
命もないのに、殺し合う
PS4のゲーム、NieR:Automata(ニーアオートマタ)をトロコンしたのでレビュー記事です。
PS Storeのセールで2,000円と安かったのでポチッとな。
ご存知ですか?ニーアオートマタ。
有名ですよね。
最近のゲーム事情に疎い私でも名前だけは聞いた事があったので有名なのだと思います。多分。
しかしどんなゲームなのかは全く知らず。
そんな方も多いのではないでしょうか。
タイトルがなんか意識高そうで敬遠してしまうというか。なんでNieRってRが大文字やねんって。なんかめんどくさそうな人が作ってるめんどくさそうなゲームなんじゃないかって。(私だけじゃないはずだと思いたい)
ところがどっこい、これが大変楽しゅうございました。
やはり悪い先入観を持ってはいけないですね。
いつも通り本記事はネタバレを含みませんので未プレイの方もどうぞ。
多分ね、どこでも書かれていると思うのですよね。キャラが良い、世界観が良い、BGMが良い、ケツが良いって。
反面、地図が見にくい、シューティング要らなくね、ハッキングめんどいって感じで。
私もソーナノ。
ニーアオートマタファンの方からしたらそれこそ100万回は見たような平々凡々なレビュー記事になりそうな予感が今からプンプンとしますが、一応未プレイの方向けという事でお許しください。
ネタバレをガッツリ含んだ超個人的な感想記事はこちらです。

購入から6日でトロフィー&収集系コンプリート。


コンプリートまでのプレイ時間は72時間でした。

ニーアオートマタとは
2017年2月23日にスクウェア・エニックスからPS4で発売されたアクションRPGです。
その後、Steam(PC)、Xbox one、Switchにも展開されました。
PS3で発売されたニーアレプリカント、そしてXbox 360で発売されたニーアゲシュタルト、これらの続編という立ち位置ですが、一応前作をやっていなくても問題なく遊べます。
私はこれら前作を未プレイですが十分楽しめました。
一部キャラは前作から続投しているらしく、既プレイヤーはウオーーーっとなるのかもしれませんが。
本作ニーアオートマタの売上は全世界で700万本超を誇るそうです。(Wikipediaより)
はい?マジで?700万本って日本のゲームとしてはちょっと異常ですよ。
しかも発売初週では20万本だそうで、ものすっごい長期に渡るジワ売れっぷりです。
ジワ売れは名作の証明ですね。
その人気っぷりから過去には漫画化や舞台化をされ、更に2023年3月現在はテレビアニメも絶賛放映中、更に更にローソンで一番くじなんかもやるそうで。妻はゲーム未プレイでアニメを視聴していますが面白いそうですよ。
しかし2017年のゲームが2023年でもアクティブって凄いっすね。
現在ニーアオートマタをPS Storeから購入しようとすると、本編とDLC(追加ダンジョンと追加コスチューム)がセットになったYoRHa Editionを購入する事になるかと思います。
今回セール対象になっていたのもこのYoRHa Editionでした。
DLCが色々と複雑でないのは良きですね。
DLCいっぱいあるゲーム嫌い。お金の問題とかじゃなくてどれを買えば良いか分かりづらいから嫌い。
ニーアオートマタのストーリー
西暦5012年、地球にエイリアンが襲来しロボット(機械生命体)を使った侵略を開始。
人類は月への撤退を余儀なくされます。
対抗手段として人類も人工知能搭載のロボット(アンドロイド)を開発。
そこからエイリアン軍の機械生命体 VS 人類軍のアンドロイドという、オイルをオイルで洗う抗争が始まります。







そして主人公である最新型アンドロイドが機械生命体に占領された地球を奪還すべく、地球降下作戦を開始するところから本編がスタートします。
主人公アンドロイドの活躍により人類は地球を取り戻す事が出来るのか!?続きは君の目で確かめてくれ!!
ってな感じのストーリーです。どうです面白そうでしょう。
とりあえずゲームを始めていきなり放り出される荒廃とした未来地球にワクワクする事間違い無し。

