そんなゲームで大丈夫か?
笑ってしまうくらいメガテンみたいなゲームを見つけたので報告させていただきます。
どれくらいメガテンかというと、デビルサマナーをやり込んだ妻が「メガテン買ったの?」と聞いてくるくらいにはメガテン。
定価6,380円のところPSセールで85%オフの957円也。
GEOオンラインの中古が600円くらいで楽天だと1,200円くらいでしたね。(2023年9月時点)
ディスク入れ替えやパッケージ保管のコストを考えれば300円くらい高くてもまぁ、という事でDL版を購入しました。
本編クリアまで70時間弱、クリア後の全100階にも及ぶ追加ダンジョンも楽しみきりましたのでレビューです。
The Lost Childとは
2017年8月26日に角川ゲームスより発売、対応機種はPS4 / Vitaのみ。
ジャンルは「神話構想RPG」と銘打っていますが、要は昔の女神転生やらウィザードリィやらと同じ3DダンジョンRPGです。
ついでに敵は神話に登場する神様や悪魔で、ついでについでに出てくる敵はみんな仲間に出来ます。
メガテンの新作と言われて騙されない人はいないでしょう。
経緯までは調べていないのですが、きっとアトラスに許可を取っているのでしょうね。
それとも3Dダンジョンも神話モチーフも敵が仲間になるのも普遍的なものだから問題ないのか…?
RPGでHP/MP制度を取り扱うのにいちいちスクエニに許可取らないのと一緒?いやドラクエが日本で最初のHP/MPを取り扱ったRPGかどうかは知りませんが。
そして2010年ネット流行語大賞1位に輝いた「そんな装備で大丈夫か?」で有名なエルシャダイと同じ世界観というのですから驚きです。
直接的な続編というわけではないですが、イーノックやルシフェルといったエルシャダイのメインキャラクターが割と重要なポジションで登場します。
とは言ってもエルシャダイ未プレイでも着いていけます。私も未プレイでしたが大丈夫だ、問題ない。
The Lost Childのシステム
最新のメガテンはやっていないのですが(Switch持っていないので)、私の知っているメガテンと同じところ・違うところを挙げてみます。
- 東京が舞台
- 3Dダンジョン
- オートマッピングあり
- オートパイロットあり
- 敵が神話の神様や悪魔
- ほぼ全ての敵を仲間に出来る
- 主人公(とパートナー)レベルアップ時は任意のパラメータにボーナス割り振り
- 主人公が剣と銃で戦う & 魔法は使えない
- 主人公が死ぬと全滅扱い
- 戦闘中にランダムでスキルを閃く
- 仲間同士でスキルの受け渡しが出来る
- 経験値はパーティ共有で取得、後から任意の仲間に振り分ける
- ある程度の強さを引き継ぎながら仲間のレベルを1に戻す事が可能
- ヘイト(敵からの狙われやすさ)を確認・調整可能
- 入手装備にランダムで付加価値が付くトレジャーハント要素
- 各キャラは火水雷風木のいずれかに属し、各属性間で相性あり
- 全滅してもお金か経験値を払って復帰可能
- 仲間の合体は無し
- 敵との会話は無し
- マグネタイト制度は無し
- 核は落ちてこない
こう並べてみると結構違う…?(プリンパ)
ロマサガよろしく戦闘中にランダムでスキルを閃くのが一番の違いでしょうか。これがまた気持ちいいのです。
これに加えて仲間Aのスキルを仲間Bに移譲するというシステムもあるので、閃きと移譲で好きな仲間を好きなようにカスタマイズする事が可能になっています。楽しい。
また経験値はパーティ共有で獲得して好きなように振り分けられるので、ザコ狩りに向かないサポーターやヒーラーのレベル上げが楽なのも良いですね。
属性システムがあるので、スタメンだけを鍛えればOKというわけにもいかない=様々な仲間を育てる必要がある=様々な仲間に活躍の機会があるというのも私の好みでした。戦闘中にターン消費無しノーコストでいくらでもメンバーを入れ替えられるのも◎。
逆に、ある程度の強さを引き継ぎながらレベルを1に戻す機能もあるので、お気に入りの仲間をとことん強化するという楽しみ方も出来ます。
The Lost Childのストーリー
主人公はオカルト雑誌の記者。
ひょんな事から天界と魔界の抗争に巻き込まれ、なんだかよく分からないまま人間界を救う事になるというお話です。
あんまり覚えていないですけど合っていると思います。
ストーリーは、まぁ、うん、別に期待していないというか、ダンジョン潜っている時間が9割ですからどうでもよくなってくるというか。
悪くはなかったと思いますよ。
登場人物紹介
伊吹 隼人
選択肢でしか喋らない系主人公であり、戦闘中は死なないように防御するのが仕事系主人公。
選択肢によってキャラ崩壊しがち。
ルア
主人公のパートナー。いわゆるユミコ的なレイ・レイホゥ的な。
戦闘中には攻撃を外した仲間を徹底的に非難しますが自分もしょっちゅう外す困ったちゃん。
猿谷編集長
主人公の上司。
ストーリー的には重要ポジションですがゲームシステム的には役割無し。
番場店長
拾った未鑑定アイテムを鑑定してくれるお店の担当者。
悪魔合体しそうな鼻をしていますが残念ながら出来ません。
淡島ががち
ダンジョン探索に有利な効果が発生するお風呂屋さん(意味深)の担当者。
主人公のレベルが上がると入浴料(意味深)も上がる。
段田リオン
いわゆる普通のアイテムショップの担当者。
スタンプカードにスタンプを押す事が生き甲斐。
電脳和尚
仲間の進化やスキル移譲やレベル初期化などを取り扱う、邪教の館というかベルベットルームというか業魔殿的な場所の担当者。
Whoて。
キザイア
全滅した際に救済してくれるカロン的な人。
イケメン好きおばあちゃん。
登場悪魔も少しだけ紹介
数えるのが面倒なほど多くの神や悪魔が仲間になります。
ほんの少しだけどうぞ。
しかしこのイラストを見ていると悪魔の解釈って人それぞれなんだなぁと思わされます。
ケルベロスの “3つの頭” ってそういう事…?だんご3兄弟かな?
