「詐欺」と「貢がせ」は何が違うのか考える

たまゆら

糞ブレイキン脳ブレイキン・りりちゃん

ホスト狂いのお姉ちゃんが複数のおぢから合計1億円以上騙し取ったとして、詐欺罪で裁判をやっているのが話題になっています。

随分と景気の良い話です。

騙す方が悪いとか知らん人間に大金渡す方が頭おかしいとかそういう話はひとまず置いておいて、これって詐欺罪なのですね。

いやまぁそりゃあ詐欺なのでしょうけど、なんというか、貢いだ方は好きで貢いだわけで。

ほら、「好きな人を金銭的に支援する」というシチュエーションってありそうじゃないですか、一般的に。残念ながら私は持ち合わせていない感覚ですけど。

キャバ嬢だって風俗嬢だってホストだって、なんならYouTuber的な配信者とかでも、男女が揃えば多かれ少なかれある話では?

少なくとも私が昔やっていたネトゲではしょっちゅうありましたよ?

そんなこんなで、そもそも詐欺罪ってなんだ?と小学生並の疑問を抱いてしまったので調べてみました。良かったらどうぞ。

目次

詐欺罪成立の要件

細かい話は色々とあるようですが簡潔に、下記を満たすと成立するそうです。

  1. 相手を騙す行為をし、
  2. 相手が騙されて、
  3. 騙された側から騙した側に金品が移動し、
  4. 上記1~3に因果関係が認められて、
  5. 加えて上記1の時点から騙し取る気満々だった

よく言われる「お釣りが多かった事に気付いたけど黙って受け取ったら詐欺罪」というのも、なるほど要件だけ見れば当てはまっています。

今回のホスト狂いのお姉ちゃんの場合、マッチングアプリで知り合った男性に「アパレル会社を立ち上げたけど失敗して借金がある」などと嘘をついていたと報道されていますので、上記1が成立します。

男性側がこれを信じたので2が成立し、実際にお金を渡したので3が成立します。

一連の事象に因果関係があるのは確定的に明らかなので4が成立。

5は貢がせマニュアルのようなものを作っていたというくらいの脇の甘さですから証拠充分なのでしょう。

詐欺罪が成り立つには「故意に相手を騙そうとして、そして相手が騙された」という事実が肝なのですね。

そらそうですわな。

本当にアパレル会社が失敗して借金があったり、「なんもないけどお金欲しいからちょーだい」「オッケー5,000万円あげるわ」となったら問題が無いわけです。贈与税の脱税にはなるでしょうが。

他の事例は?

冒頭の疑問に戻りますが、キャバ嬢が「家族の手術代を稼がないと仕事辞められないの」とよくありそうな(キャバクラ行った事ないので分からないですけどよくありそうな)嘘をついていて、それを信じた客が金品を貢いだ場合はどうなるのでしょうか。

「キャバ嬢の営業トークなんぞに騙される方が悪いわ、勉強代勉強代」という個人の感想はごもっともですがそれはさておき、前述の要件だけ見たら詐欺罪に該当するように思えます。

が、ここでポイントとなるのは要件5の「最初から騙し取る気満々だったのか」です。

「境遇を語っていただけで騙し取る気なんてなかったよーん」と説明出来れば詐欺罪には当てはまりませんし、「あげるって言ってたじゃん。返す義理なんてないわ」という状況が証明出来れば返済義務すら発生しないとか。

それではもっと仕事熱心に「あなたと結婚したいけど学費と家族の入院代と弟への仕送りを稼いでついでに勉強のために海外に行かないと仕事辞められないの」と嘘をついていて、それを信じた客がお金を渡したらどうでしょうか。

この場合でも「騙し取るなんてとんでもない。返すつもりだったし」という意思が第三者から認められれば詐欺罪にはあたらない可能性が高いようです。返済義務は残りますが。

逆に、返すつもりだったという意思が認められなければこれはもう立派な詐欺罪という事です。

と、素人が一日かけて刑法や過去事例を読んだだけでここまで書いてみましたが、実際はそんなに単純な話でもないようで。

水商売で色恋営業トークを使うことは世間に認識されているため、キャストが嘘をついて客からお金を引っ張ったとしても、営業トークの一環として捉えられてしまえば詐欺とは認められない」なんて弁護士先生のコメントも見つかりました。マジでか。

素人には厳しいけどプロには甘いのか。

「勉強代だと思って諦めろ」は賢者の遺訓だったのです。

もちろん嘘の程度と金額によるのでしょうが、しかし法律というのは随分と柔軟なのですね。

様々な解釈が出来るからこそ、行列ができる法律相談所なんてテレビ番組が流行ったのでしょう。

なんとも面白い世界だと思いました。今度は弁護士になろうかしら。

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