こいつらいつも未開惑星保護条約違反してんな
2024年春の激安RPGレビュー祭 第8弾は「スターオーシャン5」です。
来ましたね、名シリーズが。
お値段なんと315円(税込)でした。
寄り道もほどほどにしつつ30時間でメインストーリークリア。短っ。
+7時間ほどで隠しダンジョンのガブリエセレスタ & イセリアクィーンも討伐したのでレビューを残しておきたいと思います。
スターオーシャン2のレビュー記事はこちら。
スターオーシャン5とは
スターオーシャンシリーズ自体はSFCで初代が発売され、
- 高い戦略性を持ったアクション要素を含む戦闘
- SFCの限界を超えた美麗なグラフィックとサウンド
- SFCなのに戦闘フルボイス
- 類まれなるやり込み要素
- 当時珍しかったSF世界観
という、様々な面で大変好評を博した名作です。
いやもうほんと当時はビックリしたものです、こんな凄いゲームが出たのかと。
初代スターオーシャンはテイルズオブファンタジアの制作チームが独立したトライエースの処女作でもあり、テイルズとはもちろんの事、同チームのヴァルキリープロファイルとも類似する点が多々あります。
そんなスターオーシャンシリーズの第5作目が本作で、2016年にPS3/PS4で発売されました。
本作の売上本数は13万本ほど。
というか初代も20万ちょっとしか売れていないそうですね。意外。
みんな大好き2も70万本くらいだとか。超意外。
ゲームシステム
基本的にはシリーズのシステムを踏襲しています。
町で仲間と交流できるプライベートアクション(PA)、様々なアイテムを作り出せるクリエイション、そしてアクション要素のある戦闘システム等々。
本作最大の特徴としては「何もかもシームレス」が挙げられます。
シンボルエンカウントからのシームレスに戦闘が開始というのは今でこそよくありますが、それに加えてイベントもシームレスに開始して終了します。
イベント中も主人公の操作やカメラ操作が可能で、デモやムービーに切り替わらないという感じ。
GTAみたいなオープンワールドゲーでよく見られる手法ですね。
ストーリー
文明のそれほど進んでいない未開惑星「フェイクリード」が舞台。
戦争が起きているこの星でいざこざに巻き込まれる主人公一行。
わちゃわちゃやっているうちに謎の宇宙船を発見、宇宙船から少女が出てきてその少女を命を懸けて保護する、というストーリーとなっております。
何を言ってるか分からんかもしれんですけど私にも分かりません。
登場人物紹介
フィデル (主人公)
フェイクリード人。
JRPGの主人公として至って普通な好青年で熱血漢。
でもあまり喋らないのでキャラが薄い印象。
ちょっと高圧的かなぁ?
あと多分ロリコンだと思うのですけど。
ミキ
フェイクリード人でフィデルの幼馴染。
当然フィデルの事が好き。だって幼馴染だもの。
それにしても顔が怖すぎる。
リリア
謎の宇宙船から現れた謎の少女。
本作は終始この子を守るゲームです。
ちなみに何故守る事になったのかは謎。
ヴィクトル
フェイクリード人で、戦争をしている国家の軍人。
真面目・丁寧・大人・親切・イケメン。
そんでもって機械オンチ。かわいい。ズルい。
フィオーレ
フェイクリード人で世界有数の術士。
肌色の部分は肌色の布ではなく、肌です。
CERO:Cの元凶。
服装については痴女というわけではなく、術を使う上でなんか理由があるそうで。
あと腐女子っ気があります。キャラ渋滞。
エマーソン
酒と女を愛しナンパに明け暮れるが、やる時はやる系のイケおじさん。
フルネームは「エマーソン・T・ケニー」で、なんとあのSO2主人公「クロード・C・ケニー」の子孫です。
髪の毛が青い事からレナが産んでいるのでしょうか。
アンヌ
エマーソンの部下で知的美女ポジ。
でも可愛いもの好きでお化けが苦手というギャップ萌え王道パターン。
ここが凄いぞ スターオーシャン5
- 背景等のグラフィックはかなり頑張っている
- 爽快感のあるド派手な戦闘
- シームレスでロードが無くストレスレスな戦闘
- パーティメンバー全員で戦うのがある意味斬新
- レベルが上がりやすく成長を実感しやすい
- 充実のライブラリ機能
爽快感のあるド派手な戦闘
戦闘は後述の問題点はあれど、基本的には操作していて爽快感があって楽しいです。
戦闘開始時・終了時にロードが無く、またレベルが上がりやすいというのも良き。
その場に敵を呼び出せるオカリナというスキルも、サブクエスト用の素材集めやレベル上げにこれまた便利。
総じてストレスレスな戦闘や育成が楽しめます。
それと戦闘に関して「いや控えメンバーも戦えや!」というのはRPGあるあるですが、パーティメンバー総勢8人が全員出撃して戦うというのも地味に凄いです。ありそうでなかった。
充実のライブラリ機能
シリーズ恒例ですが、用語図鑑、モンスター図鑑、アイテム図鑑、アイテム図鑑とコメントが充実しています。
世界観を味わうためには重要ですよね。
ここが残念 スターオーシャン5
- 戦闘バランスが大雑把
- 無茶苦茶なストーリー展開
- シームレスイベント、要る?
