野球のキャッチボールも会話のキャッチボールも苦手おじさん
小学4年生の息子が近所の少年野球部に参加して3ヶ月ほどが経ちました。
自発的に野球がやりたいと申し出て来たので快諾。
ハハハこやつめ立派になりおって。
で、本人は楽しそうに活動に参加しているのですが……親が、特に妻が参ってしまっています。
少年野球の実体験談
少年野球と言えば遠征の車送迎とグラウンド当番(いわゆるお茶当番)。
サッカー少年だった私でもそれくらい知っています。
車送迎というのは、有志の親御さんが車を出して複数の子供を遠征先まで乗せて行くというものです。毎週小学校のグラウンドで練習や試合をしてくれれば良いのですが他の部活も使うためそういうわけにも行かず、ほとんどが車で他所のグラウンドまで出掛けています。
グラウンド当番は練習や試合を見守りながら雑用ですね。
その他スコアラー等も保護者が担当します。
我が家には車がありません。
加えて妻は今年から正社員で働き始めて土日はグッタリ。
そして私も妻も他人との付き合いが苦手です。
苦手というか嫌い。
人並みの人付き合いをしようと思えば出来るけど嫌い。
一生家にいさせてくれや。
引き篭もって誰とも関わらずゲームだけしていたい夫婦。
なので、入部前の体験会時に監督やボス母親みたいな人に何度も確認しました。
「車が無いので車送迎は出来ないし忙しいので頻繁にグラウンドに顔を出す事も出来ないですがそれでもいいですか?」
「そういう家庭はたくさんありますしやれる人がやるので全然大丈夫ですよー!」
ええ、何度も確認しました。
それならと入部したのですが、実際にはまぁプレッシャーが凄い凄い。
とにかくグラウンドに顔を出せと。
子供のためにグラウンドに来いと。
グラウンドに来て野球のルールを覚えろ、スコアの付け方を覚えろと。
いや、車無いのですけど自転車で来いと?
私は「ほーん。でも忙しいから行けねえわ、すまんこすまんこ」と鼻をほじりながら軽く流せる性格なのですが、私よりも真面目でかつ私よりも人付き合いの苦手な妻はもう本気で参ってしまっています。
軽く病んでしまっています。
家庭内の空気が不穏です。
挙句、ついこの前の日曜の夜に役員決めの父母会が開かれ、全家庭出席して全家庭でそれぞれ担当係を決める事に。
やれる人がやるとは一体。
皆さんノリノリで、ザ・田舎の人付き合いって感じ。
楽しそうで良かったですね。
というか日曜の夜に集まらせんなや。
おいそこのおっさん、バーベキューとか企画しようとすんなや。
我が家の担当は、毎週の配車係になりました。
土曜日に車を出せる人、土曜日に参加する部員、それぞれがLINEで個別に連絡して来るのでそれを取りまとめ、誰が誰の車に乗って移動するのか、帰りはどうするのかを決めて全員に返信します。
連絡をし忘れている人にはフォローを入れる必要もあるでしょうし、車が足りなければ車を出してくれる人を募る必要もあるでしょう。
誰の車は何人乗れるとか、誰と誰が近所とか、そういう事も把握する必要があります。
これらを土曜日分だけではなく日曜日の分もやります。
1年間、毎週2日分です。
毎週軽く2,3時間は取られるでしょうし、脳内リソースも割かねばなりません。
これに加えてグラウンドには顔を出せ出せ攻撃です。
たまゆらの正直しんどい。
ちなみにスコアラー担当の親御さんは全試合の全選手分の全打席成績をパソコンで管理するそうです。ボランティアで。ドン引き。
少年野球の抱える問題
グラウンドに立ち会う大人が必要なのは分かります。
子供に何かあったら対応する大人がいないといけませんからね。
監督やコーチがボランティアで頑張っているのだから少しくらい協力しろという言い分も分かります。
無償で土日潰して野球のコーチとかほんと凄いっすわ。冗談抜きで尊敬します。
しかしそれとこれとは別。
やれる人がやる、やりたい人がやる、それがボランティアではないのですか。
だから最初に確認したじゃないですか。何も出来ないけど入部していいかって。
それでもいいって言ったじゃないですか。
後からギャーギャー言うならもうお金払うから放っておいてくれ。
子供に野球だけやらせてやってくれ。
「そんな都合のいい話があるか」と言うのであれば最初にそう言ってくれ。
親がグラウンドに行かなかったら子供が虐められそうで怖いわ。
大体さぁ、「子供が喜ぶからグラウンドに顔を出した方がいいですよ」とか知らんがなですよ。
うちの教育方針の問題です。
自分の事は自分でやる、君の人生は君のもの、それがたまゆら家家訓です。
小学校低学年ならまだしも、4年生であれば立派な人格を持った立派な人間です。
親が練習を見に行ったって子供のためになんかなりませんよ。
親の見ていないところでこそ社会性や自立心が育まれるのではないでしょうか。
これは私がグラウンドに行くのが面倒だからというわけではなく。いや真面目に。
どうせ「私が頑張ってグラウンド行ってるんだからあんたも来なさいよ」という非生産的かつ非論理的な思考なのでしょう。
同じ日に大人が何人もいたって仕方ないじゃないですか。
もうほんと群れるのが好きな人とか皆一緒じゃないと不公平とか言い出す人っていますよね。
グラウンドに行く事が仕事として必要であり、かつ当番制で回しているというのであれば、それはもちろん仕事としてこなします。
必要な事であれば対応しますよ(最初に言って欲しかったですけど)。
そうではなく「あなたの子供のために来た方がいいよ」とかいう善意紛いなフワフワしたものを盾にした押し付けをしてくるのが嫌になっちゃう。
よくそんなに人に踏み込んで来れますよね。赤の他人なのに。
よそはよそ、うちはうちって言われなかったの?
練習を見に行かなくったって私は息子の事を愛していますし、息子の健やかな成長のために行動しています。
あとさ、本当にその仕事必要?って係がちらほら。
用意された係の数と家庭数がピッタリですけど、まさかわざわざ全家庭に係が行き渡るように調整してきたの?
冗談でしょ?
くっっっっだらね。
あー、何の話でしたっけ。
少年野球の問題でしたね。
私が感じた事としては、係の仕事もめんどくせぇし人付き合いもめんどくせぇ、です。
もちろんチームによって違うのでしょうが、私が調べた限りでは多かれ少なかれ避けては通れない問題のようです。
ダルビッシュ選手や筒香選手も、この保護者の負担が課題となって野球の普及が進まないと苦言を呈していました。
ほんとそれ。
こういった活動や人付き合いが好きな家庭は良いですが、ストレスに感じる家庭は野球をやる資格が無いというのでしょうか。
野球やるのってハードルむっちゃ高いですね。
野球普及のハードルになってしまっている問題の解決策としては、ちゃんと仕事として給料を貰っている監督コーチスタッフが運営する野球チームを増やす事でしょうか。
月謝は高くなりますが、親の負担は無し。
今のご時世そういった方向性の方が受け入れられると思います。
とは言ってももう既に野球自体も下火になり、今更事業として乗り出す企業は増えないでしょうが。チーン