アンドロイドたちは殺されても(物理的に破壊されても)データのバックアップがあれば復帰可能という事で、人間とは異なる死生観を持つのが特徴的。
そもそも任務遂行を至上とした兵器のため感情を持つ事を禁じられています。
なのですが、なんやかんやあってその辺の考え方がだんだん変わっていくというのがストーリーの見せ場でしょうか。
お話を進める中で、侵略者であり敵であるはずの機械生命体たちにも様々な思想の個体がいる事が分かってきます。



キャッチコピーの「命もないのに、殺し合う」はほんと秀逸。
単純に「命のないロボット同士が戦う」以上の意味が込められています。
ニーアオートマタのシステム
アーマードコアとGANTZとFF零式を混ぜたような世界観でプレイングはデビルメイクライ、みたいなゲーム。
街やフィールドやダンジョンが暗転無しでシームレスに繋がるいわゆるオープンワールドです。
ゲームの流れとしては地球奪還のために頑張るメインストーリーがあり、任意で受注可能なサブクエストがあるという普通のやつ。イマドキのゲームのスタンダードですかね。
素材を集めて武器改造、寄り道して際どい足場のジャンプアクションでレアな宝箱ゲット、釣り要素等、まぁまぁスタンダード。
特徴的なのは育成要素。
普通に敵を倒して経験値をもらってレベルアップするのとは別に、容量の許す範囲で様々な強化チップを自身にインストールする事が出来ます。
攻撃力アップとか移動速度アップとか取得経験値アップとかミニマップ表示機能とか自身HPバー表示機能とかたくさんの種類がありますが、状況に応じて頭を捻りながら自分好みにカスタマイズしていくのはゲーマー心をくすぐりますね。
チップ毎にレベルと容量が設定されており、敵を狩りまくって高レベルチップを厳選するハクスラ的要素(ハクスラの使い方合ってる?)もあります。
まぁメインストーリークリアするだけならチップ厳選なんて気にせず普通に戦って普通にレベル上げるだけでも十分ですが。
登場人物紹介
そんなに登場人物は多くない作品ですが、ネタバレにもなりかねないので本当に主要人物の2人だけ。
2B
人類軍の生み出した最新アンドロイドで主人公の女の子。

正式名称ヨルハ二号B型。
ヨルハは部隊名、BはバトラーのBで、戦闘タイプのアンドロイド2号という意味です。
性格は冷静沈着で現実主義で大雑把で、仲間想いな一面も。
ところでなんでゲーム内ストーリー的にホクロ付けたのでしょうね?というかそもそもそんな事言い出したら何で人型のアンドロイドにしたのだろうか?(ゲーム外観点で言えば口元のホクロは人相学で “愛に貪欲” とされているそうですよ、なるほどねぇ……)
声が進撃の巨人のミカサと同じ人らしいです。へぇー。確かにキャラ似ているような。
あとキティさんばりに仕事を選ばず他のゲームとコラボしているらしいです。へぇー。
9S
2Bをサポートする最新アンドロイドでヒロインの男の子。