- ダッシュが×ボタンでカメラ操作しにくすぎる
- イベントスキップが出来ない(ボス再挑戦時にかったるい)
戦闘バランスが大雑把
「敵が大攻撃をしてきたら小攻撃で潰せる」「敵が小攻撃をしてきたらガード出来る」「敵がガードしていたら大攻撃で破れる」という三すくみ要素が一応あるのですが、戦闘エフェクトが派手すぎて敵味方共に何をやっているのか分からず難易度NORMALであれば全く意識せずに攻略可能です。
レベルを上げて双破斬で殴れば良い。
ガードやステップといった回避行動もありますがこちらもNORMAL難易度だと不要です。ガードはすぐ破られるしステップはコマンド的に出しにくいし。
結果として慣れてくると単調な戦闘になりがちですが、クリアまでのプレイ時間が30時間前後なので単調さに飽きるギリギリ前に終わるのが救いでしょうか。
低レベルやり込みや高難易度モードだと三すくみや回避行動も駆使する必要があるのかもしれませんが、うーん、そこまでやり込む気にはなれませんでした。
無茶苦茶なストーリー展開
謎の宇宙船が墜落 → 見に行ってみる → 中から少女が出てくる → 更に中から男が出てくる → 男「その子を渡せ!」 → 主人公「断る!」 → 戦闘開始という流れ。
これは世間一般的に誘拐というのでは。
もちろん事情があって少女を助けた事は結果的には良かったのですが、当時の主人公たちはそんな事情を知る由もなく。
更に最終的には少女を助けるために自身の故郷すら捨てる覚悟を見せます。
キマッてんなぁおい。
何故そんなに必死になれるのかの描写が圧倒的に足りていないです。
多分ロリコンだと思うのですけど。
シームレスイベント、要る?
最大の問題点だと思います。
前述の通り本作にはいわゆるデモやムービーというのはほとんどなく、街を散策している流れのままシームレスにイベントが始まります。
凄い盛り上がるシチュエーションでも普段と同じ引きのカメラで主人公も操作し放題。
RPGのイベントシーンってもっとこうカメラがアップになってキャラが怒ったり泣いたり決めセリフ言ったりとか色々演出があるわけじゃないですか。
それが全部プレイヤー任せ。
いちいち操作不能なムービーを挟んでプレイの流れを切りたくないという意味があるのかもしれませんが、ゲームを盛り上げる演出としてはかなり弱いです。
イベント中に主人公を操作出来ても、ほーんそれがどうした?という感じですし。話が終わるまで寝っ転がってパンツを眺める事くらいしか出来ないですし。
だったらムービーでいいじゃんという。
加えてムービーではないためスキップが不可能で、ボス戦やらで負けるとタイトル画面→またダラダラとシームレスイベントを見せられるというのも苦痛でした。
動画
オープニング〜適当なところまで。
数少ないムービー。艦隊戦ですが船は出て来ない。悲しい。
こちらはラスボス戦〜エンディングです。
総評
(2016年のゲームにしては)気持ちの良い派手な戦闘に美麗なグラフィックで、さすが有名シリーズの作品といった貫禄を漂わせています。
ただシームレスイベントはなぁ…ただの手抜きのようにも感じてしまいました。
そら「ムービーばかりのムービーゲーなんてゲームじゃない!」という意見は分かりますし私もどちらかというとそちら派ですが。
いやしかし相性だと思うのですよね。
SFを題材とした壮大でドラマチックなJRPGなのですから、演出面が弱いというのは残念だと思いました。
残念というより勿体ないというか。
総評は「スターオーシャンみは充分感じられる。期待しすぎなければそこそこ楽しめる」です。
ボリューム不足感は否めませんが、結果としてこれくらいのボリュームで終わるのは良かったのかもしれません。皮肉な事に。
そういえばスターオーシャン2のリメイクが最近発売されたそうですね。楽しみ楽しみ。