手持ち無沙汰でお酒と煙草が進むゲーム
ヴァルキュリアって良い響きですよね。
ゼフィランサスの次にカッコイイ単語だと思います。
というわけで、「蒼き革命のヴァルキュリア」のレビューです。
税込476円でした。
いつも通りネタバレは折り畳みにしておきます。
「戦場のヴァルキュリア」というゲームは名前だけ聞いた事があったのですが、それのシリーズ物らしいですね。
と言ってもお話が続いているわけではなく新規ストーリーで、過去作と同じ単語が出てくる程度の繋がりのようですけど。
残念ながら私はヴァルキュリアシリーズは本作が初プレイなので詳しくは分かりません。
クリア時のプレイ時間は63時間、トロコンまでのプレイ時間は89時間でした。大作ですやね。
蒼き革命のヴァルキュリアとは
2017年にPS4/vitaで発売されたアクションRPGです。
メーカーはセガ。
売上本数はWikipediaを見ると6万本と記載されているのですがマジで?
初週かつパッケージ版の売上?
それにしても6万本はさすがに厳しくないですかね。
事前配布された体験版でボロックソに叩かれて、製品版は更にメッッッタメタに叩かれたそうですけど、それにしても6万本はなかなか。
蒼き革命のヴァルキュリアのシステム
通常パートでは拠点で話を聞いたり買い物をしたり。
で、受付嬢からミッションを受注して戦闘パートに移行するというものです。
モンハンとかゴッドイーターみたいな感じですね。
ミッションは原則4人チームで開始し、ミッション中は操作キャラをワンボタンで変更可能。残り3人はNPCとして戦ってくれます。あんまり役に立たないですけど…
出撃メンバーは11人の中から好きに選択する方式でFF零式みたいな感じ。
戦闘時の操作方法は極々普通の3Dアクションです。
左のグリグリで走る、右のグリグリでカメラを動かす、通常攻撃ボタンにゴロリン回避ボタンにガードボタン。
特徴的なのは特殊攻撃を行う時で、メニュー画面を開いてスキルやサブウェポンを選択して使用するのですが、特殊攻撃の選択中および発動中は時が止まります。突然コマンドRPGチック。
また、通常攻撃や特殊攻撃は行動ゲージが溜まらないと実行出来ないというFFのATBのような要素もあります。
アクションRPGと一口に言っても色々ありますが、本作はRPGに寄せたアクションですね。
アクションテクでどうにかするというより、行動ゲージの管理や適切なスキルの使用等、戦略的な攻略にウェイトが置かれています。
というより、戦略的な攻略にウェイトを置きたかった、が正解だと思いますが。
蒼き革命のヴァルキュリアのストーリー
帝国にいじめられて困窮している小国が、打倒帝国を掲げて戦争を始め勝利を得るまでのお話です。表向きには。
実は帝国の皇帝に私怨を抱いている仲良し5人組が、皇帝に復讐を果たすという目的のためだけにその道のプロとなり国を裏から操って戦争を引き起こしたという事実が終戦後に判明。
この仲良し5人組は国家転覆罪で死刑。大罪人として歴史に名を残す事になります。
100年の時が流れ、「戦争を経て結果的に国は良くなったけど5人は本当に大罪人だったのか?」と疑問を持った歴史学者が、当時関係者の子孫から真実の物語を聞くという形で進行します。FFT方式。
蒼き革命のヴァルキュリアの登場人物紹介
仲良し5人組
アムレート (主人公)
仲良し5人組の一人。表の顔は軍人。
エリート部隊(アンチヴァルキュリア隊)の隊長として最前線で戦う、国で一番強い人。面構えが違う。
とんでもないコミュ障で、復讐の事など何も知らない隊員たちと不用意に揉めるわ揉めるわ。
復讐のために力を付けて隊長にまで上り詰めるほどの努力家なら、もうちょっと隊員と信頼関係を築く努力もしましょう。
バイオレット
仲良し5人組の一人。表の顔は軍人(情報部)。
裏では娼婦として帝国将校と仲良くなり情報を引き出し仲良し5人組で共有、戦争を有利に進めるための計画立案に多大な貢献をします。
バジル
仲良し5人組の一人。表の顔は武器商人。
アムレートくん率いるアンチヴァルキュリア隊に最新鋭の武器を提供。
バイオレットさんの事が好き。
スレイマン
仲良し5人組の一人。表の顔は政治家。
見た目通りの冷徹な策士で5人組の頭脳であり、開戦論を唱えて国王まで扇動した天才。
反戦派の議員とバチバチにやり合いながら戦争を継続させます。
フリート
仲良し5人組の一人。表の顔はコラムニスト。
スレイマンの指示の元、これが正しい戦争である事を強調した記事を執筆し、国内世論が厭戦ムードに傾かないよう操ります。
アンチヴァルキュリア部隊員
アムレートくんの部下で、ゲーム中で一緒にミッションに出撃する人たち。
ミッション中はプレイヤーキャラとして操作する事も可能です。
ダリル
お酒大好きな退役軍人で、元々は伝説級の実力者。