正式名称ヨルハ九号S型。
SはスキャナーのSで、直接戦闘は苦手なものの敵の機械生命体やコンピュータをハッキングして乗っ取る能力を持っています。
性格は好奇心旺盛でやや子供っぽいところがあり、2Bさんにベタ惚れ。
声が鬼滅の炭治郎と同じ人らしいです。へぇー。ニーアは鬼滅が売れる前の作品ですから当時としては大抜擢といったところでしょうか。(鬼滅の前から売れっ子声優さんだったら申し訳ございません)
ちなみにこのアンドロイドたちは何故目隠しをしているかというと、開発曰く「コスプレしやすいように」だとどこかで見かけました。
この話が本当だとしたら商才エグいですよ。
今時のマーケティングのツボを抑えすぎていてちょっと怖いくらい賢い。
現にSNSとかでエロいコスプレイヤー見て興味持ってゲーム買った人だってたくさんいるでしょうし。
ここが凄いぞニーアオートマタ
あくまで個人的な感想です。
- 作り込まれた世界観と演出
- 世界観と見事にマッチしたBGM
- ヘビーゲーマーからライトゲーマーまで幅広く楽しめるアクション
作り込まれた世界観と演出
前作から引き続き世界観を共有しているため下地がしっかり出来上がっています。
メインストーリーに直接絡まないような細かい設定まで作り込まれているゲームは良いゲームだと思うのです。
没入感が違うのよ。FFTとかもそうですが。
また主人公がアンドロイドという事もあり、戦闘中に異常が発生すると画面にノイズが入ったりまともに機能しなくなったりする演出も素敵。

メタ的な発言も出てきますがそれらもアンドロイドならではの視点に置き換えており、とにかくプレイヤーをニーアオートマタの世界に引き込む設計が徹底されているなぁと感心します。
例えばコンフィグのボリューム調整項目をアンドロイド自身の聴覚システムの設定に見立てたり。
ファストトラベル(いわゆるルーラ)時に挟まるローディング画面もアンドロイド視点で凝っています。

世界観と見事にマッチしたBGM
これはもう手放しで賞賛に値します。
「ニーアオートマタは面白いゲームだけどBGMはイマイチだよなぁ」という評価をする人は少ないのではないでしょうか。
荒廃した情景とこれでもかとがっぷりよつ組み合う、美しくも寂しく儚いメロディの数々。
砂漠も遊園地も森も好きすぎる。
世界観とBGMの素晴らしさを私の拙い言葉で表現するのは難しいのですが、こればっかりは直接感じてみて欲しいと思います。
ヘビーゲーマーからライトゲーマーまで幅広く楽しめるアクション
ド派手でスタイリッシュな戦闘アクションなので一見複雑そうに見えますが、どんな状況からでもキャンセル回避が可能なのでアクションゲームとしては見た目ほど難しくはありません。
大剣を振り下ろすモーション中でも回避ボタン一発でキャンセルして回避行動に移れたりしますし。
適当に攻撃しながら適当に回避しているだけで気分は凄腕アクションゲーマー。気持ちが良い。
それでもアクションゲームは苦手やねんという人には、なんとオートで戦闘してくれる機能まで搭載。
対してヘビーゲーマー向けには一発食らったら即死というVERY HARDモードもご用意しております。
人を選びがちなアクションゲームというジャンルで、「難しそうだからやめとこ」「難しいから途中で断念した」となってしまうゲーマーにも手を差し伸べる設計は素晴らしいですね。
ここが残念ニーアオートマタ
あくまで個人的な感想ですってば。
- 釣り
- オープンワールドゲームとしての作り込みは甘い?
- オートセーブが無い
- シューティングパートが単調
- ハッキングめんどくさいよぉ
釣り
メインストーリーを進める上ではやらなくても良いミニゲームですが、トロフィーや図鑑埋めに関わってきます。

何が辛いって、ゲーム性が皆無なのですよね。
ただボタンを押して竿を振って、仕掛けが沈んだらただボタンを押すだけ。
駆け引きもクソも無い完全な運ゲー状態でレアな魚が釣れるのを待つ必要があります。
複雑なシステムにしたらそれはそれでめんどくさいと文句言うかもしれませんが。
前述の通りメインストーリーを楽しむだけならやる必要は無いのですけども、出されたものは全部食べないと失礼かなと考えてしまう私のようなプレイヤーは少々辟易するかもしれません。
もうね、ゲームの釣りはブレスオブファイアで一生分やりましたよ…
やっぱりミニゲームに釣りを取り入れる文化を作った戦犯ってブレスオブファイアなのですかねぇ?
いや、ブレスオブファイアは良いゲームですよ、ええ。
オープンワールドゲームとしての作り込みは甘い?
2017年発売のゲームだという事を考慮すれば仕方ないのかもしれませんが、登れそうで登れない壁、落ちられるんだか落ちられないんだか落ちた方がいいんだか分からない崖や穴、こういうものは多少あります。
FF15と比べたらかなりマシですけど。
あと思った以上に行動範囲が狭いですね。
全体マップを見渡すとめちゃくちゃ広いのですが、実際に行ける範囲はそこまででも無いという。
オートセーブが無い
イマドキのゲームにしては珍しくオートセーブがありません。

