レトロゲーマーがPS4版デスストランディングをトロコンしてレビュー

たまゆら

ファミ通クロスレビュー40点

あのメタルギアシリーズを作った事で有名な小島秀夫氏による新規タイトル、DEATH STRANDING(デスストランディング)をトロフィーコンプリートまで遊んだのでレビューです。

メタルギアソリッドVをクリアしてデスストの事も気にはなっていたタイミングでちょうど中古屋さんで見かけまして。

イケメンが反射してパッケージに映っていて申し訳ない

しかし新規タイトルは手が出しやすくて良いですね。

メタルギアシリーズもVが初プレイでしたが、いや楽しめましたけどね、プレイ始めるまでかなーり腰が重かったですもん。楽しめましたけども。

いつも通り本記事は基本的にネタバレ無しですが、文末にネタバレ含む戯言も書いています。

目次

デスストランディングとは

2019年11月8日にPS4用ソフトとして発売され、現在ではPS5やSteamでも遊べるようになっています。PSのフリープレイ(エクストラorプレミアム)にも含まれているそうですね。

売り上げは2021年時点で全世界500万本を突破しているようです。

そしてなんとファミ通クロスレビューで40点満点を叩き出しています。(大丈夫?ファミ痛のクロスレビューだよ?)

ゲームシステム

いわゆるオープンワールドのアクションゲームです。画面暗転ローディングの無い一繋がりの広大な世界を動き回るやつですね。

オープンワールドゲームと一口に言っても、メタルギアソリッドVならステルス潜入、ゴッドオブウォーなら硬派なアクション、GTA5ならバイオレンスとアクティビティ、ニーアオートマタなら世界観とケツ、CODE VEINならキャラクリエイト、FF15なら剣や魔法やチョコボやモンスターといったFF要素という感じでそれぞれ特色があるものですが、デスストランディングの場合は「お使い」です。

比喩でもなんでもなく、お使いをメインにしたゲームです。ある意味斬新。

町から町へ、人から人へ、あっちからこっちこっちからあっち、徒歩でバイクでトラックで、依頼された荷物を運ぶゲームです。で、合間にメインストーリーが進む感じ。

景色きれい

それの何が面白いの?と思われるかもしれませんがこれがなかなかどうして面白いのですよ。

平坦な道を遠回りしていくのか山や崖を越えて最短ルートを進むのか考え、重量という概念があり重くなるほど動きが鈍るという制約がある中で梯子やロープといった便利グッズを持っていくのか悩む。楽しい。

マップの半分以上は険しい山で足を滑らせたら一巻の終わりという状況で、素材を集めて国道を舗装してバイクで走りやすくし、橋を建築して川を渡りやすくして、崖上にロープ用パイルを打って登り降りしやすくする。自分なりのカスタマイズで同じ道でもどんどん便利になっていくのも快感です。

他ゲームでは手段でしかなかった移動という要素を上手い事ゲームに落とし込んでいます。

山を越え谷を越え
お使いゲーであり登山ゲー
こんなとこに住まないでほしい、マジで
死ぞ
最初は厳しかった道も国道を舗装すれば快適に
道なき道をトラックで無理やり進んでハマるあるある
ジップラインを設置して2点間を高速移動も

本作はオンラインプレイに対応しているのですがこれがまた画期的です。

他プレイヤーの姿は一切見えず直接的な交流は全く出来ません。私のようなコミュ障も安心。

しかし他プレイヤーが作った道路や橋や梯子などがフィールドに適当に配置されていきます。

初めて進む道で思わぬ崖が行く手を阻み絶望していたその時、他プレイヤーがかけてくれた梯子が残っていたりするとありがてぇ…となる事うけあい。ちょっと泣けてきます。

他プレイヤーとの緩い繋がりはゲームシステム的にもストーリー的にも大きな意味を持っています。よく出来ておるわ。

また、お化けのようなモンスターや荷物を奪いに来る人間とのバトル要素もありますが、出現場所を地図で確認出来るため避けようと思えばある程度避けられます。

バトルもお使いというメイン要素のトッピングでしかないわけです。

さすがにボス戦はあるので戦闘0回でクリアというわけにはいかないですが

あらすじ

「デスストランディング」と呼ばれる怪奇現象?超常現象?異常気象?でお化けが出現するようになり、更に触れたモノを一瞬で老化させる恐ろしい雨が降るようになった近未来のアメリカが舞台。