祖国解放のための戦争という事でアンチヴァルキュリア隊に復帰。
ジョルナー
現役軍人で階級上のダリルのお酒に毎日付き合う軍人の鏡。
ブリギッタ
世話焼きで毒舌で酒乱でブラコンの元女教師。
ティルダ
普段は寡黙だがダジャレ好きというどこかで聞いた事があるようなキャラ。
ブリギッタさんと仲良し。
サラ
誰とでも仲良くなる天真爛漫な人たらし。
隊員の中でも術の力が飛び抜けており、ゲーム的に強キャラ。
イザーク
隙あらばナンパする女の子大好きな上流貴族。
ヘレナ
スーパー庶民代表を豪語するカフェ店員。
突撃兵として最前線でナギナタを振り回す脳筋。
ブルム
幼馴染のヘレナが大好きな気弱な少年。
ヘレナの事を貶されると豹変するというありがちな属性持ち。
王族関係者
こちらの人たちもアンチヴァルキュリア隊員として戦闘に参加します。
オフィーリア
舞台となる小国のお姫様。
真面目かつ純粋な性格から、国のため本人自ら剣を取り最前線で戦う事を決意。
「好きな人いるの?」と聞かれて家畜の名前を挙げる変態。
ゴドー
オフィーリア姫の付き人その1で、アンチヴァルキュリア部隊の副官。
愛国心が強すぎてお見合いの場で自国の「土」について延々語る変態。
ミランダ
オフィーリア姫の付き人その2で、ゴドーの妹。
姫と二人でパンチラ要員。
帝国関係者
皇帝
「想定通りだ…」と言いつつ何度も弱小国に負け続ける有能なんだか無能なんだかよく分からない皇帝。
でもカリスマ性は凄いらしい。でもどこにそんなカリスマ性を感じるのかがよく分からない。
この見た目で30代。
ヴァルキュリア
顔よりも大きいおっぱいを持つ死神。
皇帝がヴァルキュリアと契約した事により、帝国領土を一気に広げる事に成功。
ここが凄いぞ 蒼き革命のヴァルキュリア
- 豪華な声優陣
- キャラクターの掘り下げがしっかりしている
- 戦争物としては分かりやすいストーリー
- 控えメンバーにも経験値が入る
豪華な声優陣
小野大輔、神谷浩史、梶裕貴、櫻井孝宏、沢城みゆき、井上喜久子、早見沙織、坂本真綾、鈴村健一、藤村歩、中井和哉、石塚運昇、藤井ゆきよ、津田美波、置鮎龍太郎、磯部勉、玄田哲章などなど、名前を途中まで入力したら変換候補がすぐに出てくるような豪華ラインナップとなっております。
声優さんの事はあまり詳しくない私でも、どれもこれも聞いた事がある声です。多分有名人ですわ。
キャラクターの掘り下げがしっかりしている
キャラクターの数は多いですが、日常的なサブイベントが豊富で掘り下げがしっかり出来ています。
メインストーリーは殺伐としていますが、サブイベントではギャグ調のものもあり、キャラクターに愛着が湧きやすいです。大事。
戦争物としては分かりやすいストーリー
戦争物というとたくさんの国が様々な思惑で動いたり小難しい単語が多く登場したりと、どうにも理解が難しい作品も多いですが、本作は最初から最後まで「復讐のために何が何でも帝国をぶっ潰す」というテーマで突き進むため本筋はスッキリしています。
自国と帝国以外の国も出てきますがちょろっとしか絡まないので、その辺も分かりやすくなっている一因かと。
言い換えれば「浅いストーリー」とも言えますが、その辺は好みですかね。
ネタバレ含むストーリー所感
国の事なんてどうでもいい、利用出来るものは何でも利用するし邪魔なものは誰であろうと排除する、という姿勢だったアムレートがオフィーリアやゴドーを始めとする仲間たちと信頼関係を築き、国の未来のために戦う決意をする流れは素直に良かったです。
復讐という真実を知って尚アムレートを受け入れるオフィーリアとゴドーの国を想う覚悟、そしてアムレートを慕う若き兵士の死、これらを受けての復讐に対する葛藤が丁寧に描かれています。
身内4人以外は全員敵、くらいの勢いだったアムレートがゴドーに受け入れられた事で心境が変化し始めたのでしょうね。
ほんまゴドーさんの器の広さは五大陸に響き渡るでぇ。
スレイマンやバジルはそんな萎え気味アムレートに反発しますが、最終的には同じ志を抱くように。
こちらは特に心境の変化に関する描写は見られませんでしたが、やはり復讐強硬派のスレイマンと言えど心の奥底に葛藤があったのでしょう。
エンディングについては「5人は大罪人として死刑になった」という結末ありきで進み本当にそういうエンディングなので、まぁそうだよなぁという感想でしたが…エンディング後に追加される隠しイベント(?)でひっくり返してくれました。えがったえがった…。これが無かったらディスク遠投していたかもしれません。
しかしなんでマクシムはイプセリア統治を拒否して一族を皆殺しにした皇帝に忠誠を誓っていたのか。なんでアムレートを「斬られる資格がない」とか言って何度も見逃すのか。
