トイレットペーパーでお尻は守れても人間の尊厳は守れない

 

2020年1月から世界中で大流行している新型コロナウイルス感染症。

この影響を受けて、日本国内ではマスクが不足しています。

そしてトイレットペッパーやティッシュペーパー、オムツや生理用品、果ては食料まで店から消えかけています。

…は?

 

目次

マスクが足りない

マスクの7割~8割が中国産です。

現在中国が機能していないため、供給が追い付いていない状況です。

政府は月6億枚生産を掲げていますが、本当に月に6億枚生産出来たとしても人口1億人ですから足りません。

私は重度の花粉症であり、また風邪予防のためにも夏以外は大抵マスクをしています。

そのためコロナ騒動が始まる前からマスクの在庫は大量にあるのですが、在庫が無い方は本当に大変だと思います。

 

マスクを付けていないだけで白い目で見てくる人もいます。

売っていないものは仕方ないじゃないですか。

マスクをせずに少し咳をしただけで、喧嘩を始める人もいるそうです。

日本の民度がやばい。

もう少し心に余裕を持ちたいものです。

 

ちなみに最近の研究結果では、マスクはコロナウイルスの予防効果は無いという話もあります。

マスクは相手に移さないためのものであると。

(湿度が高くなるのでそういう意味では効果があるかもしれませんが)

 

何故かトイレットペーパーが無い

トイレットペーパーは98%が国産です。

トイレットペーパーの生産に中国は関係ありませんので、日本の工場が閉鎖しない限り不足する事はありません。

ちなみにトイレットペーパーの1人当たりの平均消費量は一月で4ロール。

対して生産量は一月で一人当たり6ロール分あります。

物凄くお腹の調子が悪くて普段の2倍消費する人が3千万人いても間に合います。

 

なのに今、トイレットペーパーまで売っていません。

「トイレットペーパーとマスクが同じ原料だからトイレットペーパーも足りなくなる」というデマが流れ、それを信じた人が大量買いに走ったためです。

ちなみに現在店頭に無いですが、トラック数に限界があり配送が間に合わないだけで工場には大量にあります。

来週には店頭に戻るとの事。

 

ティッシュペーパーも9割が国産。

オムツや生理用品も在庫は十分。

なのに店頭には無い。

酷い話です。

 

囚人のジレンマに囚われる人々

マスクが無いのは仕方ありません。

生産が追い付いていない状況だからです。

さすがに「おひとりさま一点まで」も浸透してきて買い占めも出来ない状況ですしね。

しかしトイレットペーパーだのティッシュペーパーだのまで無いのはどうかと思います。

花粉症の私からしたら死活問題です。

 

会社帰りの電車内、大量のトイレットペーパーを抱えた年配者を同車両で4人も見かけました。

駅の売店では売っているポケットティッシュを全て購入している高齢者も見かけました。

翌日同じ売店を見たらずらーっとポケットティッシュ並んでいましたけど。

 

どこから情報(デマ)を仕入れたのか、1973年のオイルショックで紙類が無くなった記憶から、年配者がメインに、手あたり次第目につく物を大量買いしているようです。

「自分さえ良ければいい」、「これは賢い行動だ」とさえ思っている節があります。

醜いとしか言いようがありません。

会社の尊敬する60代の先輩も、「トイレットペーパー無くなりそうって聞いたから慌てて奥さんに電話してたくさん買っといてもらったよー、あはは」なんて悪びれる素振りもなく話していました。

そりゃあ知らない人がトイレで困ろうが知ったこっちゃないでしょう。

分かりますよ。

分かりますけど、自分で自分の首を締めているという事も分かってほしいものです。

 

こういうのを「囚人のジレンマ」といいます。

「お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマである」

まんまこの通りですね。

(心理学者って凄いねー、と思ったら提唱したのは数学者でした)

 

転売ヤー死すべし慈悲はない

囚人問題に加えて転売ヤー問題もあります。

買い占めて品薄にさせ、メルカリやヤフオクで高く売るという輩です。

「トイレットペーパーが十分あるなんてデマだ!トイレットペーパーは無くなる!」と喚き散らしながら高額で出品している人までいる始末。

安く買って高く売るというのは商売の基本であり資本主義の根幹です。

ただしトイレットペーパー等の生活必需品は、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律に抵触する立派な犯罪です。

韓国ではデマを流して儲けようとした人が実際に逮捕されています。

 

こういった「自分さえ良ければいい」を地で行く転売ヤーも生活がかかっているから必死です。

もう道徳など持ち合わせていないでしょう。

日本も国として毅然とした対応をして欲しいものです。

 

デマが現実となる恐怖

在庫は十分と言われても、実際に買い占める人がいれば店頭からは一時的に消えます。

そうなってしまえば、まともな人たちも余計に買わざるを得ない状況になってしまいます。

小人閑居して不善を成す。

デマが現実となってしまっています。

日本人よ、儲けたい人たちの思惑通りに振り回されて良いのかそれで…

 

なぜ人は傲慢になるのか

日本国民であれば基本的に誰でも小学校で道徳の授業を受けます。

「相手を思いやる気持ち」を学びます。

それが汚く醜い社会に揉まれ、いつしか自分勝手で利己的な大人になってしまいます。

そんな社会を形成しているのも、元々は道徳を学んだ子供たちなわけで、脈々と続く負の連鎖です。

 

弱肉強食。

誰も助けてくれない。

自分の身は自分で守るしかない。

だから自分本位にならざるを得ない。

残念ですが生物としてはそれが正しい姿なのでしょう。

 

ただ、それでも私は尊厳を持って、クソの役にも立たないかもしれないですが、人に誇れる人生を送りたいと思っています。

トイレットペーパーでお尻は守れても人間の尊厳までは守れません。

 

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