デスストランディングの影響で各都市が分断・孤立してしまった世界でも人々が生活するうえで物資は必要なわけで、そこで死んでも死なない特殊能力を持つ伝説の配達人(主人公)が活躍するというお話です。

一方、主人公の義母でもある大統領は、大量のデータをゼロ時間で通信可能という夢の規格「カイラル通信」で各都市間を繋ぎアメリカ再建を果たすという目標を掲げています。が志半ばにして病死。その意思を主人公に託します。

はたして主人公はアメリカ全土をカイラル通信で繋いでアメリカ再建を成す事が出来るのか?孤立した人々を救う事が出来るのか?そんな話だったような気がします。最初は。

登場人物

他にもいますがとりあえずメインどころをサラっと紹介します。

サム

滅多に見せない笑顔

主人公で、死んでも死なないしお化けを視認可能という特殊能力の持ち主。

100kgの荷物を背負って雪山登山させられる苦労人。

いつも辛そうな顔していてかわいそう。

アメリ

病死した大統領の娘でサムの義姉で新大統領。

母の意思を継ぎアメリカ再建を目指す。

ダイハードマン

アメリカ再建を目指して設立された会社「ブリッジズ」の偉い人で大統領とも仲良し。

サムに仕事の依頼をしたりリモートでサポートをしたりする。

声優がメタルギアソのスネークの人なのが面白い。サァムゥ!

デッドマン

ホモでは?
ホモでは?

サムをサポートするブリッジズのメンバー。

体の7割が死人の臓器で出来ているという人造人間でサムの事が大好き。

生きているのにシンデルマンデッドマン。

ママー

サムのサポートをするブリッジズのメンバーで天才科学者的なポジション。

ハートマン

サムのサポートをしながらデスストランディング現象解明に燃えるブリッジズのメンバー。

喋りだしたら止まらないステレオタイプの(良い意味で)変態科学者。

フラジャイル

民間の運送会社「フラジャイル・エクスプレス」の社長。

事あるごとにサムに虫を食べるよう勧めてくる。

ヒッグス

元フラジャイル・エクスプレスの社員。

見た目通りの悪役。ドクロの仮面て。

メタいネタが好き。

BB

本作のヒロイン。

サムのお化け認識力を強化してくれる特殊能力を持った赤ん坊で、サムを強力に援護してくれる。

プライベートルームで休んでけおじさん

隙あらばプライベートルームで休んでいくよう勧めてくるおじさん。好き。

ここが凄いぞデスストランディング

  • 過酷なお使いとそれ故の達成感
  • 映画のような “深い” ストーリーと演出

ゲームシステムの項でも触れた通り、とにかく最初は過酷な配達ルートが続きます。

だからこそ自分で開拓して整備する達成感もひとしお。

針に糸を通すようなジップライン建設が決まった時の快感と言ったらもうね。

どのルートを通るのか?何を使って運ぶのか?何をどれだけ持っていくのか?装備はどうする?武器はどうする?とにかく自分で考えてお使いをする自由度の高さがウリであり、謎の中毒性があります。

メインストーリーの目的は明快なのですが、それはさておき様々な人物の思惑や謎もバラ撒きながら進みます。で、最後に一気に回収するという形。

最終的にはかなり難解なストーリーになってくるので、SF映画が好きな人や考察が好きな人の需要に応えてくれます。

難しい話嫌いやねんという人でも全く理解出来ないという事はないでしょうし、単純に実在のハリウッドスターをモデリングしたキャラがガンガン動きながら喋る姿は観ていて楽しいかと。