ここが凄いぞ The Lost Child
上記システムの項で触れた通り、本作ならではの仲間育成関連やスキル閃きはよく出来ていると思います。
自分のこだわりのキャラメイク、こだわりのパーティメイクが出来るのは良ゲー。
それ以外ですとダンジョンのギミックがなかなか凝っていて良きですね。
落とし穴、ダークゾーン、ワープ、一方通行、スイッチ、ダメージ床、回転床といった基本的な要素は押さえており、さらにエンドコンテンツの100階層ダンジョンでは1階ごとに特徴的な謎解きやギミックが用意されています。
ただの運ゲーでしかない階や落とし穴総当たりとかいう理不尽極まる階もありますが、100階分もギミックを考えたのは素直に凄い。
ミニマップだけ見ながら横歩きと後ろ歩きで進んでいると気付かない仕掛けとかもあって面白いと思いました。
ここが残念 The Lost Child
- 全体的にUIがお粗末
- キーレスポンスがもっさり
- 落とし穴とロードの相性が悪い
- BGMがイマイチ
- 音量のバランスがめちゃくちゃ(コンフィグで調整可能)
- 現段階でクリア出来ないサブクエストが受注出来てしまう
全体的にUIがお粗末
お粗末というか気が利いていないというか痒いところに手が届いていないというか。
ショップでの売買、アイテム管理、パーティ編成等々、何度も繰り返す操作に快適さがありません。
アイテム売ります→何個売ります→本当にいいですか?(デフォルトはNOにカーソル)、何百回何千回と繰り返す操作なのにこれはいただけない。しかもスタンプスタンプうるさい
個数指定も例えば同じアイテムを99個持っていて1個売りたいとしたら左キーを押し続けて1にしないといけません。右キーで1にはならない。
鬼のようにドロップする未鑑定アイテムを鑑定する時も一個ずつ。本当に鑑定しますか?(デフォルトNO)って、鑑定するがな。全部鑑定するに決まっとるがな。
パーティ編成時や仲間スキルを弄る時も同様で、大量の仲間が縦に並んでいるのに一番上で上キーを押しても一番下に飛ばない。ソート機能はありますが肝心の属性ソートや種族ソートは無く、またソート種類は一度画面を閉じるとデフォルトに戻るという始末。
仲間の強化にはパーティ共有の経験値を振る必要がありますが、これがドチャクソ時間かかるのもキツイ。レベル1ずつしか上がらないので、1から99まで上げようとしたら虚空を見つめながら決定ボタンを押し続ける必要があります。
戦闘では決定ボタン押しっぱなしでコマンド選択は可能ですが、戦闘リザルト画面やドロップ宝箱を開ける場面では押しっぱなしが効かないので連打が必要ですし、そもそもこういうゲームは左手だけで狩りが出来るように決定ボタンはL1かL2にも振ってほしいのにそれも無い。
で、全体的にボタンを押した時の反応が微妙に遅いのも追いストレスとなります。
細かい事をゴチャゴチャとめんどくせーやつだなと思われるかもしれませんが、ダンジョンRPGはパーティ編成とアイテム管理が楽しいゲームだと思っていますので決して手を抜いてはいけない部分ではないでしょうか。
落とし穴とロードの相性が悪い
ロード自体はダンジョン突入時とダンジョン内でフロアが変わった時くらいしかありませんので優秀と言えます。
敵エンカウント時や撃破時には挟まりませんので普段はノンストレス。
なのですが、落とし穴満載のダンジョンだと事情が変わります。
落とし穴に落ちる(ロード)→階段で元の階に戻る(ロード)→次の落とし穴に落ちる(ロード)の繰り返し。
SSD化したPS4でも5秒以上のロード時間になるので、落とし穴に落ちながら正解の道を見つけるようなギミックのダンジョンは地獄です。
そもそもノーヒントで落とし穴ではない道を見つけるってギミックとして面白くもなんともないというのも辛い。
BGMがイマイチ
感性によるものなので賛否両論かもしれませんが、かもしれませんが、かもしれませんが、一般的にイケてるとは到底思えません。
戦闘BGMは盛り上がりに欠けますし、ダンジョン内BGMも耳に残らない。
戦闘BGMなんて “雑魚戦” と “ボス戦” の2種類しか無いような…?令和やぞ。
そしてダンジョンによっては無音の場所も。
ダンジョン探索している時間が一番長いのに無音ってもはや不具合では。
現時点でクリア出来ないサブクエストが受注出来てしまう
「過去にクリアしたダンジョンで何か事件があるみたいよ!」的なサブクエストが色々と受注出来るのですが、受注した段階では何も起きないという事がままあります。
すっごい探し回って何も起きなくて諦めて、結局メインストーリーを進めたらフラグ立ってクリア出来るようになるとか、なんでこんな事になってるの?嫌がらせなの?
