はおぼろげに残っているという状態で、全クリまで23時間、トロコンまで26時間でした。

うーん、まぁそんなもんですよねぇ。元々ボリュームのあるゲームではありませんし。

改めてプレイしてみるとショップという概念が無く(そもそもお金が無い)、ジョブやアビリティといった育成・カスタマイズ要素も無く、MP的な要素も無く、戦闘後には全回復もするため、ただただ「目的地に向かいながら道中の雑魚は強い技を使って倒す」を繰り返しているだけに感じてしまいました。

なんというかプレイヤーの介入する余地が少ないのですよね。強くなる方法がレベル上げと宝箱から手に入る装備と敵からDROPする装備しか無い。お金や回復アイテムやMPといったリソース管理すら無い。

上級者であれば戦術によって低レベルクリア等のやり込みも楽しめるかもしれませんが、普通にクリア普通にトロコンする分には本当にレベルを上げて物理で殴るだけ。ほぼほぼレイを先頭にして画竜天聖ぶっ放すだけ。

古いゲームですから仕方ない部分ではあります。当時はそれでも斬新で革新的で楽しかったのは間違いありません。しかし今プレイしてみると随分ザックリとしたゲームだなぁと感じてしまいました。

ライブアライブの魅力はストーリー(とセリフとノリ)にあると言っても過言ではありませんので、バトルはこれくらいシンプルな方がええんやでという意見も理解は出来ますが。

動画

ラスボス戦〜追加されたトゥルーエンド(途中まで)です。

当然ネタバレしかないのでプレイする気のある方は避けていただいて。

セントアリシアの絶叫やっば。

総評・所感

私は事前購入割引で6,000円で購入しましたが、定価は7,500円です。

追加要素がほぼ無い割にはちょーーーーっと高いかなぁというのが正直な感想。

私は存分に懐か楽しんだので買って後悔なぞしていませんが、初見プレイヤーに7,500円で購入を勧めるかと言ったら厳しいかなぁと言わざるを得ません。

あのスクウェアの新作RPG、あの有名漫画家とのコラボ、物珍しいバトルシステムと世界観、そして衝撃の展開と結末。これらが評価された作品ですが今となっては、ね。

当時の時代背景があってこその「伝説のRPG」だったのだなと。悲しいですが。

初見プレイヤーでもレトロゲーム好きだとか「あの世で俺に詫び続けろ」を体験してみたいだとか理由があれば買って良いと思います。

いや面白いですし皆さんにプレイしてもらいたいですよ?もう少し安ければ幅広く勧められるのですけどね…HD-2Dってお金かかるのかなぁ。もしくは声優さん豪華すぎてお金かかってる?

他作品リマスターやらリメイクやらで度々発生する劣化点は全くと言ってよいほど無いので、既プレイヤーでライブアライブ好きの方は安心して遊べます。

ネタバレ含む戯言

中世編、オルステッド以外主人公の最終編、オルステッド主人公の最終編、この3パターンの地図があるのですがこれがなかなか素晴らしかったです。

中世編の地図
最終編の地図
オルステッドの地図

闇堕ちしたオルステッドが人間を滅ぼして地図をぐちゃぐちゃに塗り潰すという狂気が素敵に表現されています。好き。

しかしこうやって地図を見ると、城と村と森と山が2つあるだけのクッソ狭い世界で魔王を名乗るとかスケールが…山一つ超えた先に存在するであろう他の町の人間は普通に元気に暮らしているのでしょうか。

改めてプレイしてみると、ストレイボウは魔王像に操られていた風味な演出が強調されている?と感じました。

操られていたというか魔王像によって憎しみが増幅された的な。

なんならスクウェア三大悪女として名高いアリシアさんも、負の感情(なんでオルステッド助けに来ないん?)を増幅・操作させられてあんな行動を取ってしまったのかもしれません。

実は2人も被害者なのかもしれませんね。

しかしそうすると、魔王像(魔王山)って一体なんなの?誰が何の目的で作ったの?真の黒幕は?というのが気になります。

また、「一連の流れは魔王像のせい説」が通ってしまうと、最後までアピールしていた「人間は誰しも魔王になり得るのだ」という「人間の持つ憎しみという感情の恐ろしさ」が途端に影を潜めてしまいます。少なからず魔王像につけ込まれてしまった憎しみの感情が根底にあったとは言えインパクトに欠けるかと。

あの世で俺に詫び続けろはストレイボウの素だったのか、はたまた魔王像の影響が大きかったのか、どちらが好きでしょうか。

私は前者の方が物語としては好きかなぁ。

アリシアを攫い、助けに来た人間の憎しみの感情を増幅させて魔王に仕立て上げ、そして人間を滅ぼさせる事を目的とした真の黒幕がもしいるのだとしたら戦ってみたかったなぁ。

あれ?追加されたトゥルーエンドのラストバトルってまさにそういう事?

トロフィーコンプリートガイド記事はこちらです。

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