敵にやられてもバックアップデータを別の義体にインストールして復帰可能という世界観である以上、簡単にセーブしたりロードしたりするのは没入感を下げかねませんので良いと思います。
が。
が、ですよ。
戦闘以外でいきなりゲームオーバーになってタイトル画面に飛ばされるシチュエーションが多少あります。
これを踏んでしまうと何の救済措置もなくタイトル画面へ問答無用で飛ばされるのでウヘェーとなります。(2回ほどなりました)
でもゲームオーバー時のチョッパヤエンドロールはちょっとオサレで好き。
シューティングパートが単調
メインストーリー中に飛行ユニットとドッキングしてシューティングを行うパートがあります。

射撃ありビームサーベルありで飛行ユニット自体はカッコいいのですが、何せ単調。
射撃ボタン押しっぱなしにしながら格闘ボタンをポチポチ押しているだけでクリア出来ます。
そんなシューティングパートが結構な回数あります。
もっと凝った飛行ユニットを使う戦闘がしてみたかったなぁと思いましたが、それやると別ゲーですしね。
しかしミニゲームとしてはお粗末と言わざるを得ません。
ミニゲームだからいいのか?それにしたって多いよ。
ハッキングが面倒
上記の飛行ユニット搭乗時のシューティングパートと似たようなものですが、敵コンピュータをハッキングした際にもレトロ感のあるシューティングが挟まります。

こちらも強制的にプレイさせられる機会が多いです。
そしてこちらはこちらで逆に難しい。
これは私が悪いだけかもしれませんが、最後の最後までこのシューティングでもロックオン出来る事を知らないでえらい苦労しました。
あと自機が結構滑るのですよね。それもストレス。
あと細かい点を挙げれば、衣装やアクセサリー変えてもムービーになると戻ってるとか、喋っている時に口が動いていないとか、処理落ちがちょっと気になるとか、サブクエストの推奨レベルが分からないので序盤は無茶なやつがあるとか、スキャナーでL2押し続けていないといけないの面倒とか、戦闘もそこまで難しくないとはいえ使うボタンは多いのでおじさんには慌ただしいとか、サブイベントのアイコン不具合多くない?とか、アイテムの所持限界量が少ないからチップ厳選してるとすぐ売るか捨てるかしなくちゃいけないとか、いちゃもんレベルですけど残念な点が無い事は無いです。
所感
綿密に練り上げられた世界観と感情を揺さぶる濃密なストーリー。
それらを正確に盛り上げるBGM。
そしてプレイヤーのスキルを問わず幅広く対応するプレイング環境。
素晴らしいゲームだと思います。
とにかく “ニーアオートマタの世界” に引っ張り込む力が凄い。
人気が出るのも700万本売れるのも頷けます。
そして安い。
このクオリティでセール2,000円は凄いですよ奥さん。
定価の5,000円でも全然アリです。
2,000円ならこれはもう全ゲーマーに「もしかしたらハマらないかもしれないけど一度はプレイしてみて損はないぞ」と胸を張ってオススメ出来るゲームです。
総合して客観的評価は★★★★★、主観的な評価は★★★☆☆としたいと思います。(あれ?)
ネタバレ全開の個人的感想クソ雑記はこちらです。

ニーアレプリカントのレビュー記事はこちらです。