メインストーリーが進んだらクリア出来なくなるかも…と思ったら受注した段階で探し回るのがゲーマーのサガじゃないですか。
ゲームバランス的な不満は?
ゲームバランスの話をすると終盤までMP回復方法がほとんど無いとか、攻撃ミスしすぎとかありますが、上記システム周りに比べたら些細なものです。
MP回復はわざと倒されて再召喚する、攻撃ミスはレベルが足りていないかクリティカル率を上げてカバーと、プレイしていれば対処方法も分かってきますし。
あ、でも味方シヴァがあんまり強くないのは不満かも。なお敵に回すと全体大ダメージ+状態異常付与技でフルボッコにされる模様。
ゲームバランスとは関係ないですが、血のついた一般人の伏線が全く回収されないのはビックリ。
オープニングで出てくるこの子は飛び込み自殺者の返り血なのかと思いましたがストーリーが進んでもずっと血塗れだし。
というか返り血浴びてこんな平然と喋っていたら怖すぎるので返り血ではないのでしょうね。なんだったんだこれ。ラーメン食べるのが下手くそなのか。
動画
ラスボス戦からエンディングまで含んでいますので気にならない方はどうぞ。
お次は裏ダンジョンのルルイエロード100階到達ボス戦&イベント動画です。
本編クリアしたけど100階踏破はめんどいという方はどうぞ。
トロフィーについて
すみません、久し振りに諦めました。
諦めるのいつ振りかなぁ、龍が如くのカジノ系以来かも。
トロフィー未取得なのが “全アイテム入手” と “全スキル習得” の2つ。
アイテムは500種類以上あるようで、敵からのランダムドロップを待つだけです。この敵はこのアイテムを落とす、というような決まりはほとんど無いです。最後の一個を狙うのを想像しただけで吐き気が。
スキルの方もかなりの量があって、ある程度閃きやすいキャラの傾向等はあるようですが基本的には運任せの閃き待ちです。
本編クリア+追加ダンジョン100階クリア時点でアイテムコンプ率もスキルコンプ率も70%ちょい。
そこから半日かけて白目で狩りをしてみましたがどちらも80%に到達したところで諦めました。
残り少なくなればなるほど加速度的に埋まらなくなっていくのは目に見えていますし。
ところで私のプレイしたゲームの中では難易度的にも虚無度的にもかなりトロコンがキツいゲームですが、異様にトロコン率が高いです。なんと16%ですって。
他のゲームのトロコン率はというと、たとえば真女神転生3は2%、ミンサガは5%、ニーアオートマタは8%、LIVE A LIVEは15%とか。
コアなゲーマーしか手を出さないジャンルのゲームだとは思いますがそれにしたって16%は異常。盛ってなぁい?
16%じゃなくて16人って言われた方がまだ納得出来るくらい。
ちなみにトロコンを目指す方は、難易度HELLでルルイエ10Fのケットシーモチーフを殴り続けてスキル閃き、ルルイエ98Fで延々と雑魚狩りしてアイテム収集が効率的だと思います。
所感
メガテンとサガを悪魔合体させて半分事故ったようなゲームで大変楽しめました。
こんなゲームがあったのですねぇ。隠れ良ゲー。
もっと話題になっても良さそうなものですが、タイトルが悪いような…クリアしても結局 Lost Child の意味は分からなかったですし。ロマンシング転生にでもしとき。
ビジュアル面、BGM面、UI面、ゲームバランス面、どれを取っても同人ゲーム臭が漂っていますが育成システムには光るものを感じます。
古き良きメガテンライクなダンジョンRPGをお求めであれば満足出来る可能性が高いでしょう。
3DダンジョンRPG昔好きだったなぁという人には特にオススメです。
なにせ1,000円前後ですからね、本編クリアまででも十分元が取れるかと。
あ、定価だったらナシです。
同メーカーのFFTっぽいゲーム「GOD WARS」もイイカンジなので、よろしければレビュー記事をどうぞ。