ここが残念デスストランディング

  • UIや画面内情報が煩雑で慣れるまで辛い
  • 途中の強制バトルイベントが辛い
  • BGMが特定の場面でしか流れない
  • 話が長い

メタルギアソリッドVの時も感じましたけど、色々出来てしまう故に画面内の情報がとにかく多く、慣れるまではワケワカランとげんなりしてしまう人がいそうです。

地図も非常に見づらい。大量にアイコンの種類があるのにフィルター機能が無いのはちょっと。

強制のバトルイベントが数回ありますがこれが結構しんどかったです。

FPS的なゴールデンアイ007的なやつ。エイム苦手なのですよ。

一回ならまだしも、似たようなのが何回もあるのはねぇ…もういいからお使いさせて。

BGMは特定の場面でしか流れずプレイ中の9割が環境音のみです。

演出としてはアリかもしれませんが(確かにしんどい登山で頂上に到達した瞬間に流れるBGMは感動しますが)、クリア後に黙々と配達をこなしているとちょっと寂しい感じも。

せめてトラック運転中くらいはミュージックプレイヤーで好きな曲を流せるようにしてくれたらなぁと思いました。

あと、とにかくみんな話が長いです。

ハートマンはそういうキャラクターなので良いですが他の人たちまで軒並み話が長い。FF1のエンディングかよ。

総評

「繋がり」をテーマにして様々な伏線を散りばめた重厚なストーリー、単純ながらも自由度が高く奥深いお使い、この2要素を楽しむ作品です。

「繋がり」から昨今のSNSを風刺するような内容も垣間見えます。

ちなみに、ちょうどコロナウィルスが流行る直前に発売されたそうですね。

人々の繋がりが断絶されたコロナ禍の世界を予見していたかのようなゲーム。いやぁ “持って” ますねぇ。

一見人を選ぶゲームかと思いきや、実は結構万人受けするゲームなのではないでしょうか。

もちろんゲームなんてやらんという人には全くオススメ出来ませんが、それなりのゲーマーであれば誰でも経験している移動という要素を楽しむという意味で、新鮮な体験を提供してくれるゲームだと思います。

繋がりというテーマも身近なものですしね。

超名作かと言われるとウーンという感じですしクロスレビュー40点はウーーーンという感じですけど、無難に面白いっすよ。

あ、でも攻略を見ながら効率的にプレイしないとストレスが溜まるという人にはちょっと向かないかもしれません。それをやってしまうと本当にただの「お使いゲー」になってしまうので恐らく魅力激減でしょう。

全てのゲーマーへ、機会があれば是非。

ネタバレ含む個人的な戯言

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いやぁしかし話が難解ですね。私のようなIQ3の酔っ払いには2/3くらいしか理解出来ませんでした。ここまでスッと入ってこなかったストーリーも珍しい。もちろん否定的な意味ではなく私の理解力の問題ですが。なんでヒッグスはアメリにマスク被せて苦しめていたの?アメリとヒッグスはグルじゃないの?ストーリーも楽しみたかったらお酒飲みながらはダメですね。

サムが自己主張しないから何考えているのか分からないし(むしろ何も考えていないように感じる)、他のキャラクターも一方的に喋るばかりなのであまり思い入れが湧かないというか。アメリに愛着も無いのでラスト付近のビーチで何の躊躇いもなくアメリを撃ちまくりましたよ。

ハートマンは好き。信念のある変態は大好きです。ママーとカイラルアーティストは自分で歩いてどうぞ。

とボヤキも入れましたが面白かったですしトロコンまで110時間かけて遊んでしまったので満足度は高いです。

もう一回最初からプレイすれば理解も深まり新たな発見もあるのでしょうけど、また一から国道とジップライン整備するのはさすがに腰が重いですねぇ…

トロフィーコンプリートガイドはこちらです。

メタルギアソリッドVのレビュー記事はこちらです。

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