あと一番分からなかったのが、結局バイオレットの婿殿はバイオレットを裏切ってウソ情報を掴ませたのかどうかです。兵器工場に罠張っていましたけど。しかしその後にバイオレットの事は本気だった的な描写もありますし。謎。
ここが残念 蒼き革命のヴァルキュリア
- 低クオリティの長時間ムービー連発
- ネタが割れれば単調な戦闘
- ステージギミックが死んでいる
- スキルの種類が無駄に多く死にスキルだらけ
- 似たようなミッションばかり
- 取って付けたようなヴァルキュリアの存在
- マクシムの存在が謎すぎる
- UIが酷い(編成やらアイテム売却やら)
- お粗末すぎる味方AI
- すぐ処理落ちする
- ロードが多い&長い
ムービーが酷い
とにかくムービーが長くて多いです。
真面目にコントローラーを握って操作している時間よりムービーを見ている時間の方が長いと思います。
いや、ムービーが長いゲームは他にもありますよ?以前プレイしたデスストランディングや龍が如くも長いです。
しかし本作はムービーのクオリティが低く、キャラは無表情でほぼ棒立ち、カメラワークも固定に近いと。
PS4で発売された新作ですけどこれ。PS2のリマスターというならまだ理解出来ますが。
これでセリフ送りが出来ないので、コントローラーを手放してボケーっと見ているしかありません。辛い。
これならテキストだけの方がまだマシです。
個人的にはフルボイスなんてゲームに不要だと思っています。
が、ボイスがあった方が嬉しいという人が多いという事も理解しています。
だからさ、ボイス飛ばせるようにしようぜ…
単調な戦闘
ザコ敵もボス敵も種類が少なく特徴が薄いです。
最初こそどうプレイするのが正解なのか試行錯誤しましたが、敵がワンパターンなため最終的にはザコ戦は突っ込んで弱点属性の範囲スキルで薙ぎ払うだけ、ボス戦も弱点属性のスキルを連発するだけ。
前述の通りスキル使用時には時間が停止するので、行動ゲージの溜まる速度がアップする補助スキルを事前に使用し、MP回復アイテムをがぶ飲みしつつ弱点を突けるスキルを連発すればボスでもほとんど何もさせずに倒せたりします。
逆にボス戦はそうでもしないと異常に時間がかかります。通常攻撃や弱点以外のスキルが通らなさすぎる。
ステージには物陰に隠れたり梯子を上って高低差を利用するというギミックも存在していますが、これらが必要にならない、ギミックを活かすようなミッションが全く無いというのも単調さに拍車をかけています。
ヴァルキュリアの存在とは
タイトルにもなっているヴァルキュリア、帝国が契約により得た死神で主人公たちにとって最大の脅威として何度も立ちはだかってきますが、そもそも復讐という物語にヴァルキュリアの存在が必要だとは感じませんでした。
ヴァルキュリア自身の思わせぶりな発言連発からあっと驚く設定やどんでん返しがあるのかと思いきや、物語中盤で発覚した設定そのままに衝撃の事実もなく退場。
一応仲良し5人組がケンカする原因を演出した功績もあるとは言えますが、それがヴァルキュリアである必要性が薄い。
「戦場のヴァルキュリア」のヴァルキュリアがどういう存在だったのかは知りませんが、シリーズ物として旧来ファンを引き付けるために取って付けたのかなぁという印象でした。
お粗末すぎる味方AI
味方NPCに頼るほど苦戦するミッションが無いのでいいっちゃいいのですけど、それにしても役に立ちません。
攻撃参加する頻度が少なすぎます。
たまの回復や補助、あとはタゲ分散の弾避けくらいにしか期待出来ません。
また市街地戦では障害物に引っかかって着いてこない姿も頻繁に見かけます。
まぁ着いてきても役に立たないのでいいっちゃいいのですけど。
こういうゲームって味方NPCがかっこよく戦っている姿を見るのも楽しみの一つだと思うのですけどね。
そういう点ではCODE VEINは良かったなぁ。
動画
オープニングから適当なところまで。
こちらはラストバトル~エンディングです。
クッソ長いので分割しています。
総評
剣と魔法と機械の戦争ファンタジー物。
やりたい事は伝わってくるのですよ。アクションとシミュレーションの融合的な事でしょう、多分。
しかし如何せん敵の編成がワンパターンでステージも似たようなロケーションばかりなのがね…
序盤はガチャガチャやっているだけで攻略出来るのでそこまで楽しくない、中盤になってコツが分かってくるとちょっと爽快感があって楽しい、終盤は同じ事の繰り返しで飽きてくる、という感じ。
そしてムービームービームービームービームービーの嵐。
キャラクターやストーリーは悪くはなかったですが、これら残念ポイントをひっくり返して感動させるほどかと言うと、うーーーーん…
総評は「クソゲーとは言わないけど退屈な部分が多い。あとヘレナはかわいい」です。
トロフィーコンプリートガイドはこちらです。
攻略記事はこちらです。